第334話 神とは…
ーーー代刃ーーー
『こ、こんな感じだよ…あはは、他の人に話すのは恥ずかしいね。』
メリクリアの部屋に案内された僕は彼女に閃との思い出を話していた。
その…エッチな話は恥ずかしいから省いて、だけど…。
『良いなぁ。僕も閃君とデートしたいよぉ。』
『メリクリアは閃君と知り合いなの?。』
『ううん。少しお話した程度だよ。僕が一方的に閃君を好きなだけ。閃君は僕のことを神の女王としか認識してないと思う。仕方がないとはいえ、悲しいなぁ。もっと仲良くなりたいよぉ。』
悲しい表情。
今にも泣きそうなメリクリアを見て話題を逸らすように僕は本題を尋ねた。
『君達…神は何なの?。僕達の敵なの?。』
『敵…じゃないよ。まぁ、仮想世界での出来事を考えると信じられないだろうけど…う~ん。何からお話しようかな。そうだ。まずは神のことを教えてあげるね。』
メリクリアが手を翳すと空中にモニターのような画面が映し出される。
『これは何?。』
『これがあった方が分かり易いと思ったんだ。エーテルを実体化させて僕の思考を映像に出来るようにしたんだ。仮想世界で君達は自分や相手の能力が可視化できるステータス画面を見れたでしょ?。それもコレの…エーテルの応用だよ。あれは魔力だったけどね。』
『そんなことも出来るんだ。けど、そのエーテルっていうの、僕…今一分かってないんだよね。』
『そうだよね。パパの説明難しいし、代刃は目覚めたばかりだもんね。じゃあ、エーテルの説明も一緒にしようか。』
メリクリアは映像付きで説明してくれた。
エーテルとは世界を創造するために用いられる万能なエネルギーの総称。
世界そのものを創造するには【純エーテル】と呼ばれる最も純度の高いエーテルが用いられる。
宇宙や星は純エーテルによって創られているのだという。
『定義として、このエーテルを生まれながらにして体内で生成出来て、自在に扱える存在を【神】と呼んでいるんだ。』
星は。
純エーテルが宇宙にある物質と反応し、その働きを活性化させた結果、それらが爆発的に増大されることで誕生する。
そして、エーテルとは純エーテルから溢れた雫のような認識。
『って、言ってもエーテルそのものでも奇跡に近い性質を持っているんだけどね。神達の性質も全部エーテルの力だよ。』
それだけ、純エーテルという莫大なエネルギーが持つ性能が常識の外にある。ということ。
星、宇宙、世界。それらを創り出せるのだから当然だ。
『そして、神の定義の続きね。』
神は、世界が世界として成り立つ為の部品。
神は居るのではなく、在るもの。
世界を動かす歯車。それが神という存在。
神はその内に膨大なエーテルを宿し、自在に操れる者。エーテルを利用し己に課せられた役割を世界に発現させる者のこと。
その神にも階級が存在する。
生物が行う行動。その行動によって発生する事象。生物に危害を加える数多の現象。
そういった生物に由来する能力を持つ神は、エーテルを操る下級の神。
神兵やリシェルネーラという一柱を除いた神騎士が該当する。
『そして、生まれながらに純エーテルを宿して操れる神。世界そのものの法則を支配する存在を【最高神】って言うんだ。』
神王やリスティナ達のことをそう呼ぶ。
『最後に、世界を創造出来る神。僕のパパのことを皆は【絶対神】と呼ぶけど、本来は【世界神】って呼ばれる存在なんだよね。このことを知ってるのは【最高神】だけなんだけど。』
世界神。
文字通り、世界を創造する力を持つ神。
始まりの神。唯一の絶対的な存在だ。
『それでね。実は代刃も今は最高神になったんだよ。』
『え?。それって、どういう?。』
『代刃は【時空間神】って呼ばれる神になったんだ。今はパパの意思でエーテルを封じさせてもらってるけど、その身体は純エーテルを体内で生成している。代刃の能力は危険すぎて暴走させると凄く大変なことになっちゃうから。』
『もしかして、それで僕はここで目覚めたの?。』
『うん。【下界】に転生する必要がないからね。代刃の転生先は僕達の方で操作したんだ。』
『下界って?。』
『リスティナが創造した星、リスティールのことだよ。ここは僕達、神だけが住み、入ることを許された、パパが創造した聖域【神の居城 シンクリヴァス】。』
神が住む場所…。
『さっき、メリクリアは君達は僕達の敵じゃないって言ってたけど。じゃあ、君達はいったい何なの?。何が目的で行動しているの?。』
『それはね。………【最高神を増やすこと】だよ。僕達神は、その為にパパに生み出された存在なんだ。』
『それは…どういうこと?。』
メリクリアは大きく深呼吸をして落ち着く。
どうやら、説明する内容を頭の中で整理してるみたいだ。
『単刀直入に言うね。この世界は何度も終焉と再構築を繰り返しているんだ。』
『え?。』
全く持って理解の外の内容が告げられた。
『 とある原因 によって世界は崩壊して消滅。その度にパパが新しく世界を創り直しているんだ。今のこの世界も、もう数え切れない世界の犠牲の上に成り立っているんだよ。』
『……………?。』
『ははは…混乱させちゃったね。けど、これは事実なんだ。そして、僕達を…いや、パパの世界を終焉へと導く存在。僕や代刃、この世界に住む全ての存在の敵。真の敵は…。』
『真の敵…。』
『全てを創造する【純エーテル】と対を成す存在…【暗黒終焉物質 ダークマター】。』
ーーー
ーーー黄国ーーー
ーーー無凱ーーー
『ダークマター?。』
『ああ。それが我が調べ上げ辿り着いた世界を何度も終焉に導いているモノの正体だ。貴様が扱う純エーテルとは真逆の性質を持つエネルギー。それに意志があるのか。はたまた現象なのかは我には分からん。しかし、この世界を何度も終わらせていることは間違いない。』
ダークマターか。
それが、どういった存在なのかは分からない。
けど、僕達にとって最も重大な存在であることは間違いない。
これはかなり重大な情報だね。
今すぐにでも仲間に共有したい内容だ。
『我がお前に話せるのは以上だ。それ以外のことは一生物である我には調べることは出来ん。言葉通り、神の領域の話だからな。』
キシルティアに教えて貰ったこの世界の情報。
それを、彼女に甦らせて貰った僕の数回前の前世の記憶と照らし合わせてまとめてみる。
この世界は何度も終焉と再生を繰り返している。
どの世界でもゲーム【エンパシス・ウィザメント】によって仮想世界が侵食されるところから僕達と神の接触が始まり。同時に神と僕等の戦いの開始となっているようだ。
しかし、一つとして同じ流れは存在しない。
少しずつ、又は大きく異なる行程と過程を経ている。
僕がキシルティアのところに来たのも今回で二回目だ。何度も繰り返されているのにも関わらずだ。
そのことだけでも、かなり複雑な要因で事象も現象も変化していくというのが容易に想像出来るだろう。
だが、違う経緯、行程、過程を辿っても行き着く結果はどれも終焉で終わってしまう。
それがこの世界の真実。
そして、その終焉の原因となるのが…。
【暗黒終焉物質 ダークマター】
か。
『今回も…それが原因で滅びに向かっているのかな?。』
『確実に、間違いなく…な。』
僕の腕に抱きついているキシルティアの身体が僅かに震える。
僕に説明する為とはいえ、彼女にとってのトラウマを刺激してしまっている。
『もう。この話は止めよう。』
『ああ…助かる。』
『それで?。そろそろ君の今の状況を聞いても良いかな?。さっきの問答で全部教えてくれた訳じゃないんだろ?。』
『ふふ。あれは長い間、我を待たせたお返しだ。少し、苛ついたのでな。』
『おお…理不尽だ…。』
『理不尽でもだ。我を………泣かせた罰だ。大人しく受け入れろ。』
『ははは…そうするよ。』
『では、一つずつ話そう。』
世界の説明を終え、キシルティアの現在の話しが始まった。
ーーー
ーーー神の居城 シンクリヴァスーーー
ーーー代刃ーーー
『どうしてメリクリア達は、リスティールを襲って侵略したの?。それと、どうして仮想世界で僕達と敵対したの?。』
『それについては………説明するのが難しいんだけど。えっと、さっきこの世界は終焉と再生を繰り返しているって言ったよね。それと関係があるんだ。』
『どういうこと?。』
『このリスティールはね。パパが創造した世界で、その宇宙の中心に位置してるんだ。』
『宇宙の中心?。』
『そう。僕達の目的が【最高神を増やすこと】って言ったでしょ?。その理由が、この世界の終焉と再生の繰り返しを終わらせて【終焉の無い完全な世界】を誕生させることにあるんだ。』
『それが最高神を増やすことに関係があるの?。』
『勿論だよ。神は世界を動かす歯車って例えたでしょ?。動かせる歯車が多ければ多いほど世界は様々な役割を内包して複雑に噛み合った働きを得られるんだ。最高神が少なければ、単純な構造な世界。例えば、【生命が存在しないと確定した世界】とか【現象や時間などの概念すらも存在しない無の世界】とか【誕生した瞬間に崩壊する星が生まれるだけの世界】とか世界の最低限の形すら出来上がらないモノになっちゃうんだ。』
『けど、それと僕の質問の繋がりって何?。』
『リスティールにはリスティナがいたでしょ?。最高神の一柱。彼女の力が必要だったんだ。』
『リスティナの力?。』
『うん。パパの【絶対神】とリスティナの【創造神】の二柱から特定の条件下で誕生する最高神を誕生させる為にね。侵略する形になったのは星の所有権の半分をパパが取得しなければならなかったから。かなり強引な手段だったけどね。はは…パパ、リスティナに全部説明した後で滅茶苦茶リスティナに怒られてたよ。』
『ああ…やっぱりリスティナもここに居るんだね。』
『うん。いるよ。後で会わせてあげるね。』
『それでね。話の続き。その誕生させようとした最高神こそ【観測神】。』
『【観測神】…それって、もしかして…。』
仮想世界での閃の異常な様子と姿を思い出す。
『そう。閃君だよ。仮想世界で僕達が代刃達を襲ったのも閃君を観測神へと覚醒させる為。まぁ、このことを知ってたのも仮想世界の中では僕だけだったけどね。ガズィラムも気付いてたかもだけど。アイツは興味無いだろうし。』
『閃もやっぱり最高神なんだ。』
『そ。しかも、絶対神に匹敵する力を持つ神。世界神の一柱だよ。まだ、本当の観測神には覚醒していないみたいだけどね。』
閃。凄い。やっぱり閃は特別なんだね。
『観測神ってどういう神なの?。』
『世界内にある【存在】という概念を誕生させたり、消滅させたり出来る神だよ。新たな存在を創り出せ、既にある存在を消し去る能力を持つ神。パパとリスティナの能力が合わさったような神なの。』
『それは…凄いね…。え?。じゃあ、閃を覚醒させる為なのは分かったけど、どうして僕達を殺して転生させたの?。あっ…僕みたいな最高神を増やす為なのは分かるんだけど…。』
観測神の誕生だけが目的だったら僕達を殺す必要ないよね?。
けど、最高神を増やすのが目的って言ってたから転生の理由は分かるんだけど。
何で敵対してまで僕達の命を奪ったんだろう?。
『そう。けど、強引に命を奪ったのには理由があって…それは…仮想世界を守る為だったんだ。』
『仮想世界を?。』
『順番に話すね。この世界は終焉と再生を繰り返しているんだ。このことはパパと僕を含めて四柱しか知らないことなんだ。まぁ…何体かの神は感付いているかもしれないけどね。それで、仮想世界もまた何度も終焉と再生を繰り返している。リスティナの干渉を受けるまで永遠にね。それは人間という種族のデータを多く獲得して干渉を受けた際に観測神が誕生する確率を少しでも上げるのが目的なんだ。もう何回繰り返したか分からないくらいの回数をね。因みに、仮想世界の場合は、ダークマターの影響で終焉を迎える訳じゃなくて、きちんとした宇宙の寿命で…つまり自然の摂理で終わりを迎えるように創られているんだよ。』
『壮大な。話だね…。』
『でしょ?。それだけパパは観測神を誕生させるのに本気なんだ。この世界を存続させる目的でね。えっと…仮想世界はね。【魔力の存在しない世界】ってコンセプトでパパが創造したんだ。魔力の存在しない世界でしか【人族】は誕生しないから。』
『【人族】?。』
それって閃や燕の種族だよね?。
『代刃達の言葉で言えば【人間】だよ。エンパシス・ウィザメントを体験する前の代刃達の状態。』
『ああ、ゲームで与えられた種族じゃないんだね。えっと、その人間を誕生させる為の仮想世界?。』
『そう。この世界は純エーテルから始まり、純エーテルから星が誕生し、星がエーテルを、生物が魔力を宿して生まれるんだ。どんな存在でも大なり小なり魔力を身体に宿してる。全く魔力を持たない種族は物理的に誕生出来ないんだ。』
『確かに、以前の僕らは魔力のことを知らない。精々、物語の中にある架空のエネルギーくらいの認識だった。』
『けど、【観測神】の誕生させる条件には【人族】の存在が最も重要なんだ。それは何故か。簡単だ。【観測神】は【人族】からの派生でしか誕生、発生しない神だから。だから僕等は【人族】が誕生する環境を整える必要があった。』
『それが仮想世界?。』
絶対神。創造神。仮想世界。そして、人間。
それらの存在が観測神を誕生させる条件。
『そう。けど、それと僕達を殺したのにはどういう繋がりがあるの?。』
『【魔力の存在しない世界】で【魔力が発生してしまった】から、だよ。複雑に重なりあった 現象 から成り立つ世界に、全く別のエネルギーが突然現れたんだ。世界は異物を排除しようとする。しかし、魔力のない世界が劣化しているとはいえ元々エーテルだった魔力を排除することは出来ない。やがて、世界は魔力を抑えられなくなる。最後は魔力に侵食されて消滅するだけなんだ。』
『けど…それは君達が...。』
『あっ。勘違いしないでよ。魔力程度の働きの作用だけなら僕達は君達を急いで排除する必要はなかったんだ。仮想世界は【観測神】を誕生させるまで何度も再生と終焉を繰り返していたから。放っておいてもやがては消滅していたよ。ゆっくり、時間を掛けてね。』
『じゃあ、どうして…君達は僕達を?。』
『それはね。仮想世界に魔力じゃなく【純エーテル】が発生してしまったからなんだ。』
『純エーテルが?。』
『そう。魔力程度の力なら世界の輪廻に影響は出なかった。だから、最初は神兵達に任せていたんだ。けど、発生したのが純エーテルなら話しは変わってくる。星どころか世界すらも創造することの出来る膨大なエネルギーが何の抵抗も出来ない世界に現れたんだ。仮想世界に抗う術はない。あのまま放置したら世界の基盤そのものが深刻なダメージを受けて破壊される。折角積み重ねてきた人の歴史が何もかも消えてしまう。そんな状況だったんだよ。だから、急遽、神王である僕が動くことになった。一刻も早く仮想世界から純エーテルの発生源を排除し仮想世界を洗浄し直さなきゃいけなかったから。この世界と同じように繰り返している仮想世界でも基盤そのものが壊れたらいくらパパでも同じものを創れない。』
『その…純エーテルが発生した原因って…。』
メリクリアは言いづらそうに僕を見ると、ゆっくりと僕を指差した。
『その…言いにくいんだけど…代刃…が原因…。』
え?。ぼ、僕なの!?。
『僕!?。』
『うん。正確には代刃の持ってた神具。』
『魔柔念金属?。違うよ。もう一つの方。』
だよね…。
『接続門の方…。』
【並行世界接続門】。
並行世界の神具を十分の一の性能のコピー体を出現させる神具だ。
『僕は仮想世界の出来事を観察していたから知ってるんだけど。代刃が接続門から取り出した神具が、代刃達がエンパシス・ウィザメント内で作った物より強力だったのを覚えているかい?。』
『うん。十分の一の性能とは思えないくらいだった。』
『その理由はね。代刃が接続していた先にあった世界の影響なんだ。ふふ。パパも驚いてたよ。自分が 憧れてた世界 と接続してその内にあるモノに干渉することができて、しかも、コピー体とはいえ自在にその能力を使用できたんだから。ふふふ。あんなにびっくりしたパパは初めて見たよ。』
『憧れ?。』
『ふふ。あの代刃が接続した世界はパパが創造したこの世界とは比較にならない高次元の世界なんだ。存在する神は例外なく最高神。しかも全員が純エーテルを操れる。そんな規格外の世界だよ。』
『そんな世界があるの?。』
『あるよ。世界は無数に存在する。代刃が接続したのが都会の中心だったのなら、この世界なんて片田舎も良いところだよ。だからこそ、神を創るなんて行為を行っているんだ。』
『世界を維持する為に?。』
神って…閃のことかな?。
それとも絶対神のこと?。
『両方だよ。』
『え?。心読んだの?。』
『ふふ。顔に書いてあったよ。本来、神は世界の一部だから、世界が在るから神が有るんだ。逆は本来有り得ない。………いや、そんなことする必要がないんだ。けど、この世界は逆じゃないと成り立たない。』
『む、難しいね…。』
『あっ。ごめんね。まぁ、話を戻すと、代刃が仮想世界で接続門を使って神具を取り出した影響で、この世界を含めた仮想世界よりも高次元の世界と繋がってしまった。そして、神具が使われたことで純エーテルが仮想世界内に広まってしまったんだ。』
『それが原因で仮想世界が消滅する危機に陥ったの?。』
『消滅というより修復不可能な状態で壊れる寸前だったんだ。原因となった代刃達を放置したまま…だったらね。』
『ああ…。そんなんだ…。』
『この世界が今までと同じようにダークマターによって終焉を向かえた時…パパ以外の神や星や生物が消滅した後、パパは再び世界を構築する。勿論、観測神を誕生させる為に仮想世界も構築するんだ。基盤はパパが持っているけど、純エーテルに壊されればパパの今までが全部無駄になってしまう。』
『それを阻止するために…僕達を仮想世界から排除したんだね。僕の…せいで…。』
『何も説明しなかった僕達が悪いんだ。けど、説明する時間も、君達の信頼を勝ち取る時間もなかったから...。世界の繰り返しについては秘匿なところがあるから説明も出来ないしさ…。あの方法しか…思い付かなかったんだ。そして、君達が予想以上に強かったからあんな強引な方法になっちゃって…ごめんね。…許されることじゃないけど。謝らせて。』
『僕は怒ってない。それよりも自分の能力で皆を危険な目に合わせる切っ掛けになったことが…はは…ちょっとショックだった。』
『代刃…。』
仲間も。世界も。僕の創造した神具が原因で…あんなことに…。
『そ、そうだ。次は代刃について教えてあげるよ!。君の身体が今どんな状態なのか。君という存在がどういうものなのか。はは。本当は一番最初に教えてあげなきゃいけなかったのに、ごめんね。』
話題を変えようと、空気を変えようといてくれてるメリクリア。
仮に僕が逆の立場なら同じことをするだろう。
それだけ、僕と彼女は似ているんだ。
『うん。教えて貰って良い?。』
『うん!。勿論だよ!。』
メリクリアの説明はまだもう少し続いていく。
次回の投稿は16日の日曜日を予定しています。