第347話 闘神煌外装神気 ジズヴァ
『煌真君…。』
僕達、クロノ・フィリアの仲間であり家族の一人。
【武闘軍神】煌真。
何故、彼がイグハーレンと一緒に行動を?。
誰かとつるむタイプではない筈だけど。
『一度。アンタと全力でやり合ってみたかった。だからよ。手加減すんじゃねぇぞ!。』
『っ!?。』
簡単な会話を済ませ、拳を振り上げ僕との距離を詰める煌真君。
その鋭く突き出された拳を紙一重で躱しながら彼に問う。
『何故。君がイグハーレンと一緒に?。』
『はっ!。そんなもん利害が一致したからに決まってんじゃねぇか!。』
『利害?。』
『強ぇ奴と戦うためさ!。』
『ぐっ!?。』
彼の拳をガードした腕が痺れる。
相変わらずの馬鹿力のようだ。
こんな攻撃、何度も受けてられないぞ。
『あの、一匹狼気質の君が誰かと組むなんてね。』
『ああ。奴と組んだ方が、この世界で一番強ぇアンタ等と戦えるからな。手っ取り早い方法を取っただけよ!。アイツはアンタ等を殺したい、俺は強い奴と戦いたい。ほらな?。目的も利害も一致してるだろ!。』
確かに彼は強い者と戦うのが好きだ。
だが、自分の本能的なモノを優先する彼は既に閃君と出会った時に卒業したものだと思っていたんだけど。
『本当は閃の旦那と戦いたがったがな、まぁけど、最初の相手がアンタで良かったぜ。無凱さん。』
『どういうことかな?。』
『なぁに。アンタなら加減しなくて済みそうだからなっ!。』
『ぐっ!。』
彼の打撃をいなしながら後退していく。
くっ、触れていないのに拳が生み出す空気の流れだけで腕が切り刻まれる。
『ぐっ…それは、世界の真実を知っての行動かい?。』
『あん?。ああ、この世界が終焉に向かってるってことか?。ああ。その通りだ。世界が終わろうが俺には関係ねぇ。戦ってればいつかは死ぬんだ。俺には世界がどうなろうと構わねぇさ。俺は俺の大切なモノの為に戦う。それは今も昔も変わらねぇ!。』
『………それは、本心かい?。』
『………ああ。そうだ。半分だけな!。』
『よっ。なら、ぼちぼち反撃かな!。』
『ぐあっ!?。』
僕の拳が煌真君の土手腹に突き刺さる。
ガードの素振りすら見せなかった煌真君が数メートル跳び退いた。
いったあああぁぁぁ!?。
本気でエーテルを込めた拳に激痛が走る。
通常じゃ信じられないくらいの密度のエーテルが煌真君の身体を覆っている。
本気以上にエーテルを込めて攻撃しないと打撃系だと逆にこっちの身体が壊れるぞ。
『痛っ…やるな。無凱さん。この世界に転生して初めて痛えと思える攻撃を食らったぜ。』
『いやいや。君の方こそ驚かせてくれるね。その身体の頑丈さ…神具を使っているのかい?。』
『まぁな。仮想世界の時とは違うぜ?。あの時も、リスティナに協力してもらって自分の限界を超えた力を手に入れた。だが、それでも神には勝てなかった。』
『それは皆同じだよ。だから、皆がこの世界で転生したんだ。』
『ああ。あの時も、大切なモノを守れなかった。閃の旦那やアンタが言ってたよな?。守るもんがある奴は強いってよ。』
『うん。言ったね。』
『ああ。否定するつもりはねぇよ?。現に俺は守るもんができて強くなった。閃の旦那に出会って、クロノ・フィリアに入れてもらってよ。多くの仲間ができた。今まで一人で生きてきた俺でも居心地が良いくらいにな。』
クロノ・フィリアに入りたての時、煌真君はその時のメンバー全員に喧嘩を売っていた。
その度に、負け、数え切れないくらいの敗北を体験し経験した。
上には上がいる。
天才肌の彼には理解しがたい現実だったかもしれない、けど、彼は恵まれた体格と戦闘の才能の他に努力家でもあった。
結局、エンパシス・ウィザメントのゲームクリアの頃にはクロノ・フィリアでも五本の指に入るくらいの実力になっていた。
『そして、世界が崩壊した後。クロノ・フィリアに合流した俺は…いや、俺達は家族になった。守りたいモンも沢山増えたな。』
『そうだね。僕達は運命共同体であり家族だ。互いに助け合い支え合う。家族のような関係の仲間達。僕はそういうギルドを目指してクロノ・フィリアを立ち上げたんだよ!。』
『ああ。俺もそれには納得だし感謝もしている。けどな。大切なモノが足枷になることもあるんだぜ?。らあっ!。』
煌真君から感じる違和感。
会話の中に含まれる単語。
長年共に暮らした僕からすれば、普段の彼なら決して口にしない単語ばかりが発せられている。
特に 大切なモノ という言葉。
僕の知っている彼ならば決して言わない。
『おらっ!。考え事か!。』
『おっと!。』
顔面への攻撃を首をかしげて躱す。
僅かに頬を掠め血が垂れた。
やっぱりそうだ。煌真君は手加減している。
僕に何かを伝えようとしているみたいに。
『はぁ…やるじゃねぇか。無凱さん。これだけ攻撃しても余裕で躱し続けるなんてな。自信が無くなっちまうぜ。』
『やれやれ。煌真君。懐かしい仲間に再会した喜びを噛み締めているようですが、私達には時間がありませんよ?。早いところ、この場にいる 私の敵 を始末して下さい。』
イグハーレンが煌真君に告げる。
『チッ。だ、そうだぜ?。どうやら、悠長にしてる時間はないようだ。無凱さん。精々足掻きな。俺に殺されないようにな!。神具。起動。』
『っ!?。このエーテルは!?。』
神具の起動と同時に煌真君の身体から放出されるエーテルが跳ね上がった。
身体に纏うエーテルは、煮えたぎる溶岩のように沸々と脈動している。
『行くぜ。』
『っ!?。消えっ!?。』
煌真君の姿が視界から消えた。
支配空間を瞬時に広げ、視界ではなく全身で気配を探る。
すると、彼は僕の真横に既に移動を済ませ拳を振り上げている瞬間だった。
『はっ!。』
『っ!?。』
『無凱!。』
咄嗟に、エーテルで強化した腕でガードするも腕の骨が鈍い音を立てて複雑に折れた。
激痛に顔が歪むが、間髪入れずに拳を突き出してきた煌真君に対し虚空間を内包した箱を作り彼の腕を止めた。
『チッ。やっぱ、厄介な能力だな。』
『まぁね。君の動きを封じさせて貰うよ。』
虚空間に煌真君の全身を囲い身動きを封じた。
『ああ。これで俺は動けない。そして、アンタがその気になればこの空間ごと押し潰されて殺されるって訳だ。』
『その通り。僕は君と話がしたい。少し時間を貰うよ。』
『ああ。それも良いな。久し振りの再会だ。転生してからのこととか色々と話したいと俺も思っている。けどな。どうも俺の利害の関係者はせっかちでな。そんな時間も俺には無ぇみてぇなんだわ!。はあああああぁぁぁぁぁ!。』
馬鹿な!?。
僕の箱がエーテルによる純粋な出力だけで...。
『らあっ!。』
『これは…驚いたな…僕の箱を力技で破壊するなんてね…。』
『こんなもん気合いでどうにかなんだよ!。おらっ!。休んでる暇はねぇぞ!。』
『くっ!?。まるで重機関車みたいだ…。』
複数の箱を展開するも煌真君の纏うエーテルに押し負ける。
マズイな。対話することも出来ず、純粋に力で押されているこの状況。
このままじゃ、本当に彼を殺すしかなくなってしまう。
『こらあっ!。煌真!。何やっとるか!。』
『おっと!?。はぁ…やっと来やがったか。豊華さんと…。』
豊華さんのエーテルの砲撃を躱した煌真君。
『やあ、失礼するよ。煌真君。まさか君が僕達を裏切るとはね。』
『賢磨さんか!?。おらっ!。』
『ふんっ!。』
重力球を纏った拳と、エーテルを込めた拳が衝突する。
互いに互角の威力同士の衝突に互いの身体が反発し後退する。
『賢磨さんと豊華さん。それと...。』
『まさか、煌真さんが…敵?。』
『一体何があったのですか?。』
周囲の状況を確認し驚きの声を上げる里亜ちゃんと初音ちゃん。
『里亜と初音ねぇ。それと知らねぇ気配だな。誰だそこにいるのは?。』
反対側の林の中に視線を向ける煌真君。
『おやおや。もう少し様子見をしようと考えていたのですが…彼、気配を探る能力も高いようですね。』
『あの人知っています。クロノ・フィリアの方、けど、今は無凱さんと戦ってる。どういうことでしょう?。裏切り?。』
林の中から現れる異熊君と漆芽ちゃん。
漆芽ちゃんは無傷だけど、異熊君は片腕を失ってしまっている。
それだけの戦いだったのだろう。
『ああ…そこの奴等は見覚えがあるな。仮想世界からの転生者か。アンタ等も仲間ってことか。』
『ええ。そうです。それで?。貴方は無凱さん達の仲間だと記憶しているのですが?。』
『違ったのですか?。』
『かつては…な。今は違うぜ。簡単な話。お前等の敵だ。』
『敵?。敵なのか!?。煌真?。』
『ああ。俺はアンタ等を殺すぜ?。それが嫌なら俺を殺してみろよ。』
『この人数差でも僕達に勝てる自信があるのかい?。』
戦闘を終えた仲間達が集結した。
柚羽さんの姿が見えないようだけど…。
数の面では圧倒的に此方が有利。
何故かイグハーレンと横にいる大罪神獣は僕達の様子を真剣に観察していて動く気配はない。まるで、此方の動きや情報を得ようとしているみたいな視線だ。
キシルティアはイグハーレンの牽制に回っている。
向こう側で戦っているのは煌真君だけ。
対して僕達は、七人。七対一の状況にも関わらず煌真君の様子は余裕が見え隠れする。
『ああ。知ってるだろう?。守るべきモノがある奴はな?。強いんだぜ?。だからよ。俺は負けるわけにはいかねぇ訳よ。なら、力を隠すこともしねぇ、全力を持ってアンタ等を倒すまでだ。神具!。【闘神煌外装神気 ジズヴァ】!。』
その場にいた全員が息を呑んだ。
煌真君の纏うエーテルが物質化し肉体を覆う霧のようになった。
その禍々しい雰囲気と空気、充満するエーテルに周囲の空気が震えている。
『行くぜ。誰も死ぬんじゃねぇぞ!。』
煌真君が動く。
瞬間移動と疑う程の速度で一瞬で間合いを詰めた。
彼の最初の狙いは…。
『速い!?。私ですか!?。うぐっ!?。』
『異熊!?。』
煌真君の腕が異熊の胸に突き刺さる。
心臓を一突き。心臓…核を一撃で破壊された。
普通の神ならばこれで終わり、しかし、異熊は…。
『石か…。』
『ええ。私の身体は石化することで直ぐ様再生できるのです。』
『確かにすげぇ能力だが、良くやるな。そんな身体で。その再生、エーテルをかなり消費するんじゃねぇか?。』
『ぐっ!?。』
煌真君が連続で拳を異熊君に叩き込む。
石化して破壊された肉体を再生させるも攻撃の速度が上がるに連れ再生が追い付かなくなっていく。
『ぐっ…何という攻撃力と速さだ…。このままでは…。』
『ああ。そろそろ動くと思ったぜ?。嬢ちゃん。』
『うそっ…私の腕が!?。』
背後から略奪の腕を伸ばした漆芽ちゃん。
しかし、その腕を軽く掴み取った煌真君。
『二人仲良くぶっ飛びな!。』
『あぐっ!?。』
『漆がっ!?。』
腕を引き寄せ体勢の崩れた漆芽ちゃんを蹴る。
まともに蹴りを受け吹き飛ぶ漆芽とその身体を受け止めきれずに異熊君も一緒に飛ばされた。
『神技!。【超電導磁光球】!。』
『神技!。【音衝葬奏轟波】!。』
異熊君と漆芽ちゃんが離れた瞬間に放たれた、里亜ちゃんと初音ちゃんの神技。
増大された音の衝撃波と、加速された電磁球。
『それがアンタ等の新しい神技か!。良いじゃねぇか!。転生前よりも確実に強ぇぜ!。けど、それじゃあ足りねぇ!。まだ!。俺を倒すのに躊躇ってんじゃねぇか!。』
拳にエーテルを集中させた煌真君。
それを一気に解き放つ。
『うらあああああぁぁぁぁぁ!!!!!。』
神技に対し全力で振り抜かれた拳。
そこから放たれたエーテルの込められた衝撃波が二つの神技と相殺する。
『神技をぶっ放した後に油断し過ぎだろうが!。』
『がはっ!?。』
『きゃっ!?。』
相殺した神技の中を駆け抜け、里亜ちゃんと初音ちゃんを一撃で沈めた。
地面に叩き付けられた二人は気を失う。
『このっ!。良くも四人を!。』
エーテルの砲撃。その連射。
幾つものエーテルの軌跡が煌真君の姿を欠き消していく。
『アンタもだぜ?。豊華さん。俺を止めたければ全力で来ねぇと全員死ぬぜ?。』
『馬鹿な!?。あれだけ撃ち込んで無傷か!?。』
『ああ。掠り傷一つねぇよ!。』
『ぐふっ!?。』
煌真君の一撃を受け地面を土煙を上げながら転がっていく豊華さん。
『てめぇ。俺の嫁に何してやがる!。』
『ああ。そうだ!。全力で来いや!。俺を止めてみせやがれ!。』
『うおっ!?。』
賢磨の支配空間が展開され結界内の重力が急激にのし掛かる。
その圧力に初めて膝をつく煌真君。
『おら。これで動けねぇだろ!。』
『ぶふっ!?。』
重力によって歪んだ拳で煌真君へと殴り掛かる賢磨。
その拳が煌真君の顔を捉えた。
『はっ!。良い拳じゃねぇか!。賢磨さん!。だがな!。俺に攻撃するなら自滅も考えとけよ!。』
『っ!?。くっ…どんだけ硬ぇんだよ…餓鬼が!?。』
賢磨は全力で煌真君を殴りつけた。
煌真君もダメージは負った筈だ。だが、それよりも殴った賢磨の腕が破壊されてしまった。
拳は砕け、腕の骨も折れている。
『うらあああああぁぁぁぁぁ!!!。』
そして、賢磨の支配空間をも破壊する。
『こんな空間、気合いでどうにかなんだよ!。でだ、アンタも寝てろよ!。賢磨さん!。』
『うっ!。』
折れた腕に蹴りが食い込み、豊華さんと同じ方向に転がっていく賢磨。
『ま、だだ。賢磨!。あれを!。』
『え、ええ。やりましょうか!。』
『神具!。【超弩級巨大空中浮遊砲撃要塞 バヴァグスディカ・マクリファ】!!!。』
『こ、これは!?。デケェ!?。』
豊華さんの神具が出現。
空を覆い尽くす程に巨大な要塞。
それが賢磨の重力によって加速され落下する。
『これでも…。』
『くらえ!。』
巨大な金属の塊が煌真君に向かって落ちてくる。
『はっ!。やっと本気の攻撃が気やがった!。ならっ!。俺も全力だ!。神技!。』
今まで以上のエーテルが拳に集中する。
拳が巨大に見えるようなエーテルの量と密度。
ただ、エーテルを込めた拳で殴る。
それを極め、純粋な一撃を叩き込む煌真君の必殺の一撃が落下してくる要塞へ放たれた。
行き場を失った衝撃は周囲へと逃げたことで、大きく地面を土煙と共に舞い上がる。
衝撃の音が空気を揺らし、黄国の建物は崩れ吹き飛ばされた。
『これなら、煌真を止められたか?。』
『どうでしょう。流石に無事では済まないでしょうが…。』
『ああ。確かに無傷じゃ済まなかったぜ?。』
『っ!?。』
『馬鹿だろ!?。お前!?。どんだけよ!?。』
巨大な要塞に小さなヒビが入った。
それが全体に走り、次の瞬間。煌真君の放ったエーテルが要塞を貫通し上空に弾き飛ばす。
巨大な要塞もその威力に崩壊し、大小様々な大きさの残骸となって黄国全体に降り注ぐ。
『ああ。痛ぇ…。流石に純粋な物量には苦戦するな。』
頭から出血はしているものの、肉体のダメージは見受けられない煌真君。
あまりにも堂々とした立ち姿に戦慄する。
誰も彼を止められない。
確かに仮想世界でも彼の強さは群を抜いていた。
デタラメとも言われていた能力が敵として僕等へ向けられている。
『さぁ。二人は体力もエーテルも尽き掛けだ。もう戦えねぇだろ?。さぁ。無凱さん。どうする?。まともに戦えるのはついにアンタだけだぜ?。』
どうする?。
本当に煌真君を殺さないといけないのか?。
この状況で…彼と戦う以外の方法が残されているのか?。
彼と、イグハーレンの間に交わされているという契約。
互いの利害の一致。そう言っていたが、二人のやり取りは一方的にも見えた。
煌真君は仕方がなくイグハーレンの言いなりになっている。
そして、煌真君は僕に何かを伝えようとしている気がするんだ。
どうにかして、彼と話がしたい。
二人きりで、僅かな時間でも良い。
イグハーレンの目が届かない場所で…。
『はぁ…仕方がないな。おい。無凱。』
『え?。キシルティア?。』
今まで事の成り行きを見守っていたキシルティアが前に出る。
『我が時間を稼いでやる。』
『え?。』
『なぁに。愛しい夫の考えを汲み取れなくては良妻賢母とは言えんだろ?。』
『あれ?。僕達結婚してたっけ?。』
『我の中ではな。いつでも待っているぞ?。無凱?。』
『あ、はい。いつか…ね。』
『くく。そうか。期待しておこう。』
キシルティアが煌真君に近づいていく。
『アンタは初めて見る顔だな。無凱さんと親しそうだったが知り合いか?。』
『そうだ。深い関係とだけ言っておこうか。』
『そうか。なら、俺の敵だな!。』
『いや、煌真君の相手は僕だよ。』
『っ!?。』
煌真君を強引に支配空間に引きずり込む。
転移先を複数回作り何度も転移を重ねて彼をイグハーレンから引き離す。
そして、遥か上空に何重にも重ねた箱の中で僕と煌真君は向き合っていた。
『ここなら、誰の邪魔も監視もない。これで心置きなく話せるよ。』
『ああ。助かる。無凱さん。はぁ…。伝わってて良かったぜ。』
『それで?。君はどうしてイグハーレンの味方になっているんだい?。』
その僕の言葉に悔しそうに拳を握り、唇を噛みきった煌真君がゆっくりと話し始めた。
『…あの野郎は。チッ…。神無を人質に取りやがったんだ。』
次回の投稿は1日の木曜日を予定しています。
次回は番外編になります。