聞こえるのは、ラジオ?それとも…
「小説家になろう【夏のホラー2022】」参加作品(短編小説)
ホラー系は初参加です。
「この休みの過ごし方が重要だぞ!」
1学期の終業式終了後…
帰りのホームルーム。担任の先生からの言葉。
中学最後の夏休み…受験生。
部屋で、いつものように問題集を解いていたある日…
学校と塾の宿題もあり、
自主勉強で机に向かえるのは、夜。
行きたい志望校は、合格ラインギリギリ。
いつも息抜きに聞くのは…問題集購入者の中から、
抽選で当選した小さなラジオ。聞こえて来たのは…
「午前2時をお知らせします」
「もう、そんな時間!?」
ラジオの電源を切って、急いでベッドへ。
すると、どこからともなく聞こえる声…
『怖い…怖い…怖い…』
部屋には、僕1人。家族は寝ている。
誰だ?疲れてるのか?
恐怖で身体が震える。喉が詰まって声も出ない…
ずっと、聞こえる謎の声…怖いのは、僕だ。
一睡も出来ず…朝を迎えた。
夜に再び聞こうとしたけれど、
電源が入らない…故障?
修理を依頼した。後日…
「【修理結果のご報告】
弊社で様々な調査を行ないましたが、
通常通り聞けます」
帰って来たラジオの電源は、
入らない…
原因は、不明のまま…
その夜、
また、あの時と同じ状態そして、声が…
『お願い…誰か、誰か…助けて!!!』
大丈夫!大丈夫!大丈夫!と強く願った。
「さようなら…」
その言葉を最後に、声は…聞こえなくなった。
夏休みもあと、1週間。
得意な読書感想文を書こうと思い、
「何か面白い本ある?」
と同じクラスの奏太に電話で聞いてみた。
すると…
「あるよ!発売されたばかりだけど、
凄く面白くて、一気に読んじゃった」
お互いに本が好きなので、
とても気が合う。
「読んでみたいな。借りに行って良い?」
「ごめん。これから塾なんだ。
けど、通り道だから届けるよ」
10分後、インターホンが鳴った。
両親は、外出中。
階段を降りて、玄関のドアの鍵を開ける。
「礼央はい、これ。じゃあ急ぐから…」
「ありがとう!」そう言ってまた、鍵を閉めた。
渡された紙袋に入っていた小説のタイトルは…
『謎の声は…全て知っている』
!?!?!?
あの日の事は、誰にも話していない。
なのに…手の震えが止まらない。
その時、耳元で…
『ただいま…』
読めるのか?この小説…
夏休みは、あと1週間。
徐々に迫る高校入試。
背筋が凍りつく…
最後までお読みいただきありがとうございました。