第十一話 夢で出会ったユリィ達
私はあれから、誰も周りにいなくなった。
私は自室のベッドで仰向けで寝転がっていた。
私を気にかけていてくれたいっくんも琴葉も、もう私を気にしていないようだった。
一人ぼっちはもう慣れた。
前世から何も変わっていない。
周りにいた少数の友達がいなくなっただけ。
元に戻っただけ。
悲しくなんかない。
友達に離れていかれるのだって、もう何度も味わった。
この悲しみも、何度も味わった。
「あ……。れ……?」
何で?
何で涙が出るんだろう。
ずっと前と同じ状況になっただけなのに。
どうして……?
あぁ、そっか。
一人に慣れたときの感覚は、みんなのお陰でずっと前に消えたんだ。
なのに、慣れたなんて強がりをしてしまった……。
――ねぇ、どうして誰も私の声を聞いてくれないの……?誰か……。ねぇ、誰か私の声を聞いてよ……。お願い……。
そっか、慣れるわけなかったんだ。
慣れる人なんていないよね。
自分の部屋には誰も来ない。
前にはアエテルナがいて、明るかった部屋の雰囲気も暗くなってしまった。
耳になにか温かい水がついた。
私の涙だ。
とめどなく流れてくる涙は、今まで我慢してきた分だろうか。
止まらない。
止まらないなら眠ればいい。
私は目を閉じた。
これで涙が止まるといいけど。
◇◆◇
「ここは……」
目を覚ましたら、私はよく分からない場所にいた。
「目を覚ました?」
「……っ!あなたは!」
声が聞こえた方向に目をやると、白色の髪と青色の瞳を持った少女がいた。
ユリィ・セ―リア……。
少女は間違いなくユリィだった。
「どうして……」
「私はあなたが入っている体の元の持ち主よ。あなたの名前は?」
「山里菜乃葉……」
「菜乃葉あなたに話を聞きたかったの。そこに座って」
ユリィは近くにあった椅子に座って置いてあった紅茶を飲みながら、私に向かいの椅子に座るように言った。
私は前世の姿になっていた。
私は椅子に座って、紅茶を飲むユリィを見た。
どうしてユリィがここにいるのか分からない。
そもそもここはどこなんだろう。
「まず、あなたが私の体に入った理由から行こうかしら」
「そんなことが分かっているんですか?」
「えぇ。理由は私が死んだからよ」
「え?」
死んだ?
ユリィが?
私が転生したときも、ユリィの体は生きていたはず。
「死んだなんて……。何かの間違いじゃ……」
「いいえ。私はあの日、あの瞬間に死んだ。高熱だと聞かされていると思うけれど、私は何者かに毒を飲まされた。私が死んだタイミングで、あなたが異世界で死んだ。行き場をなくしたあなたの魂は、異世界とこの世界の狭間を彷徨い、私の体に入り込んだ」
「でも、どうしてイーベルやセシリア、ギディオン、アエテルナまで異世界の人の魂が入っているんですか?」
ユリィは真剣な眼差しで、私の顔を見た。
「全員同じ人物に殺されたのよ」
ユリィが言ったことの意味がわからなかった。
全員同じ人物に殺されていたとして、どうして違うタイミングで死んだ私達が同じタイミングで転生したのか。
そこが謎だ。
「でも、どうして異世界で違うタイミングで死んだ人達が同じタイミングで体に入り込めたんですか?」
「異世界とこの世界の間に、時間の歪みがあったとすれば?」
「……」
「あなた達の魂は私達を殺した人物により、意図的に異世界とこの世界の狭間を彷徨わされた。私達を殺して、すべての準備ができたら狭間からこの世界に連れてきて、殺した私達の身体に入りこませた。そう考えればすべてが繋がるわ」
なるほど。
たしかにそれならすべてが繋がって納得できる。
「誰に殺されたか分かりますか?」
「それが、誰も分かっていないの」
ユリィがそういった瞬間、ユリィの後ろから、イーベルとギディオン、セシリア、アエテルナが現れた。
「ユリィ、この人は?」
「私の体の持ち主」
「可愛い子ね!」
「セシリア、人にはそうやって抱きつくものじゃないよ」
「紹介するわ。……要らないかしら」
私にそれぞれの紹介をしようとしたユリィは私に聞いた。
確かに現実で知っている。
でも、本物の人達は知らないから欲しいかも。
「欲しいかな。転生した人の性格しか知らないから」
「それもそうね。まずイーベル」
「よろしく」
「彼はたまに自意識過剰発言があるわ。スルーしていいわ」
何か、イメージと違うんですけど。
「こっちはギディオン。イーベルの兄よ。こっちは普通」
「よろしく」
「こっちはセシリア。可愛いものが大好き」
「よろしくね〜」
「で、私はユリィ。さっき言った通り、あなたの体の持ち主だったの」
全員ちょっとイメージと違うところがあるな。
そうだ、私も自己紹介をしないと。
「私は山里菜乃葉です。今はユリィの体の持ち主になっています。よろしくお願いします」
みんな私の自己紹介を笑って聞いてくれた。
言い終わったら、「よろしく」と言ってくれた。
「あの、質問なんですけど。皆さんを殺した人の顔とかって覚えてます?」
「全く覚えていないわ。しっかり見たはずなのに」
「死の間際だったからか?」
「こんなに覚えていないことってあるのか?」
「私も覚えてない」
全員覚えていないらしい。
しっかり見たのに覚えていないって言うのはなんか妙だよね。
もしかして、認識阻害の魔法かな。
「あ、私達は体を返してほしいわけじゃないからね。あなたと話がしたかっただけだから深く考えないでね」
「時間だよ〜」
セシリアがそう言った。
「また呼び出すと思うわ。そうでなくとも、私達はあなたをいつでも見ているわ。それじゃあ、またね」
私の視界がぼやけ始めた。
ほとんど何も見えなくなった時に、今までいなかった三人くらいの人の声が聞こえた。
◇◆◇
私が目を覚ましたときには、もう朝だった。
寝る時にはかけていなかった布団がかけられていた。
一体誰が……。
私は窓を見た。
また始まるのか。
楽しくない毎日が。
みなさんこんにちは!春咲菜花です!今回は本物のユリィ達に会いましたね!ユリィ達がまさかの殺されていたという真実を知った菜乃葉は驚きを隠しきれていませんでしたね!今後どうなっていくんでしょう。私にも分かりません(笑)。次回はどうなるんですかね(笑)?次回の十二話でお会いしましょう!それでは!




