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英雄求む。後、友達も

 異世界とヤンキー物を描いてみたいと思い、投稿してみました。

 彼らの破天荒さは異世界にどんな影響を及ぼすかな?


 その世界樹は何世代もそこに根を生やしている。

形は屋久島の縄文杉に似ているが、年齢は屋久島よりも数千年以上はそこにいる。

 その樹木の前で一人のエルフが手を合わせている。

透き通るような白い肌に綺麗な金髪、碧い瞳で一見すると欧米人のように見えるが、トンがった耳をしていて、整形したのでなければ、容姿は人間離れしていた。年齢は高校生のように見える。彼女はエルフ族のシシーという。

 シシーは力を蓄えている魔王を倒すために勇者を召喚するため、世界樹にお祈りしている。それともう一つ、誰にも言えない隠れたお願いがある。

「世界樹よ、魔王が活動を開始しようとしています。その為に勇者を派遣して下さい」

 その時、世界樹がパァっと輝いた。期待の眼差しで樹木を見つめるシシーの頭の中に声が聞こえてくる。

「ええっと、君?魔王を倒す為に俺に祈ってる人?」

 シシーは何だこの軽いノリはと思いながらも、その場に跪いた。

「貴族の出身で名前はシシーと言います。世界樹よ、貴方の力をお貸し下さい」

「ふーん、シシーさんって言うんだ。魔王を倒したいのは本当だろうけど、別の目的もあるでしょ?」と笑いながら、世界樹は言った。

 シシーは動揺のために眉をピクリと動かした。平静を装い話す。

「何のことでしょうか?純粋に私は魔王を倒して、この世界を救いたいと思っているだけです。」

「嘘だわ。君、友達居ないでしょ?だから、勇者を召喚して、魔王を倒して、名前を上げて、そこにやってくる、自分が認めるレベルの友達を作ろうとしてるんだよね?」樹は笑いながら話す。

 シシーは何で、私の隠れたお願いがわかったんだろうと思い、怒りをいだきながらも下手に出ることにした。

「いいえ、そんな事はありません。私は純粋に世界を救いたいと思い、万能と呼ばれる、世界樹にお願いに来た次第でありまして、決して、下心があるわけではありません。」

「上手いなぁ、シシーは。万能でイケメンは言い過ぎだよ。」

 シシーはイケメンなんて言ってないし、何で、初対面なのにいきなり呼び捨てにされなきゃいけないんだと思いながらも、機嫌を取るため、言わない事にした。

「世界樹の噂は里では有名な話になっていまして、是非、世界樹の力をお貸し下さい。」

「いいや、シシーと似たような種族が来るけど、その人達と雰囲気が似てるもん。実際に友達居なさそうだし」

 まんまと気にしてる図星を当てられたシシーはカッと目を見開いた。

「己‼️たかが、樹の分際で高貴なエルフ族の貴族たる、私を侮辱するとは目に物見せてくれますわ‼️」

 ーーシシーは立ち上がり、両手をかざす。

 ーーシシーが呪文を唱えると魔法陣が映る。

 ーー全てを焼き尽くす炎、インフェルノが召喚される‼️

 世界樹は溜息を吐いた。

「そんだけの炎が生み出せるのは、流石はエルフ族で結構な実力者だって事だ。でもわかってないなぁ。一応、俺はここら辺一体のリーダーよ?」

 世界樹が黒く輝いた‼️

 シシーから召喚されていた炎が消え、シシーが倒れ込み、酸素のない魚の様に口をパクパク動かしている。

「何で、炎が?」

「ドゥーユゥーアンダスタン?物が燃えるには、可燃物、酸素供給、点火源が必要なのよ、その内の酸素の供給を俺が周りの樹に命じて、酸素の供給を絶ったの。それにエルフ族は風と共に生きる種族だから、生きるのに空気が必要なんだよね。これに懲りたら、変な事はしないように、」

 シシーはコクコクと頷く。世界樹は輝いた。

「ゲハァ‼️」

 酸素の供給が開始され、シシーは呼吸を開始した。

「じゃあ、気をつけて帰りなよ。ちょっとやり過ぎたかな?美人が台無しだなぁ。いきなり呼び捨てにしたから気を悪くしちゃったのかな?何せ、滅多に人が来ないから接し方が分からないんだ。ゴメンね」

 シシーの周りに山の掌サイズの精霊達が現れる。精霊達はシシーに近寄ると倒れてるシシーのスカートの中を覗きにこんだり、胸を触ろうとする。

「コラァ‼️テメェら、大事な客人に向かって、なんて事をするんじゃ‼️」樹の怒声が響き渡り、精霊達が逃げ出す。

 シシーが顔を上げて、世界樹をマジマジと見つめる。

「あの」

「ゴメンね、アイツらしっかり叱っとくからさ」

 シシーはまだ、世界樹を見つめている。

「あのぉ」

「どうしたの?」

「どうして、分かったんですか?」

 世界樹はあっけにとられた声を出した。

「え?」

 シシーはモジモジした口調で話した。

「何で、私が友達が居ないって分かったんですか?」

 世界樹は笑い出した。

シシーは恥ずかしさで白い肌を顔を紅く染める。

「そんなに笑わないで下さい。」

「だってさ、君、俺と始めて口聞いた時から、俺の事苦手でしょ?」

 図星をあてられ、シシーは戸惑った。

「ああ、足元に僕の根っこがあるでしょ?」

 シシーは足元を見ると樹の根っこを踏んでる事に気がついた。

「それで心拍数とか測れるのよ。魔王の件を話してる時に心拍数が乱れたの、この子は何か隠してるなって思ったの。」

 シシーは何で、それで友達の事まで、分かるのかと思ったけど、話を聞いてみる事にした。

「考えてみると、今までここに来た種族で貴族とか言ってる人に聞いた事があって、そう言う人たちは漏れなく、友達が居なかったのよ。中には一緒に来た人達で自分に見合う一緒にいる奴じゃなく、自分と見合うレベルの仲間が欲しいと言って、背後からヤラれた奴も居るからね」

 シシーは傲慢な自分の考え方を恥じた。

「あっ‼️シシーさん、反省してるね?始めてだよ。こうやって言って、反省してるの。他の奴らはキレて帰ってくだけだからさ。この経験を活かしてさ、友達を作りなよ。賢いシシーさんだったら、きっといい友達ができるよ」

 たしかにシシーは友達が欲しいという欲求は嘘ではない。でも、もう一つ、嘘じゃない事がある。この世界を護るにはたとえ、勇者じゃなくてもいい、救ってさえすれば、その為にはどんな犠牲も払ってみるつもりだ、そう思い頼んでみる。

「この世界を守る者を召喚して下さい。」

「勇者じゃないんだ?邪悪な者かもよ?それに犠牲を払う事になるよ、いいの?」

「覚悟の上です。」

 樹はシシーの乱れない心拍数から覚悟を決めた事を確認した。

「じゃあさ、今から召喚するけど、その人達と冒険するから定期的に活動記録を話してよ」

 シシーは山の精霊達と配合して、アマルガムを生み出し、生涯孤独に過ごす事を覚悟していたけど、簡単な依頼に呆気にとられた。

「いや、俺さ、樹じゃん?ここから動けないから森以外のことがが分からないのよ、だから、様子を教えて欲しいなってね」

 シシーはコクリと頷いた。

「あっ‼️シシーさんが条件を下げたから来てくれる方達が居るよ‼️高望みは良くなかったって事だね。」

 シシーが苦笑いをした。

「あのー」

「どうしたの?条件を追加する?」

「いいえ、シシーって呼んで下さい。」

「分かったよ。シシー」

樹は光輝いた。

「手伝って欲しい事があるんだけど」






ご視聴ありがとうございました。

次回はいよいよ、召喚されますが、どうなるかな?

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