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幸せを追う悪女達  作者: 春咲菜花
第二章
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第五話    不可解な出来事

私とイアンはシリアから事情を聞いて、教室に戻っている最中だった。

シリアはユリィと話している最中、いきなり体が勝手に動いたらしい。

そして、ユリィを罵った。

ユリィはそれに怒ったのか、ストレス発散のためなのか、彼女は教室内で魔法を撃った。

しかし、不可解なのが、その行為をその場にいた人達が覚えていないことだ。

シリアは大声で叫んだと言っていた。

それが聞こえないはずがない。


「ユリィが魔法で人を傷つけた……。ね……」

「どうした?」

「ユリィは回りくどいことが嫌いなの。言いたいことはズバっと言うし、それに物理攻撃することをはしたないと思ってる。だから……」

「ユリィも何者かに操られた可能性がある」


さすがイアンだ。

頭の回転が早い。

学園の校則で禁じられている行為をしたユリィは、一週間の謹慎処分を受けたらしい。

あの後ユリィは魔法封じの手錠をかけられ、学園長室に連れて行かれた。

その後は屋敷に戻ったらしい。


「その何者かが分からないな」

「誰かは分からないけど、この世界には多分いる」

「いるって?」

「私達と同じ転生者、イレギュラーな存在が」


イアンは目を見開いた。

誰か分からないというのが悔しい。


「じゃあ、放っておいても勝手にユリィ達を助けてくれるんじゃないか?」

「そうとも限らないよ。その人が物語通りになることを望んでいたら?」


イアンはハッとした表情をした。

もし転生者が物語通りになることを望んでいれば、ユリィを庇うこともしない。

それをちゃんと察したんだろう。


「転生者は当てにしないほうがいい。そして『キミセカ』の読者で、登場人物を助ける気がないと考えた方がいい」

「だろうな。登場人物を助ける気があるならユリィはもっとなんとかなっていたはずだ」

「きっとこの世界を物語と同じように見ているんだろうね。私達や登場人物もみんな生きているのに」


私達は教室が見えるところまで戻ってきた。

ドアを勢いよく開けて、男子生徒が私に向かって走ってきた。

イアンは私の前に立った。


「イリヤ、いいから」

「シリアは……?」


不安そうな顔で聞いてくる彼はシリアの婚約者だろう。

そういえば、小説でもシリアと相思相愛だったかな。

小説内のシリアはユリィの取り巻きだった。

しかし、それは親からの命令だからだ。

嫌がるシリアにユリィは無理やり嫌がらせをさせる。

ユリィが死んだ後はセシリアに謝罪して、婚約者と幸せになったとか。


「シリア様は大丈夫ですよ。回復魔法で傷も癒えていました」

「そうか……。良かった……」


心の底からホッとしたような顔をして、私達に頭を下げて教室に帰って行った。

律儀だな。

私達も教室の中に入った。

相変わらずユリィの悪口が聞こえてくる。


「……セシリアがいない」


私は教室内にセシリアがいないことに気がついた。

どこを見てもいない。


「イーベル殿下」

「ナズナか。どうした?」

「セシリア様は……?」

「それがユリィに話を聞きに行ってから帰ってこなくて……」


イーベルがセシリアの居場所を言おうとした時、教室のドアからセシリアが入ってきた。

制服は血だらけで、泥で汚れている。

ドアの前に居た生徒はすぐにセシリアの方向へ行った。


「セシリア!どうしたの!?何があったの!?」

「ちょっと……。ユリィ様の機嫌を損ねてしまっただけです」


セシリアは笑った。

琴葉のセシリアとは違う笑い方で。


「ユリィになにかされたの!?」

「何があったのか聞こうと思ったら、魔法を打たれただけよ。私が悪いよ」

「でも……」


セシリアは自分が悪いと主張している。

こんなシーン、小説でもあった気がする。

でも、ここまで過激じゃなかった。

それに、ユリィが帰ったのはさっきだよね。

それなのに今帰ってくるのはおかしい。

だとすると、セシリアが転生者である可能性が生まれる。

確証はない。

もしかしたらユリィの姿をした誰かにやられたのかもしれないし、本当にそうなのかもしれない。

しかし、魔法でここまで泥まみれになることも、血が出ることもない。

分からない。

分からないよ。


『菜乃葉』


私は日本語で名前を呼ばれた。

周りを見たけど、誰もいない。

空耳……?

分からない。

私はイアンを見た。

もしかして、イアンが……?


「……あまり考えすぎるな。まだ時間はある」

「……」


やっぱり違った。

でも、イアンの声に似ている気がした。

私はその後、菜乃葉の姿になり、セシリアの傷を癒やした。

それで解決とは言えない。

誰が転生者なのか、あの声は何だったのか。

それを考えなければならない。


◇◆◇


「――だからこうなるんだろ?おい、大丈夫か?」

「無理ぃ……。情報量多いぃ……」


私はイアンに寮の庭で魔法を教えてもらっていた。

今日の授業で習った魔法がうまく使えなかったからだ。

火の鳥を作ってコントロールする。

それだけなのに、私は演習場の的を全部壊してしまった。

下手なのではない。

魔力の調節が下手なのだ。


「もう一回やってみろ」

「分かった」


私は手のひらに魔力を集めて、火の鳥を作った。


「ぬぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉおおおん!」

「……令嬢とは思えない声が出ている」


私は火の鳥を先生から借りた金属でできた絶対壊れない的にぶつけた。

それは見事に溶けた。

跡形もなく。


「……」

「……」

「絶対溶けないとか嘘じゃん」

「お前の威力が馬鹿なだけだよ」


イアンは溶けた的に水をかけた。

的は溶けて固まった鉄は、触れる温度まで下がっていた。

私は固まった的をつつきながら言った。


「意味がわからん」

「な〜の〜は〜!!」


私の背中に誰かが抱きついてきた。

少年の声をした人の正体は。


「ユアン!!」


私達が来た未来のユアンだった。

みなさんこんにちは春咲菜花です!最近あとがきで何を書けばいいのかわかりません!あらすじとか?でも本編見た後だしな要らないかな?もう分かりません!(笑)レビュー、ブクマ、グット、感想をください!!感想は泣きながらお返事を書きます!!(笑)次回もお楽しみに!

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