第八章
ちなみにここからは砂糖はない…かなぁ。
第8章
「誰なの!」
私は魔理沙が家にいないので、自宅に帰って来ていた。そして割れたガラスと溢れだす魔力を前にして、家に駆け込み叫んでいた。
そんなバカな。
あれを動かすには魔法使いの魔力が必要で、図書館の魔女が来るとは思えないから起動したのは魔理沙になる。
しかし彼女とて未完成の術式に魔力を流す程バカじゃない。そんな事をしたら暴発するのは目に見えているのだから。
じゃあ、どうして。
どうして魔理沙は魔法陣の真ん中で倒れているの…?
「アリスさん」
びっくりして声のした方を向くと呆然とした阿求が立っていた。
「ごめんなさい、私は止めなかった…。私が頼まなければ、魔理沙さんはここにはいなかったのに…」
「どういうことなの?詳しく説明して頂戴」
阿求はうつろに一つ頷くと、その場に座り込んで話し始めた。
彼女の話を要約すると
「里の子に人形劇がやってないのは何故か調べてほしいと頼まれ、魔法の森に入るために魔理沙に協力を仰いだ。しかし不在のため帰ろうと言ったが魔理沙が勝手に入ってしまい一人で外にいるのは危険だと思って中に一緒に入った。暫く探索していたら研究室に辿りつき、魔理沙が魔法陣をふんだら魔力が流れ出て魔理沙が倒れ、アリスがやってきた」
といった具合だった。
迂闊だった。本来は動物で実験しようと思ってたから重みを感知して発動するように組んでいたんだった。いつもなら組み終わるまで部屋を出ないから、第三者が組みかけの魔法陣に触れるなんて、想定してなかった。
この術式は魂の剥離解析までしか組んでないから、精神の糸の接続もしてないから魔理沙の意識は出てこられないかも知れない。
いや、精神の糸ならここにもあるじゃない。
私は魔理沙の体に精神の糸を括りつけて魔法陣に接続しようとした。
しかしその時、地震が起こり、棚にあった人形が落ちてきて、魔法陣に触れた途端に大量の魔力が流れ込み、人形が散り散りに飛び散った。
私はその中に、魔理沙の意識が有るような、そんな気がした。
その場には呆然とした少女が二人と、倒れ臥して事切れた様に眠る少女が一人。
外には初めて出会った時の様な、満月の夜の帳が下りていた。
なにがしたいんでしょうね、作者は。