第52話 暗躍する影と謎
前話の続きで今回も短いです。
本当は1つにまとめたかったです。
巨大な黒い影が山脈間を風を切りながら高速で抜けていく。
あれは、まるで戦闘機だ。上昇し旋回、滑空し突撃。超スピードから羽の弾丸、いや…ミサイルを発射し、また、上昇。とてもではないが捉えるのは至難の技だ。
『おっと!危ねぇな!俺、飛ぶの苦手なんだよなぁ。』
私を背中に乗せ、アイツの攻撃を難なく躱しているダーリン。格好いい!。
あの烏が、アイツ本来の姿なのかスキルによるものなのか…。
それに、この景色だ。いつの間にか周囲の環境が戦争跡地の廃墟から山々が連なる山脈地帯に転移させられた。しかも、この景色はゲーム時代に何度も見たエンパシスウィザメントの世界にあったバトルフィールドだ。転移というよりワープに近いか…。
アイツのスキル?。いや…情報看破で視てもそれらしいスキルはない。謎の バグ修正プログラム というスキルのせい?そうじゃなければ…何者か、別の人間の仕業?。だが、周囲に気配は無い。
駄目だ。考えていても答えは出ない。
『ねぇ。ダーリン。周囲に人の気配は無いよ。』
『ん?。』
『私がアイツ叩き落とすから、とっととブッ飛ばしちゃおうよ。この馬鹿な場所も全部。』
『ははは。そうだな。敵の思惑とか戦術とか全部ぶっ壊してやろうか!。』
私とダーリンの本気!。全部見せてやる!。クロノフィリアのメンバーが何故、最強と恐れられているのかを!。
『行くぜ!スキル!竜鬼皇顕現!!!。』
ダーリンの姿が鬼の角を持つ 竜 へと変化する。
ダーリンの種族は、竜鬼神族。攻撃、防御、速さ、魔力の全てが高水準で纏まっているレア種族 竜族。その同系列に属する中でも唯一多種族との混合種族なのが竜鬼族。竜族の高ステータスに鬼族の能力を併せ持っている。
そして、竜鬼皇顕現のスキルにより20メートル近くの身体を持つ 竜鬼 へと姿を変えるのだ。
『準備は良いぞ!光歌!。』
『おっけー!ダーリン!このスキル露出高過ぎてあんま好きじゃないんだけど!スキル!銀虎獣姫神化!。』
着ていた服が破れ、中に着ていたレオタード型の薄着姿になる。手足に獣の毛と爪が出現耳と尻尾が光輝いた。
私の種族は銀虎神族。数いる獣人族の中で数が少ない伝説生物モチーフとなっている種族だ。種族の特徴は 広範囲の気配感知 と 移動スキル の獲得に特典として付加効果が付く。
『こっちも良いよ!ダーリン!。』
竜の姿のダーリンの上に乗る。
『ああ。行くぞ!。』
ダーリンは地面へと降り立った。
『竜皇撃震破局!!!。』
竜の強大な魔力を乗せた震脚。地面に深く刻まれた亀裂は広範囲へ広がっていき砕ける。そして、大小様々な岩の塊が地中へ流した魔力の爆発と共に空へと押し上げられる。
空を飛んでいたアイツも下からの打ち上げられた大量の岩で身動きの自由を封じられる。いくら動きが速かろうと行動を読むのは容易くなる。
『獣神瞬動!!。』
ダーリンの背中から飛び出し空中のアイツに向かい瞬間移動。アイツの真横へ。
『獣神爪!!!。』
『KAAAAAAAAAAAA!?!?。』
巨大な魔力の爪でアイツを叩きつける。
『竜星呼咆哮!!!。』
流星を呼ぶ竜の叫び。魔力の宿した咆哮は天空に巨大な魔方陣を描き夥しい量の隕石を引き寄せた。隕石は山脈フィールドの全てに降り注ぐ。逃げ場はない。
『KAAAAAAAAAAAA!!。』
地面からの岩。天からの隕石。いくらアイツが鋼鉄の翼を持とうが関係ない。
私に叩きつけられつつも、体勢を立て直したアイツ。だが、終わらない岩と隕石の上下からの攻撃で既にボロボロ。まだ、飛んでいるのが奇跡に近い。
『ダーリン!。』
『ああ!やるぞ!。』
竜鬼化したダーリンの胸にある神具。
【竜宝玉】。
その宝玉が激しく光を放ち、大きく開けたダーリン口の高濃度の魔力が集束していく。
『竜皇閃砲神光!!!。』
『KAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!。』
竜の神が放つ巨大なレーザー砲。
一直線に放たれたそれは熱と速度で空中のアイツを一瞬で呑み込み、続く山々を意図も簡単に貫通、蒸発させ地上から消した。
空中に打ち上げられた岩と隕石の落下。巨大なレーザーによって山脈フィールドは視る影もなく姿を変えた。
『ふぅ。終わったな。』
『さっすが!ダーリン!』
人の姿に戻ったダーリンに抱えられて私達は、その場を離れた。
空を飛んで移動している最中、まるでテレビの画面が切り替わるように視界が変化した。
『ダーリン!。場所が!。』
『ああ。戻って来たみたいだな。』
いつの間にか私たちは元居た戦争跡地の空にいた。
『何だったの?今のマジで意味わかんない。』
『これは無凱さんに報告しに一度戻らないとな…。』
『やった!帰るの!。』
『帰るしかないさ!このまま向かうぞ!。』
『うん!帰ろう!皆の!私たちの家に…って私、こんなキャラじゃないし!。』
『ははははは。』
私はダーリンに抱っこされながら恥ずかしさと帰れる嬉しさに顔をダーリンの胸に埋めるのだった。
ーーー
?『僕のフィールド…めちゃめちゃ…。』
?『今回もレベル150の維持は出来なかったな…。』
?『規格外過ぎるね。バグの仲間は。』
?『___に報告する?。』
?『必要ない。もう知ってる。』
?『そうかぁ。じゃあ別の実験だね。』
?『繰り返すしかないな。対処方法を探るには…。』
ーーーーーーーーーーーーーーー
ーーーとある日常の光歌ーーー
『さあ、閃。約束を守るしぃ!。』
『お前な。昔の罰ゲームを今持ち出すとか無しだろう?。』
『言い訳無用だしぃ!約束は約束!逃げられないしぃ!』
女の子バージョンの閃を部屋に呼ぶ。
これから閃に私の趣味の生け贄になってもらうんだ!。
『学生の時のテストで1教科でも俺に勝てたら何でも言うことをきいてやるって言ったヤツだろう?何年前の話だよ?。』
『おい!しつこいしぃ!覚悟決めろしぃ!。マジで!。』
私は隣の部屋の扉を開けた。
ずらーーーーーーーーーっと並んだ。服、服、服、服、服。
『相変わらず、スゲェな…。前見たときより増えてるし。』
『さぁ!脱げ!。』
『目がマジだ!めっちゃ怖いんだけど!。』
『良いから!黙って脱げ!。』
『は…はい…。』
閃は諦めたように肩を落とし服を脱ぎ始める。
マジでやべぇんですけど!?何この生き物…綺麗すぎて眩しい。仮に 美 という漢字を三次元で形にしたらこんなふうになるんじゃないかってくらい女の子バージョンの閃はヤバかった…。
『ぬ…脱いだぞ?どうすれば良いんだ?。』
『はぁはぁ。はぁはぁ。サイコー過ぎる…って…こんなの…はぁはぁ。』
私はメジャーを手に持ち閃に近づいていく。
『うっ…こ、こえぇぇ…よぉ…。』
自分の身体を隠すように後退る閃を獣神瞬動で背後に回る。
『はっ?。消え…うぉっ!後ろに!。』
その美しくサラサラした銀髪を触る。
はぁ…ツルツル…サラサラ。触れる指の先から勝手に逃げていく質感、それでいて潤いを失っていない…マジやべぇ!。
こっちを振り向いた横顔も小顔でぱっちりした瞳。高く形の整った鼻。ぷりっぷりっの唇と真っ白な綺麗に並んだ歯…。
化け物め…神話に出る美の女神達に謝れ!。
でも、マジでサイコー!。可愛すぎ!美人!。
『おっ…おい!。』
おっと採寸しないと。
真っ白で…きめ細かい肌。サラサラ、もちもち、ツルツル。染み1つ無い完璧な肌と抜群のプロポーション。
『胸デカっ!。』
バストのサイズを測ろうと後ろから手を伸ばし…伸ばし…伸ばし…届かない?。
何これ。形良し!大きさ良し!完璧なバストよ!こんなの至宝じゃない?国宝よ?なんなのマジで?意味分かんない!。
『おいっ!くすぐったいぞ…。』
『はぁはぁはぁはぁ…。』
触らずには…いられないわよ…こんなの…。
もみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみもみ…。
『いい加減にしろ!。』
『あ、痛っ!?。』
おでこにチョップされた。痛い。
でも満足よ。堪能させて頂きました。
どうもありがとう御座います。
心の中で土下座する。
『なぁ、まだ掛かるのか?。』
『まだだしぃ!てか、始まってもいないしぃ!。』
『え!?。』
『これから閃には私の着せ替え人形になってもらうんだから覚悟しろだしぃ!!!。』
高々と言い放つ私を見て閃は膝から崩れた。
ーーーつづくーーー