第九章
魔理沙はどうなってしまうのか…?
第9章
私は、散った人形の中心で座り込んでいた。
散った瞬間に感じられた魔理沙の意識のような不確かななにかも、今は感じられない。しかしさっきから人形と目が合う気がする。私は今はもう術式を組む気にもなれず、散り散りになった人形のかけらを集めて、一つずつ縫い合わせていった。
胴体に頭を着ける。
膝を縫い合わせ、腿からでた綿を入れて閉じる。
四肢を体に縫い合わせる。
こうしてみると、人間の関節に当たる部分だけが爆ぜていることが解る。まぁ、解った所で何にもならないんだけど。
こうして人形をもと通りに戻した時に声を掛けられた。
「その人形に、魔理沙さんがいるんですか」
「散った瞬間は、ね」
「今は」
「さあ。感じられないけど?」
その時、阿求の目に少しだけ光が戻った気がした。
「その人形、動かせます?」
「誰に言ってるつもり?」
そう言って人形にアクセス……。おかしい、繋がらない。アクセスすることすら適わないなんて、まるで生身の人間を相手にしているみたいで…生身の…人間?
魔理沙がこの中にいるって言うの?
「ねぇ、魔理沙…?」
人形は微動だにしない。
「中にいるの?」
感情すら感じられない。
「魔力を流せば、動くから。反応してよ」
それでも反応はない
「アリスさん…」
「駄目ね。意識は入ってない。もしくは入ってても魔力がない」
安らかな寝息を立てる魔理沙の身体に目をやりながら、二人は過ぎゆく時間を過ごしていた。
一応クライマックスになるんでしょうか。