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番外編 恋人達との旅行 氷山雪原編③

 大画面のモニターからは眩しい光の演出。

 横にある大きなスピーカーからはリズムカルな音楽と透き通るような高く澄んだ奏他の歌声が流れ部屋中に響き渡る。

 最後は、余韻を残しながら鳴り止む音楽と共に長く伸びたロングトーンが続き静かに沈むように消えていった。


 パチパチ。パチパチ。


 俺と氷姫、詩那は奏他へと拍手を送る。


『やっぱり上手いね。奏他は。』

『うん。歌声。綺麗。』

『えへへ。そうかな?。結構ブランクがあるから昔みたいに歌えてないけど、そう言って貰えて嬉しいなぁ。』

『何言ってんだ。最高だったよ。奏他。』

『ありがとっ。閃君。』


 マイクを置き、俺の隣に座る奏他。

 因みに、大画面モニターの真正面のソファーに座る俺、隣に奏他と詩那。足の間で床に座る氷姫という配置だ。


『次はウチね!。ウチ頑張るから。ちゃんと聞いててね。先輩。』

『勿論だ。』


 タブレット端末を操作し曲を入力する。

 マイクを両手で握り、少々緊張した面持ちで画面と向かい合う詩那。

 流れてくる曲は、ああ。聞いたことあるな。

 少し前に流行った。アニメの曲だ。前と言っても前世だが…。

 ギャルっぽい見た目の詩那がアニメをチョイスすることに多少驚いた。


 普段の声よりも高い声色で歌う詩那。

 可愛らしい声が耳に心地良い。何よりも一生懸命歌う姿に眼を奪われた。


『ふぅ。ど、どうだったかな?。上手く歌えたと思うんだけど?。』

『ああ。正直、可愛かった。』

『っ!?。本当?。』

『ああ。詩那の声も姿も。正直、見惚れてた。』

『やった。へへ。嬉しい…。せ~んぱい。』


 腕に抱きつく詩那の頭を撫でる。


『次は。私。』


 座ったままマイクを持った氷姫。

 どうやらその体勢で歌うようだ。

 タブレット端末を素早く操作。送信ボタンを押した氷姫は深々と俺に体重を預け画面を直視する。

 流れてきた曲は………演歌!?。

 聞いたことない曲だし。てか、良く良く考えると氷姫の歌ってるとこ見るの初めてかも。


 歌うことに慣れてないのか、辿々しくも頑張ってリズムを合わせる氷姫。

 優しいけど、弱々しい声。だけど、すっと耳に入ってくる透明感を感じさせる歌声だ。


『ふぅ。どう?。閃?。』

『可愛かった。氷姫の声は綺麗だな。』

『そう?。』

『ああ。頑張って歌ってるところとかグッときた。』

  

 大人びた雰囲気の氷姫が見せた幼さに思わずその頭を撫でてしまう。


『むふぅ。もっと撫でて。』

『ああ。いくらでも。』


 さて、次は俺の番か。

 何歌おう。最初は無難に誰もが知っているであろう有名な曲にしようかな。


 マイクを持ち立ち上がる。

 端末を操作し曲を入力し終え送信っと。

 流れてきた曲に。


『あっ。これ聞いたことある。』

『私も。結構有名だった歌だよね。』

『うん。頑張れ。閃。』


 皆が反応した。


 画面に流れる歌詞を見ながら曲に合わせて歌う。

 って、皆の視線が熱すぎて集中出来ない。

 奏他はウキウキした様子で眺めてくるし。

 詩那はキラキラした眼で見つめてくるし。

 氷姫に至っては真っ直ぐな瞳で俺から視線を離さない。その表情は完全な 無 だった。

 頼む。早く終わってくれ。

 三人の視線に堪えながらも完奏した。


『閃君。やっぱり上手だね。聞き惚れちゃった。』

『ありがと。奏他。けど、本業だった奏他の方が上手だよ。』

『先輩。また今度耳元で囁いて。先輩の声マジで好き。あっ。声 も 好き!。』

『何か、その褒められ方は照れ臭いな。まぁ、ありがと。あと、それは二人きりの時にな。』

『閃。抱いて。』

『何で!?。』


 その後も何曲も歌った俺達。

 ディエットしたり、点数を競い合ったり。

 最初は恐る恐るといった感じの氷姫も最後の方はしっかりと歌えていたな。


『閃君。最後に私と歌って欲しい曲があるの。』

『ああ、何でも良いぞ。』

『やった。じゃあね。ちょっと待ってね。』


 奏他が曲を入れると、スピーカーから流れ始めたのは…いつの日だったか。神具で出した船の上で奏他に聞かせて貰った彼女の持ち歌。

 相手に愛を伝える曲だ。


『閃君。お願いします。』

『ああ。任せろ。』

 

 何度も聞かせて貰った曲だ。

 歌詞も、奏他の振り付けまで覚えた。

 曲に合わせて奏他と踊る。奏他の動きを邪魔しないように、それでいて自己主張は欠かさない。

 狭い部屋の中でも最大のパフォーマンスを決め、最後は奏他を抱き寄せてフィニッシュ。

 

『はぁ…はぁ…。閃君。ありがと。』

『楽しかったな。また、歌おうな。』

『うん。』


 目と鼻の先にある奏他の顔。

 その唇を奪うように少し乱暴なキスをする。


『えへへ。閃君。大好き。』

『俺もだ。奏他。好きだよ。』


 パチパチ。と拍手をする詩那と氷姫。


『うわあああぁぁぁん。凄かった!。マジで凄かった!。二人の息がぴったりでマジ感動したよぉ!。けど、先輩とのキスが羨ましいよぉ。』


 俺達の歌への感動と嫉妬で涙を流す詩那だった。


『先輩。次はトランプしようよ。ウチ、持ってきてるんだ。』

『おう。良いぞ。二人も良いか?。』

『うん。』

『勿論だよ。』


 全員が大体の持ち歌を歌い終わったタイミングで詩那が鞄からトランプを取り出した。

 カラオケも楽しんだし次は別の遊びだな。


『じゃあ、何しようか?。』


 詩那がシャッフルをしながら問う。


『最初は定番でババ抜きとかで良いんじゃない?。』

『ババ抜きね。先輩達はそれで良い?。』

『うん。』

『大丈夫だ。』

『おっけ。じゃあ、罰ゲームありにしようよ。』

『罰ゲーム?。』

『うん。一番勝った人がビリの人に何でも一つ質問出来るの。で、ビリの人はその質問に嘘偽りなく答える。どんな質問でもね。あ、何かをやって貰うとかでも良いよ。』

『まぁ、確かに罰ゲームがあった方が盛り上がるが、詩那。何か灯月に似てきたな。』

『え?。そうかなぁ?。』

『何で。嬉しそうなの?。多分、今の褒められてないよ?。』

『だって、先輩の妹みたいってことでしょ?。家族で義妹。そして今は愛し合う恋人。きゃあああああぁぁぁぁぁ!。最高じゃん!。』

『あはは。詩那、多分そういう意味で閃君は言ってないよ?。』

『えへへ。先輩の家族~。先輩と兄妹~。先輩と恋人~。』

『聞いてないね。』

『まぁ、家族で恋人なのは間違いじゃないしな。』


 テーブルを中心に四人で向かい合う。


『じゃあ、配るね。』


 詩那が慣れた手付きでトランプを配っていく。


『じゃあ、先輩から時計回りでスタートね。』


 俺の手札にジョーカーはない。

 同じ数字を捨てていき、いざ。

 俺の隣は奏他。


『ほい。奏他。引いてくれ。』

『じゃあ、これで。』


 引いたカードは、手札にある数字と同じだったようだ。被った数字の二枚のカードがテーブルの上に捨てられる。奏他の手札が一枚減った。


『じゃあ、次は氷姫さんね。どうぞ。』

『うん。じゃあ。これ。』


 無表情な氷姫は引いたカードを手札に加えて、そのまま反対の詩那の方を向く。

 どうやら、同じ数字のカードじゃなかったらしい。


『次。詩那。はい。』

『ウチね。じゃあ、んー。これにする!。あばっ!?。はっ!?。今のなし。ウチは何も引いてない~。』

『詩那。ありがとう。』


 どうやらジョーカーを引いてしまったようだ。

 今、詩那の手札にジョーカーが移動した。


『うぅ…。何てこと…。じゃあ!。先輩!。どうぞ!。』


 今度は俺が引く番か。

 よし、どれにするか。

 詩那も手札は六枚。その内の一枚がジョーカーか。

 右か?。


『あうっ…。』


 左か?。


『ふんふん!。』


 一番端か?。


『あうぅ…。』

『……………。』


 分かりやすい…。表情に感情が出過ぎだぞ。

 この瞬間、この場にいた詩那以外の全員が察した。

 この戦いの敗者は詩那だと。

 詩那の表情が曇ったカードを引く。


『あっ…。』


 勿論。ジョーカーではない。そして、同じ数字が揃ったのでペアとなったカードをテーブルの上に。

 そして、カードを引くこと五順目。

 俺は詩那からジョーカーでないカードを引いた。

 最後の一枚となったジョーカーを持っていたのは案の定、詩那だった。

 

『うぅ…何で?。ウチ…が負け…。』

『詩那。顔に出過ぎ。』

『うん。分かりやす過ぎるよ…。』

『そうかなぁ?。ウチ、結構ポーカーフェイスじゃなかった?。』

『『何処が?。』』

『あうっ…。』


 落ち込む詩那。

 因みに一番最初に上がったのは奏他だ。

 

『罰ゲーム。』

『はう!?。そうだった!。奏他。控え目にしてね。』

『う~ん。そうだなぁ~。じゃあ、詩那に質問です。ババン!。この前の一日デートの時、閃君と二人きりでどんなことしてるの?。』

『っ!?。マジで、聞いてる?。』

『うん。聞いてる。』

『嘘ついちゃ駄目。』

『なぁ、奏他?。』

『何?。閃君?。』

『これ。俺にもダメージ入るんじゃないか?。いや、入るよな?。完全な二人のプライベートな時間を語れって…。』

『そうだね。けど、勝ったのは私だもん!。』

『ええ…。』

『へへへ。包み隠さず教えなさ~い。』


 駄目だ。完全に興味が勝ってやがる。


『え、えっと…その…先輩とは…一緒に料理して、一緒に映画見て、つんつんして…えっと…一緒に…ああ…そのお風呂に………で…あの…ベッドの………もう!。それから!。一緒に気持ち良くなったの!!!。もう!。満足でしょ!。うわあああぁぁぁん!。恥ずかしいよぉ~。』


 最後の方は自棄糞だったな。

 その場で座布団を抱きしめて床を転がる詩那であった。


『もう!。奏他!。覚えてろ!。絶対次はウチが勝って色々聞いちゃうんだからね!。』

『勝てるの?。顔に出てるよ?。感情?。』

『うっ…つ、次は大丈夫だし。そ、そうだ!。氷姫先輩の真似をすれば良いんだ!。』

『私の?。』

『そっ!。こうやって。こう!。』


 パンッ!。と、頬を叩いた詩那。

 その瞬間、彼女は無表情をマスターした。


『おお。完璧なポーカーフェイスだ。』

『凄い。無表情。』

『中々やるね。それでこそ倒し概があるよ!。』


 レベルの上がった詩那の次の試練が始まった。


『どうぞ。先輩。』

『口調まで氷姫に似せなくても…。』


 詩那の手札は三枚。

 左か?。


『………。』ぴこぴこ。


 詩那の獣耳が動く。

 真ん中か?。


『………。』ぺた~ん。


 詩那の獣耳が力無く垂れ下がる。

 右か?。


『………。』ぺた~ん。


 詩那の尻尾が床に垂れた。

 もう一度。左を。


『………。』ぴこぴこ!。ぶんぶん!。


 獣耳は動き。尻尾は振り回された。

 恐ろしいまでのポーカーフェイスだ。表情が一切変わらない。表情からジョーカーの在処を探るのは不可能だ。

 なので、真ん中かを引いておこう。


『にゃっ!?。何で~?。あっ!?。………。』


 この瞬間、全員が悟ったね。

 敗けはない…と。


『な、何でウチばっかり負けるのぉ~。』


 その後も詩那は負け続けた。

 ババ抜きの他にも、神経衰弱、七並べ、ダウトに大富豪など。色々なゲームをしたのだがその全てで詩那は敗北してしまった。


『うぅ…誰よぉ~。ここの6で止めてるのぉ…。』

『あ~ん。中途半端に7だけ残っちゃったよ~。パスしか出来な~い。』

『あれ?。ここが5だったっけ?。えっと…こっち?。それともこっちだっけ?。んんーーー。こっちだ!。………8…。』


 そして、その度に氷姫と奏他による精神攻撃が繰り返される。


『今の下着の色。上も。下も。教えて。』

『え…むぅ、その…下はピンク…で…上は………。』

『上は?。』

『………着けてない。もん。』


『閃君のどんなところが好き?。』

『そんなの全部に決まってるじゃん!。』

『即答だぁ~。』


『性感帯は何処?。』

『ちょ、ちょっと氷姫先輩。そんな質問ばっかりじゃん!。……………首筋?。』


『そ、その…耳と尻尾、触ってみて良い?。』

『まぁ、それくらいなら。』

『わぁ~。もふもふ~。』

『っ…くすぐったい。』


『私も。触る。良い?。』

『むぅ…まぁ、どうぞ。』

『えい。おお。大きい。』

『きゃあああ。触るって胸なの!?。』


 そんなこんなで氷姫のエッチな要求を全て完遂した詩那だった。

 最後の方は涙目になってたな。

 てか、俺全然一番になれないんだが?。


『あっ。ここで革命だな。』

『え?。うそ。』

『あ~ん。酷いよ。先輩。』

『これは、ちょっとマズイかも。』


 俺の革命によりカードの強さが逆転する。

 それにより、残った俺の手札は最強に、結果…。


『ふぅ。初めて一番最初に和了れたな。』


 そして、相も変わらず。


『うわあああああぁぁぁぁぁん。さっきまで勝ってそうだったのに、先輩の革命のせいでまたビリだよおおおおおぉぉぉぉぉ~。』


 また、詩那がビリだった。

 これで、俺が詩那に質問かやって欲しいことを命令出来る訳だ。

 まぁ、もう決まってるんだが。


『うぅ…先輩。先輩になら何でも答えるし、してあげるけど…その、お手柔らかにね?。』

『ああ、じゃあ、おいで。詩那。』

『え?。』


 自分の膝を叩いて詩那を呼ぶ。

 恐る恐る歩いてくる詩那を引き寄せ膝の上に、抱きしめて詩那の頭を撫でる。


『せ、先輩!?。』

『これが罰ゲームだ。無理矢理唇を奪ってやる。抵抗するなよ。』

『え?。いや、それってむしろご褒…ん!?。』


 数秒間の口づけ。

 その後、ゆっくりと離れようとすると。


『駄目!。もっと!。』

『んんっ!?。』


 物凄い力で首に腕を回され唇を押し付けられる。

 何度も啄むように唇同士が接触を繰り返し静かな部屋に艶かしい音が鳴る。


『ふぅ…満足したか?。』

『うん!。せぇんぱい!。罰ゲームありがとう~。』

『うぅ…羨ましい…。』

『罰ゲーム。に。なってない。』


 ゲームも一通り終え、テーブルに置かれた飲み物やお菓子を食べながら寛いでいた。

 時間を確認すると、そろそろ日付けが変わろうとしている。


『さて、もう一度風呂に入ってこようかな?。お前達はどうす…る?。あれ?。』


 立ち上がって周囲を見ると。


『ん~。先輩~。zzzz…。』

『閃君~。もっと~。甘えさせて~。zzzz…。』

『………。』


 皆、寝ちゃってる。

 ん?。何だ?。何か酒の匂いが?。

 いつの間にかテーブルの上に置いてある酒瓶。

 おかしい。さっきまではなかったのに?。

 それに、この酒…まさか!?。何でこれがここに!?。


『神をも酔わせる酒【神殺し】…だと?。』


 詩那達の飲んでいたグラスを確認すると神殺しが注がれていた。

 まさか、酒の飲んで寝ちゃったのか?。

 けど、いったい…いつの間に?。誰かが持ってきたんだろうが。


『まぁ、寝ちゃったものは仕方がないか…折角の酒だし…露天風呂で飲むか。』


 寝てしまった三人をベッドに運び、神殺しとお猪口を持って露天風呂へと向かった。


~~~

 

『はぁ………気持ちいいな。酒を飲みながらの入浴、しかも雪山の露天風呂とか最高だな。』

 

 ちびちびと飲む酒。神であるこの身体に適度な浮遊感と解放感を与えてくれる。

 粉雪がゆっくりと降り、微風に乗せられ頬に当たり、冷たい空気と熱いくらいの水温に気分が高揚する。


『閃。』


 入浴を楽しんでいると氷姫が入ってきた。

 その姿は、スキー場で着ていた水着姿だ。


『氷姫?。どうした?。って、もしかして一緒に入りに来たのか?。水着まで着て。』

『うん。今日は閃。エッチなこと。しないって言ってた。けど。女の子の閃より。男の子の閃と。一緒に入りたいから。』

『そうか。まぁ、入れよ。』

『うん。』


 氷姫が俺の隣に座る。


『お酒。注いであげる。』

『ああ。頼むよ。』


 酒瓶を持った氷姫に注いで貰った。

 それを一気に飲み干す。


『氷姫も飲めよ。』

『うん。』


 お猪口と酒瓶を交換し今度は俺が氷姫に注ぐ。

 ゆっくりとした動作で静かに酒を飲む氷姫。

 その様は、妙に色っぽかった。


『これを持ってきたのお前か?。』

『うん。本当は皆で。酔おうと。思った。けど。閃に言う前に。二人。寝ちゃった。一杯しか飲んでないのに。』

『そうなのか…。』


 灯月や八雲と同じで酒に弱かったんだな。


『ふふ。閃。楽しいね。』

『ん?。ああ。そうだな。珍しいな。氷姫がそこまで喜ぶなんて。』

『うん。詩那は面白い。奏他も楽しい。皆。家族。』

『だな。』

『旅行。また来ようね。』

『ああ。また一緒に来ような。』

『うん。』


 深々と降る雪を眺めながら二人で酒を楽しんだ。


~~~~~


『んん~。頭痛いよ~。』

『気持ち悪い~。』


 神殺しの影響で詩那と奏他は二日酔いだ。

 まさかたった一杯でここまでになるとは。

 二人を介抱しながら荷物を持ち、コテージの前に立つ。


『閃。準備できたよ。』

『分かった。二人とももう少し頑張れ。』

『う、うん。大丈夫。』

『ありがとう。閃君。』


 四人でコテージに向かって頭を下げる。


『『『『楽しい思い出をありがとう御座いました。』』』』


 こうして、俺にとって二回目の旅行は終わりを迎えたのだった。


~~~終わり~~~

次回の投稿は12日の日曜日を予定しています。

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