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幸せを追う悪女達  作者: 春咲菜花
第二章
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第四十話   千年ぶりの友人

あ、そっか。

琴葉や柚木は知らないんだ。


「これは?」

「イアン」

「中身は?」

「え?は?はぁぁぁぁああ!?」


琴葉が叫んだ。

大体察したのだろう。


「何で言ってくれなかったの!?」

「言う術がなかった。魔法球叩き割ったから」

「何で叩き割るのよ……」


琴葉は呆れたように言ったあと、伊里也をまじまじと見つめた。

伊里也は不思議そうに琴葉を見つめ返した。

琴葉はフッと笑って伊里也を見つめるのをやめた。


「おちゃめだね」

「お前には言われたくないね」


私と柚木は顔を見合わせて首を傾げた。

何だったんだろう。


――コンコンコン。


ドアがノックされた。

誰か来たのかな?


「私達は出ていったほうがいい?」

「いや、ここにいてくれ。何せお前らに会いに来た奴らだからな」


柚木がそう言いながらドアを開けた。

そこには、オーリスやカイル、ディーアにアエテルナ、私と伊里也の両親が立っていた。

私はお母様とお父様に抱きついた。


「ただいま、お母様!お父様!」

「おかえりなさい、ユリィ」


優しくそう言うお母様は、私が何をしたのか忘れているかのようにも思える。

でも、私はずっと謝りたかった。


「お母様、お父様ごめんなさい。千年前、ひどい態度を取ってしまって」

「いいのよ。私達は本当のことを知っているから」

「お前は心優しい子だ。私達の誇りだよ」


ああ、やっぱり。

ユリィ、あなたはちゃんと愛されてたんだよ。

小説ではユリィは家族に冷たく当たられてた。

それはユリィを真人間に戻すためだったんだ。

ユリィもお父様もお母様もあなたを愛していたんだよ。

でもきっと。

私はユリィがあっちの世界で幸せそうに家族と笑っている様子を思い出した。

ユリィもそれを分かってたんだろうね。


「……リリアから聞いたけど、君達はこの世界の人じゃないんだね?」


お父様が言った。

お姉ちゃんはそこまでちゃんと話してくれたんだな。

いつか話そうと思ってたからちょうどよかった。

でも、もし自分の娘じゃないから勘当するなんて言われたら……。

私は恐る恐る頷いた。


「……そうか。でも、この世界で君達と過ごしたことには変わらない。私達は君達を本当の家族のように思っているよ」

「……っ」

「教えてくれないか?君の名前を」


そうだった。

お父様達はどんな私でもちゃんと向き合ってくれた。

愛してくれたんだ。

ユリィじゃなくても私を娘だと思ってくれている。

私の名前を呼んでくれようとしている。

すごく嬉しい。


「菜乃葉……。山里菜乃葉!」


私は満面の笑みで言った。

その様子を微笑ましそうにみんなは見ている。


「菜乃葉か。いい名前だ。改めて、これからもよろしく頼むよ。菜乃葉」

「はい!」


温かい家庭。

すごく優しい家族。

私達は今世の家族には恵まれたんだ。


「菜乃葉達は過去に行ってたんだって?」

「過去の俺達はどうだった?って言ってもお前らからしたらそんなに変わってないよう見えるだろうけどな」

「王妃様は規格外だと思ってたけど、まさか二日で時を遡る魔法を作るなんて……」


ディーアにオーリス、カイルがそう言った。

みんながまだ生きてたなんて感激だよ。

私はみんなの方に歩み寄った。


「えっとね、私達は並列世界の過去に飛んじゃったんだよね」

「は?」

拍子抜け多様な声を出したのはカイル

だった。

時を遡るはずの魔法が並列世界に飛ばした。

これはカイルの大好物の話だ。

カイルは私の方を両手で揺さぶった。


「詳しく」

「あっ、ハイ……」


すごい剣幕で私を見るカイルは若干怖い。


◇◆◇


「なるほどね。つまり、私達をこの世界に連れてきたのはユアン達だけど、それを仕向けたのは女神様だったわけね。で、その女神様は世界の理を正すために私の作った魔法の構成を改変させて、二人をユリィ達が生きている世界に飛ばしたと」


状況を理解した琴葉がそう言った。

本当に理解早いよね、この人。

カイルは目を輝かせながら手帳に何かをすごいスピードで書いている。


「で、並列世界の僕達はどうだったんだ?」


ディーアが聞いた。

えっと、カイルが裕翔くんで、ディーアが楓だったよね。


「オーリス以外の二人は私達と同じ転生者だったよ」

「何でもありだな、この世界」


柚木が天を仰いで言った。

それはこの場にいる全員が共通で思っていることだろう。


「ねぇ、菜乃葉ちゃん」


イーリス様が口を開いた。

その瞳には何か企みが隠れている気がした。


「何でしょうか……?」

「ふふっ」


イーリス様が放った言葉は私達を硬直させた。

みなさんこんにちは春咲菜花です!ついに次回が最終話となります!寂しいですね……。さて、今回は菜乃葉達が魔法学園に通っていたときに仲良くなっていた、こちらの世界のオーリス達と再開しましたね!そして両親に転生者だとカミングアウト!盛りだくさんでしたね!イーリスが菜乃葉に何を言ったのか。それは次回明らかになるのでお楽しみに!良ければ、レビュー、リアクション、ブクマ、グッド、感想をください!それではみなさんまた次回!

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