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第78話 再会

【時刻ノ絶刀】

 対象のレベルや硬度に関係無く振り抜いた時に認識しているモノを絶ち斬る。

 断つのでは無く、絶つので斬られた対象は完全に停止か消滅を余儀無くされる。

 問題は認識が途中で変わってしまうと対象が移り変わってしまうこと。

 振り抜いた直後、一瞬でも何か別のモノに気を取られてしまうと、その対象を斬ってしまうのだ。よって時に予想外のモノを斬ってしまうことがある。

 仮に味方の声援やピンチに気を取られた場合、味方を斬ってしまうということ…。限定的な諸刃の剣なのだ。


『今回は上手くいったみたいだな。』


 自身の身体に傷がないことに疑問を持った雷皇獣が首を傾げている。


『安心しろ、この刀で斬ったのはお前とクリエイターズって奴等の繋がりだけだ。お前に傷はない。』

『がぅ…。』


 自身の身体を確認するようにクルクルとその場で回る。何かペットの犬みたいだ…少し可愛い。

 一通り確認し終えると、俺に向き直し姿勢を低く頭を下げた。


『それは…服従のポーズか?。』

『がう。』

『そうか。なら俺と契約するか?。』

『がう。がう。』

『よし!ちょっと待ってろ。』


 俺は神具を消し、闘神化を解除した。そして、女の姿になる。


『え!?女性に!?。』

『…なりましたね…。』


 遠くで驚きの声を上げる美緑と砂羅。

 説明は後だ。今はコイツとの契約が先。

 俺はNo.16 裏是流のスキル【幻想契約】を発動する。同意を得たモンスターと契約し幻想獣として使役できるスキル。好きな時に呼び出せる。また、契約したモンスターに【幻想化】というスキルを与え、実体と幻想体の2つの形態への切り替えを行える様にする。


『よし!終わりだ!どうだ?違和感は無い筈だが?。』

『がう。』


 頷く雷皇獣。


『契約ついでに名前も付けてやる。えーっと、ラディガルなんてどうよ?。』

『がう!。』

『気に入ったか?なら、お前の先輩を紹介だ。来い!クミシャルナ!。』


 魔方陣から現れる長い身体。鱗が覆う身体がキラキラと輝く。蛇の幻想獣。


『クミシャルナ、これから新しく仲間になったラディガルだ。面倒見てやってくれ。』

『きゅぅぅぅうううううう!。』

『がう!。がう!。』


 互いに頭を擦り合いコミュニケーション。


『本当は、あと2体居るんだが、ゲームの中に置いて来ちまったみたいなんだ。いつか会えたら紹介するな。』

『がう!。がぁぁぁあああ!。』


 俺の言葉に反応し頷くラディガル。

 そのラディガルが何かを吐き出した。


『ん?ああ、これってリスティナの宝石か…。これを使ってお前を強化してたってことか…。』

『がう。』


 宝石から解放された雷皇獣は俺の記憶にある大きさになり、さっきまでの荒々しさも消えた。

 だが、獣としての威風堂々とした佇まいは健在のようだ。

 宝石を失った影響でステータス画面に表記されていた【限界突破2】が消え、レベルも150から140に下がった。

 因みに120ではなく140なのは幻想獣として契約した際に俺の影響を受けたからだ。


 成程。この宝石を使って【限界突破2】のスキルをラディガルに獲得させ、あの凄まじい強化を施した。つまり、クリエイターズはこの宝石が何なのかを既に知っている。

 どこまで知っている敵なんだろうな…。このまま先手を取られ続けたら圧倒的に此方が不利になるぞ。

 俺は、リスティナの宝石を回収しアイテムBOXに入れる。

 だが、今はクリエイターズのことより睦美を探すのが優先だな。


『じゃあ、また呼ぶから一先ず俺の中に入ってくれ。クミシャルナ、色々教えてやってくれな。』

『きゅぅうう。』


 クミシャルナとラディガルを魔方陣を通して俺の身体の中に戻した。

 ふぅ…取り敢えず一件落着か…今回はマジで死にかけたからな…ヤバかった。


『す、凄かったです。その閃…さん。』

『おう。美緑と砂羅だったよな。巻き込んで悪かったな。2人共、怪我は無いか?。』

『はい。大丈夫です。それにしても分からないことばかりなのですが?。閃さんは女性だったのですか?凄く綺麗ですね。』

『ん?ああ、この格好か?これはスキルの影響だ。本当の姿は男の方だ。白聖の奴等に指名手配されてるからな普段は女の姿で行動してる訳だ。』


 男の姿に戻る。


『それを敵である私達に話しても良いのでしょうか?。』

『…今の俺の戦闘を見て、まだ敵になるか?。』

『………くすっ。いいえ。私の負けです。例えギルドメンバー全員で挑んでも貴方1人で全滅するでしょう。それに、私から情報を引き出すためにワザと拘束されていたんですよね?。私は最初から貴方の手のひらの上です。それに気付かなかった時点で情報戦でも私の負けです。』

『ははは。大丈夫だ。そっちから喧嘩売って来ない限り俺達からは手を出さないさ。』

『既に私達は貴方達に手を出してしまっている筈ですが…。』

『涼達の件だろ?それは良いよ。涼達にはクロノフィリアの仕事を手伝って貰ってるからな。』

『あの…涼さんは、私のことを何か言っていたでしょうか?。』

『んー。何か言葉を濁してたな。何かあるのか?。』

『そう…ですか。少し寂しいですね…。』

『言いたくない話か。なら聞かないさ。だが、涼に会うときはそんな暗い顔してやるなよ?。』

『はい…ですが、端骨…いえ、部下の暴走を止めることが出来なかったのはギルドマスターである私の責任です。その犠牲となった涼さん達に私は恨まれていることでしょう。私は笑顔で…涼さん達に向き合えるでしょうか?。』

『お前と涼との間に何があるのかは知らないがな。涼は真面目過ぎるが、お前のことは恨んでないと思うぞ?だから、お前の素直な気持ちでぶつかれば良い。きっと悪くない結果になるだろうさ。』

『ふふ。まるで結果が分かっているように言うのですね。』

『まあ、勘だな。』

『くすっ。そうですか。勘ですか。』


 少し困ったように笑う美緑。


『そうそう、そうやって可愛い笑顔で涼に会えば問題ないさ。』

『か…可愛い!?。』


 一気に顔を真っ赤にして狼狽える美緑。顔を隠して俺から離れて行った。


『ありがとうございます。美緑ちゃんに笑顔をくれて。』

『ん?どういうことだ?。』


 美緑が遠ざかったのと入れ替わるように近付いて来た砂羅が俺に耳打ちする。


『涼君が居なくなってから美緑ちゃんは笑わなくなってしまいました。あんな笑顔を見せてくれたのは久し振りです。』

『俺は何もしていないが?。』

『涼君のことを教えてくれたじゃないですか。それだけで貴方は彼女を救ってくれたんです。なので私からお礼を、どうもありがとうございます。』

『…そうか。なら、早く2人を会わせてやらないとな。』

『ふふふ。本当に良い人ですね。』

『そんなことないぞ。なぁ、美緑と涼の関係を聞いても良いか?本当に言えないことなら聞かないが。』

『そうですね…美緑ちゃんには内緒でお願いしますね。あの娘に笑顔を戻してくれた私からの爽やかなお礼ですから。』

『ああ、約束する。』

『くすっ。…美緑ちゃんは涼君を兄のように慕っているんです。小さい頃、同じ孤児院に居たとかで、美緑ちゃんには律夏さんという実のお兄さんがいるのですが歳が少し離れてまして、それで良く遊んでいたのが涼君だったんです。エンパシスウィザメントがゲームだった時も、初心者だった美緑ちゃんに色々教えてくれたのは偶然、ゲームの中で再会した涼君だったそうですよ。』

『成程。だから、兄か…。』


 少し距離を取る砂羅。


『それ以上のことは私も存じ上げませんので。』

『ああ。充分だ。ありがとう。』

『いいえ。お礼を言うのは此方ですから。』


 すると、美緑がタイミング良く戻って来る。


『あら?随分仲良くなられましたね?。』

『あらあら…美緑ちゃん。もしかして…。』

『なっ!そんなわけありませんから!。』


 何故か若干不貞腐れて俺と砂羅を睨む美緑。

 はて、何かしただろうか?。


『旦那様ぁぁぁぁぁあああああ!!!。』


 炎の翼をバタつかせ遠くから睦美が飛んでくる。


『おっ!睦美!無事だったか!良かった。』


 睦美は更に幼い姿になっていた。どうやら転生してしまったようだ。結局、俺は睦美を守ってやれなかったみたいだな…。情けない。


『旦那様ぁぁぁあああ!!!』

『おっと!?。』


 全く減速せずに胸に飛び込んできた睦美の勢いに俺はそのまま倒れ込んだ。


『ああぁぁぁぁぁぁぁああああああああん!!お役に立てず申し訳ありませんでしたぁぁぁぁああああああああああ!!!旦那様に守って頂いたのにぃぃぃいいいい!!私…何も出来ずに死んでしまいましたぁぁぁぁぁあああああああああああああああ…わぁぁぁぁぁああああああああああああああん!!!旦那様ぁぁぁぁあああああああ!!!。』


 俺の胸の中でも大泣きする睦美。

 こんな睦美は初めて見るな…。だが、それだけ俺のことを心配してくれていたんだろ。ありがとう。睦美。

 俺は睦美を抱きしめ頭を撫でた。


『睦美。心配してくれてありがとな。俺はこの通りピンピンしてるからな安心しろ。』

『ずびぃ…ぐずず…旦那…様ぁ…。』


 可愛い顔が涙と鼻水と唾液でベトベトだ。


『俺の方こそお前を守り切れなかった。その姿…また転生したんだろ?。』

『…ばい、ぞうでず…ぜっがく、旦那様に庇っでいだだいだのに…情けなぐ、ヤられてじまいまじた…。』

『ごめんな。それに、お前が致命傷を負った俺を治してくれたんだろ?。』

『…ばい…遠ずぎで…効果が…僅かじか届ぎまぜんでじだ…。』

『それがなければ俺は死んでたんだ。睦美。本当にありがとう。』

『旦那様…。』


 不安そうな睦美の唇に軽くキスをする。


『だから、もう泣かないでくれ。可愛い顔が台無しだぞ?まあ、そのグチャグチャな顔も可愛いがな。』

『…!?。』


 俺の言葉に顔を真っ赤にした睦美は、翼で空を飛び俺から離れて物陰に隠れた。


『あの…閃さん。今の子は?。』

『ん?ああ、俺の仲間で恋人の睦美だ。』

『え!?こ、恋人…ですか…。あんな小さな子を…。』


 どうやら、美緑は俺を犯罪者か何かかと思ったのか、怪訝な視線を送ってくる。


『あの姿なのも、アイツのスキルでな。本当の姿は16歳だ。』

『そうなのですか!?…16歳…同い年ですか…。』

『あらら~。もしかして~美緑ちゃん~?。』

『っ!。黙りなさい!砂羅!。』

『は~い。』


 急にジャレ合う美緑と砂羅。

 すると、おずおずと俯いた睦美が戻って来た。


『あ…あの、旦那様…。取り乱して、お見苦しい姿を見せてしまいました。申し訳ありません。』

『全然そんなことないさ。お前が気に病むことはないし、俺はお前が無事だっただけで嬉しい。』

『だ…旦那様~。』

『お!おい、もう泣くな…。』

『だっで…だっで…。』


 そのまま5分程泣き続けた睦美は今俺の横で体育座りをして膝に顔を埋めている。

 俺とのことで周囲が見えていなかった睦美は暫くして美緑や砂羅の存在に気が付き自分の痴態の一部始終を見られていた恥ずかしさで今は再起不能の状態だ。

 睦美の後を追って遅れてやって来た少女。名前を聞いたら美緑の部下で八龍樹皇の1人 累紅というらしい。

 俺達の…いや、睦美の様子に驚いた様子だったが、それよりも大事な事があるらしく今は美緑に何やら説明をしているようだ。


『それは…本当ですか?。』

『はい。この目で見たので確かです。』

『端骨が…。それに、謎の黒い男…。八龍樹皇の残りのメンバーは洗脳の類いのスキルを受けたということですね。…お兄ちゃ…兄も…。』

『はい。端骨の言葉に従うように行動していました。』

『では、現在…緑龍絶栄の戦力は私達3人だけということですか…。何とか八龍樹皇の仲間達を解放出来れば良いのですが…。』

『それは厳しいと思います。端骨は兎も角、あの黒い男は危険過ぎます。不意討ちとはいえ、八龍樹皇の4人が成す統べなく崩れ落ちましたから。』

『そう…ですか…。それ以外に何か有益な情報は話していなかったですか?。』

『確か…バグの反応を感知した。アイツ等が実験をしたいらしい。奴等は2手に分かれたようだ。片方はあの方々に任せましょう。もう片方に彼等を。という会話をしていました。』


 今の言葉に俺は反応した。

 バグは…俺のことかな?。2手に分かれたのは煌真達と分かれたこと。実験とは雷皇獣のことだろう。


『バグ?ですか?私には何のことか分かりませんね…。』

『なあ。美緑。』

『え?はい?閃さん、何でしょうか?。』

『今の話が本当なら、お前等のギルドは今危機的な状態な訳だろう?。』

『はい。敵は未知。その上、八龍樹皇のメンバーまで従えているとなると…。』

『じゃあ、俺達と組まないか?。』

『え?。』

『俺も状況が知りたいし、その黒い男に興味があるんだわ。お互い行き着く場所は同じみたいだからな。俺達が協力してやるよ。』

『…良いのですか?。私達は、このままではギルドが乗っ取られる可能性だってある。何もお返し出来ませんが…。』

『そんなこと気にするな。言ったろ?行き着く場所が同じだって。俺達は俺達の目的で行動する、その過程で緑龍の奴等とぶつかる可能性が高いからな。なら、組んだ方が何かと都合が良いだろう?。』

『確かに…そうですね。分かりました。閃さん。私達3人、クロノフィリアと一時的に手を組みます。宜しくお願いします。』

『ああ、宜しくな。』


 こうして俺と睦美は、緑龍絶栄のギルドマスター 美緑と八龍樹皇の砂羅と累紅を仲間にした。

 最初の目的は、まず煌真達との合流だな。敵もそこに向かったようだし。急がないとな。


ーーーーーーーーーーーーーーーー


ーーー神無ーーー


『ここよ。姉さんが住んでいたアパート。』

『へぇ。蔦やら枝やら茎やらが色々絡まってるが辛うじて建物の形は残ってるみたいだな。で?何号室よ?。』


 私は、この筋肉馬鹿…煌真を連れて昔の記憶を頼りに姉さんである機美が住んでいたアパートにたどり着いた。

 色んな植物が纏わりついてるけど比較的、建物の中は安全そう。

 姉さんは極度の人見知りと引きこもり気質なので、おそらく…まだここに住んでいる筈。


『203よ。2階の真ん中の部屋。』

『ああ、あそこか。』


 コンコン。

 部屋の前まで来た私達は取り敢えずノック。

 コンコン。

 反応無し。

 コンコン。

 ゴソゴソ…。あっ反応した。誰かは居るわね。姉さんだと良いのだけど。

 コンコン…。

『………。』

 コンコン…コンコン…。

『………。』

 コンコン…コンコン…コンコン…。

『…………………………………………………。』

『………。』

 コンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコン…。

『………………。』

『らっ!!!。』

『きゃぁぁぁあああああ!?!?!?。』


 痺れを切らした煌真がドアを蹴破った。

 あっ…今の悲鳴、姉さんだ。良かったわ。


『いい加減にしろや!居るんだろぉが!機美!。』

『ここここここここ煌ちゃん!?!?。』


 カーテンの閉まった薄暗い部屋。

 大型のテレビには男性同士の濃厚な口づけのシーンが映し出されている。

 姉さん…相変わらず…ね。

 その姉さんはというと、布団の中に包まって震えていた。


『はぁ…やっと見つけましたよ。姉さん…。』

『わあああああ!神無ちゃぁぁぁぁああああん!!!。』

『きゃっ!?。』


 抱きついて来た姉さんを受け止める。


『姉さん。この2年間ずっとここで住んでいたんですか?。』

『うん。寂しかったよぉぉぉ。外は植物がいっぱい生えてるし、周りに人一人いないしぃぃぃ。わぁぁぁあああああん!。』

『よしよし、ご飯はどうしてたんですか?。』

『ん?あれ、飲んでたよ。』


 小さなテーブルの上に乗っているストロー付のコップを指差す姉さん。


『おっ!ちょうど良い。喉が渇いてたんだわ。』


 そのコップを飲もうと口に運ぶ煌真。


『あっ!?待って!煌ちゃん!それは!。』

『ぶっはっあぁぁあぁあああ!?!?。』


 勢い良く吹き出す。


『なっ!何だ!?これ…オイルか!?。』

『そうだよ…。』


 あっ…姉さんの悪い癖が…。


『私ね…こんな半分機械の身体になっちゃってね、あんなオイルがとっても美味しく感じるんだよ?可笑しいでしょ?ため置きしておいた…お菓子やカップラーメンとかより美味しく感じるんだよ?意味分かんないよね…ははは…でも、凄いでしょ?私の身体…自分で発電出来るんだよ。この部屋の電化製品は全部私の身体で生成した電気で動いてるんだぁ…私…凄いんだよぉ…人間じゃないんだよぉ…。』

『ああああああああああ!!!ごちゃごちゃうるせぇなぁ!どんな身体になろうが機美は機美じゃねぇか!何も変わんねぇよ!俺等が…クロノフィリアの奴等がそんなことでお前を除け者にするわけねぇだろうがぁぁぁあああ!。』


 ふふ…この馬鹿…良いこと言うじゃん。


『煌ちゃん…煌ちゃぁぁぁあああああん!!!』


 泣きながら馬鹿に抱きつく姉さん。

 はぁ…昔のまま、変わってないんだから。

 そんな姉さんに安心する自分がいる。姉さんが無事で良かった。

 その時…。


『…!?。』


 囲まれてる?。

  

『2人とも…静かに…。』

『え?どうしたの、神無ちゃん?』

『ああ、囲まれてるな。殺気が駄々漏れ。殺る気満々じゃねぇか。』

『ええ!?。』

『姉さんは何か知ってる?命を狙われてるとか?。』

『し、知らないよ。2年間誰とも会ってなかったし…。』

『でしょうね。姉さんだもんね。』

『むぅ…それどういう意味?神無ちゃん!。』

『何でも無いわ。今の内に私の影の中に家具とか必要の物を放り込んで。』

『う、うん!』


 適当に荷物を纏めて影に入れる姉さん。


『さて、どうしましょうね?。』

『気配は…7…か。1つ途轍もなくデカイ気配が居るな…。』

『準備出来たよ!。』

『じゃあ、行きましょうか?何処の誰か分からないけど。会話をしてみましょう。2人共影の中へ。』

『ああ。』

『うん。』


 2人に影の中に隠れてもらい私は外に出た。

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