プロローグ
今日思いついて今日書き始めました。よろしくお願いいたします。一日1シーンはアップしたいです。
一体どうしてなの。
あたしが何をしたって言うのよ?
ねえ、神様。
お父様とお母様は共に、国家ガーディアン級の魔法使いだって言うのにさ。
その娘のあたしはどうして難病を患っている訳?
……ああ、運命は残酷だわ。
幼い頃から、あたしは病弱だった。具体的には体力が全然無かった。病名、肉体脆弱病。その病気のせいで学校に通うことすらままならず、人生のほとんどを病院で過ごした。あたしの青春と言えば、医者の美青年を相手に、お話に花を咲かせることぐらいだった。
お父様とお母様は首都の王城で働いている。王様からガーディアンの位を授けられている。ガーディアンと言えば、魔法使いの階級ではトップなの! それぐらい、あたしの父母は凄い人なんだ。
あたしは首都の病院に入院しながら、いつかは病気を治して、お父様やお母様と同じように偉い魔法使いになりたいと思っていた。だから、幼い頃から魔法書のお勉強は毎日欠かしたことがない。これでもあたしは努力家なんだからね。えっへん!
だけど病気が治ることなんてあるのだろうか? 10メートルも走ると息を切らせてしまうあたしは、周りから気の毒そうな視線を浴びていた。思い返せば不治の病だったのよね。だけど発見されたのよ。何って? 決まっているじゃない。肉体脆弱病に効く薬! その名もリセプファイ。
毎日、夜の夕食前に二錠のリセプファイを飲むことで、あたしの肉体はどんどん強くなった。体力トレーニングをしながら半年も生活を続けると、人並みの体力をつけることが出来た。やったわ! これなら入院生活も終えることができる!
あの時は父母も涙を流して喜んでくれたのよね。
病院を出ると、あたしが希望したこともあって、すぐに魔力測定施設に行き、自分の身体に宿る内包魔力を測ってもらうことになった。
青いローブを着た測定員が両手に掲げる魔力水晶に右手を当てて、魔力を測定してもらったわ。
……だけど。
どうしてなの?
……なんで。
あたしの人生はなぜこういう風な、いわゆる先天的な困難に満ちあふれているんだろう。
あたしの内包魔力ランクは、最低のDだったのだ。