表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
幸せを追う悪女達  作者: 春咲菜花
第一章
15/70

第十五話   ユリィの目的

『材料が足りないわね。取ってくるわね』


ユリアンがそう言った。

どうして三人が秘密裏に会っているの?

何の計画を立てているの?


『依代の調子はどう?』

『いい感じよ。生身の重さなんて久しぶりよ』


ユリィは幽霊になっているんじゃないの?

生身の重さって何?


『次のターゲットの名前って何だっけ』

『イアン・グリーファよ。覚えて』


ターゲット?

何の話?


『君も大胆なことをするよね。まずは自分が死んで、周りの人達も殺して異世界人の魂を入れるなんてね』

『もう殺されるなんてごめんだからね。それに発案者はあなたじゃない』

『まぁね。繰り返す人生を終わらせるには、生贄が必要だもんね』

『あれ?さっきから魔力が減ってると思ったら、魔法を使ってた』

『何やってるのよ』


そこで会話は途切れた。

イアンは私の様子を見ながら首を傾げている。

分かった。

誰が犯人なのか。


「イアン。犯人が分かった」

「は!?」

「犯人は、ユリィ自身だ」

「待て待て待て!意味がわからない」


ユリィはおそらく殺される人生を繰り返していた。

そのループから抜け出すために、人を殺した。

そして、異世界との狭間に干渉できるユリアンと手を組んで、私達を自分の体に入れた。

それがどうしてかは分からない。

自分が助かるためとはいえ、こんな大胆なことをするなんて。

それに、どうしてイアンが狙われることを私に話したの?


「イアン」

「何だ?」

「少し、協力してもらいたいの」


私はイアンに不敵な笑みを見せた。

イアンもそれに返してくれた。

交渉成立だ。


◇◆◇


「で、何で手を繋いで一緒に寝る必要があるんだ?」

「これで一緒に異世界をの狭間に行けるはずだから」

「母上がいらぬ気を回したのは申し訳ないと思った俺が馬鹿だった。最初からこれが狙いだったのか」


私はこの屋敷に三日間滞在することにした。

それをイーリス様に相談したところ、誤解をされてしまって、イアンの部屋を使うことになった。

まぁ、それを狙ったのは私だけどね。


「そろそろ寝ようか」

「そうだな」


目を覚ましたとき、私とイアンはまたよくわからない場所にいた。

成功したらしい。


「ユリィ、その姿は?」


イアンは私の前世の姿に目を丸くした。

制服にロングの黒い髪をアップにしているだけだから、貴族からしたら少し違和感があるのかな?


「あ〜!菜乃葉ちゃんっ!やっと来てくれたんだ!」

「セシリア!」


私とセシリアは笑顔で抱き合った。

この方法を教えてくれたのもセシリアだ。

行く機会がなくて、ずっと来れてなかったけど。


「あれ〜?そこにいるのはイアン様かな〜?」

「あ、イアンだ。おひさ〜」

「おー、菜乃葉やっと来たか」


ぞろぞろと殺された人達がやってきた。

イアンと私を取り囲んだ。

イアンは、真っ青な顔をして私を見た。


「イーベル殿下達まで殺されているのか?」

「そうだよ」


イアンが何を言いたいか何となく分かる。

王族が二人も殺されてていいのか。

まぁ、良くはないでしょうね。


「あ、改めて自己紹介するね。私の名前は山里菜乃葉。よろしくね」


私はイアンに微笑みかけた。

イアンは口をあんぐり開けた。

山里菜乃葉なんて名前、こっちではないからね。


「ユリィはいないわよ」


お姉様の声……?

私は声の方向に目を向けた。

そこには、お姉様がいた。

つまり、あのお姉様は異世界人?

そういえば、ここでアエテルナを見ていない。

アエテルナは普通の転生者ってこと?

分からない。


「ここにいるみんな、殺されてるってことだよね?」

「うん、そうだよ〜」

「ユリアンって人を知ってる?」

「あー、私達が殺された後に必ず来る人ね」


セシリアがそう言った。

やっぱりあの人もグルか。


「私はあの人が私達を殺したんじゃないかと思うけどね」

「どうして?」

「あなた達のときも来たんでしょ?タイミングよく来ることある?それに、あの人が帰るとき、必ず光る何かを持ってるじゃない。怪しいわ」

「疑心暗鬼かよ」


イーベル達は笑っているが、お姉様が正しい。

お姉様と二人きりで話がしたい。

私はお姉様に視線を送った。

お姉様はすぐに気がついてくれた。


「菜乃葉と二人で話がしたいわ。お邪魔虫はどこかへ行っていて」

「言い方」


セシリア達はすぐにどこかへ消えていった。

ユリィの性格は物語と違うけど、お姉様の性格は物語と一緒。


「何?」


イアンと私は目を合わせて頷いた。

お姉様ならこの話を理解してくれるかもしれない。

私はすべてを話した。

お姉様は怪訝そうな顔をしながら、最後まで聞いてくれた。


「やっぱりあの子なのね」

「気づいていらっしゃったんですか?」

「憶測でしかなかったけどね。確信に変わったわ」


お姉様も察しがいいから気づいていたんだ。


「ユリィが何らかの禁呪に手を出していることは分かる。もしかしたらそれは、十人の命乞いかもしれないわね」

「十人の命乞い?」

「聞いたことはあるけど、詳細までは知らないな」


イアンも知らないらしい。


「詳しいことは時間がないから話せないわ。自分たちで調べて。それじゃあね」


◇◆◇


「菜乃葉、起きろ」


イアンの声が聞こえて目を開けた。

今、私の事を菜乃葉って呼んでくれた?

名前、ちゃんと覚えてたんだ。

私は起き上がって、イアンを見た。


「王立図書館に行こう。十人の命乞いのことを調べに」


イアンは力強く頷いた。

冬課題が終わらない……。どうも、春咲菜花です(笑)さて、今回はユリィの目的について色々話されましたね。なんと、ユリィのお姉さんも殺されていました。今後はどうなっていくのでしょうか!では、また次回お会いしましょう!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ