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第300話 赤国の戦士

 威神を中心に円運動で回転する三つの鉄球。

 威神を恒星とした場合の惑星のように公転運動をし続ける。

 速度は徐々に速くなり、今では目で追うことすらも困難になっていた。


『ぐあっ!?。』


 鉄球を剣で防ぐも、その威力に身体が浮かび上がり吹き飛ばされる炎極星 柘榴。

 持つ【炎極星剣】からの炎の放出によって威力を相殺しようとするも鉄球を包むエーテルに阻まれ炎が掻き消されてしまう。


『しゃらくせええええええぇぇぇぇぇ!!!。うっ!?。』


 力極星 塊陸もそこ強靭な腕力から繰り出される【力極星斧】の一撃で鉄球を打ち落とそうとするも、弾かれた反動で身体が後退する。


『くっ。俺の鞭じゃあ、あの鉄球を突破出来ねぇ。溶かそうにもエーテルに守られて触れることも出来やしねぇし。』


 【溶極星蛇鞭】を手繰り寄せる溶極星 獅炎。

 彼の身体、そして鞭に触れたモノは溶解するという能力を持つ。

 しかし、鉄球は高速で移動している為狙いが定められず、纏うエーテルによって溶解させることが出来ない。


『ちっ。遠心力と重さで桁違いの威力になってやがる。』

『どうする?。何か、アイツに有効な手段はあるか?。』

『ねぇよ。そんなもん!。あんな化け物相手に!。』

『はっ!。じゃあ、諦めるのか?。』

『んな、わけねぇだろうがっ!。』

『だよな!。行くぜ!。タイミングを合わせろよ!。』


 三つの星が駆け出す。

 

『む?。動きが...変わった?。噂の仙技というやつか!。』


 仙技による急激な肉体能力の向上。

 三方向に分かれ、塊陸が正面から突撃する。


『真正面。愚かな、狙い打ちになるだけだ!。』


 三つの鉄球が高速で塊陸へと突撃する。


『はっ!。行くぜ!。【力仙技法】!。』


 力極星斧に込められるエーテルが気の力で巨大化。聳える山を思わせる程に巨大化した斧が恒星の輝きを遮り薄暗い日影を作り出した。


『喰らいやがれ!。【力極星爆砕斧】!。』

『ぐっ!?。これは…マズイか?。』


 仙技によって巨大化した斧の一撃は軽々と威神を呑み込み、地面に叩き付けられた。

 大地を深く割り、大きく抉り、極大のクレーターを形成した。同時に高々と空中へと大量の地面の土が舞い上がる。


『まだだ!。追撃する!。【溶仙技法】!。【溶極星蛇鞭結界】!。』


 蛇を連想させる長い鞭がクレーターをなぞるように広がり円を作り、その内側にあるもの全てを溶解させる雨を降らせた。

 空中に舞い上がる土煙を含め、石、岩、地面、僅かに生える草。その場にあるものは雨に打たれ形を保てず液体のように溶けてしまう。獅炎の奥の手。


『最後だ!。逃げ道はねぇ!。【炎仙技法】!。【炎極星焔放刃】!。』


 エーテルによって生み出された星そのものが創り出す炎。それに限りなく近い原初の炎を刃に乗せ広域に放つ柘榴の切り札。

 獅炎が作り出した結界内にて炎の渦を形成。溶けた物質は一瞬にして蒸発し黒い煙と炎が上空に巨大な混沌の雲を生成した。


『はぁ…はぁ…はぁ…これで、どうよ…。』

『俺達の仙技のフルコースだぜ?。異神でも無事じゃ済まねぇだろう?。』

『や、やったのか?。』

『おい!。獅炎!。それは言っちゃダメなヤツだろうが!。』

『ああ、そんな在り来りなフラグを立てんじゃねぇよ!。』

『あ、やべっ。すまん。』

『くっそ…遅せぇよ…。』

『ああ。どうやら、駄目だったみたいだな。』


 渦から為る炎の柱は、突如として内側から発生した衝撃に掻き消された。


『これだけの威力の攻撃を…強さなら仮想世界で生きていた時のクロノ・フィリアに匹敵している。』


 クレーターの中は黒く焦げ、その中心には異神が何事もなかったかのように一人立っていた。


『マジかよ…無傷…。』

『てか、あれ、何だよ?。鎧?。』

『さっきの鉄球が消えてる。まさか、あれが鉄球の正体?。』


 空中に浮遊し高速で飛行していた鉄球。

 それらは、単純な物理攻撃を行う為の武器ではない。

 本来は、威神の身に纏う鎧。それが本当の使用方法だった。


『先の攻撃。この神具を発動させなければ無傷では耐えられなかっただろう。君達のその力、素晴らしいモノだ。』

『へっ。敵に褒められても嬉しくねぇよ!。』

『ああ。褒められるなら女か、そうだな。愛鈴様になら言われてぇけどな!。』

『ははは、そうだな。俺達の力は愛鈴様の為に使う!。』

『愛鈴…。その名前…赤国を統べる王の名だな?。』

『その通りよ!。俺達はあの娘に救われた!。何も知らねぇこの場所で目覚めた俺達に力と地位をくれ、不自由のねぇ生活をくれたんだ!。』

『ああ。他の女はどうでも良いがな。あの人だけは幸せにしてやりてぇ!。だから異神!。ぜってぇ、愛鈴様の元へは行かせねぇ!。』

『必ずここでテメェを倒し、愛鈴様を安心させてやる!。』


 三人の愛鈴への想い。

 威神は仮想世界で三人とは直接的な面識は数える程しかなかった。

 それも、ゲームだった時の話だ。

 侵食された世界となった後、白聖連団の柘榴の話を里亜から聞き、赤蘭煌王の塊陸と獅炎の話しは閃や赤皇から聞いていた。

 ドイツもコイツも、ろくでもない話しか耳には入ってこなかったことを威神は覚えている。

 使えない者は仲間だろうが容赦なく切り捨てる柘榴。

 女とみれば見境なしに声をかけ、思い通りにならなければすぐにキレる沸点の低い男。塊陸と獅炎。

 戦闘前に、彼等に対して良い印象を持っていなかった威神だったが、今の彼等を見て僅かに困惑していた。

 

 聞いていた。話とは違うな。


 垣間見える性格は確かに噂通りのものだ。

 しかし、その心根は…。三人が同じ目的を持ち同じ未来を見据え、願っている。誰かの為に己の命を懸け、限界以上の力を発揮している現状は、威神の知るクロノ・フィリアの仲間達と全くの同じものだった。

 

 愛鈴という少女との出会いは、仮想世界にて己の欲を発散させるためだけだった男達を確実に成長させた。

 

『ははは。今度は良い友になれそうだな!。』


 高まる感情を抑えられず珍しく高笑いをする威神。

 

『何笑ってやがんだ!。』

『俺達を馬鹿にしやがって!。許せねぇ!。』

『おい!。てめぇら。もう音をあげてるヤツはいねぇよな?。』

『たりめぇよ!。舐めんな。』

『あの異神を倒す。それまでは倒れねぇよ!。』


 三人の瞳は死んではいなかった。

 切り札を防がれ、威神には未だに余裕が窺える状況。

 しかし、彼等の中に愛鈴がいる限り勝ち目がない戦いから逃げることはない。いや、勝つ気でいる。


『ははは。すまない。決して舐めていた訳ではない。君達の真剣さに心打たれたんだ。そして、謝らなければならない。』

『な、何をだ?。』

『如何に君達が強大な力を持っていようと神でない君達では俺には敵わないと考えていた。力に驕っていたのではない。異神になった俺達の力が強大だった。神でなければ俺達に対抗できないくらいに。そう考え手を抜いていたんだ。今はその考えが間違いだったと自覚している。君達を侮辱した、本当にすまなかった。』

『はっ!。随分と上からじゃねぇか?。俺等を舐めてっと痛い目を見るぜ?。』

『ああ。その様だな。だが、君達の力…心の力は俺の認識を遥かに上回る程に力強く誇らしかった。認める。異神となった俺は、かつて敵だった君達を敵として全身全霊で撃破する。』


 異神の身体から迸るエーテル。漆黒の鎧を介して周囲を押し潰すような圧迫感が三人を襲った。

 

『なぁ、アイツ…本気っぽいぜ?。』

『何だ?。ビビってんの?。情けねぇなぁ~。おい!。』

『いやいや。お前も足…いや、全身震えてんじゃん!?。』

『はっ!?。舐めんな!。震えてねぇ!。武者震いだっつぅの!。』

『震えてることは変わってねぇよ。』


 圧倒的実力の差。

 隠しているが、仙技で肉体に蓄えられたエーテルは既に底を突いていた。

 今、三人は魔力しか操れない。魔力ではエーテルの攻撃を防げず、エーテルを持つ者にダメージを殆ど与えられない。

 

『行くぞ!。』


 エーテルを全身に纏った威神が空中へと飛び上がり、身体を丸めて突進する。

 それは高熱の空気で身体を纏った小さな隕石だった。


『やべぇ!。やべぇ!。あんなの喰らったら死ぬ!。絶対死ぬ!。』

『逃げる?。避ける?。無理だろおおおおおぉぉぉぉぉ!?!?。』

『らあああああぁぁぁぁぁぁ!!!!!。』

『『柘榴!?。』』


 突撃する威神に向かって剣を構え走る出す柘榴。


『おらっ!。まだ、眠んのは速すぎるだろうが!。根性見せやがれ!。【炎極星剣】!。』


 彼の持つ武装は神具ではない。

 しかし、彼から送られていたエーテルはまだ、星剣の中に残っていた。柘榴の思いに呼応するように【炎極星剣】は炎を放出、柘榴を包む盾のように、威神を退ける壁のように炎は威神のエーテルと衝突した。


『ま、負けんなよっ!。勝って………勝って、愛鈴さ………愛鈴を安心させてやるんだあああああぁぁぁぁぁ!!!!!。』


 更なる炎の放出。

 衝突の衝撃は周囲を焼き払い、地面はひび割れ空中へと持ち上がる。

 互いに負けられない戦い。決着は………。


『ぐあっ!?。』

『ぐっ!?。』


 吹き飛ぶ柘榴と地面に落ちる威神。

 絞り出したエーテルは、柘榴の意思と意地と思いによって十全な状態の威神の一撃と引き分けた。


『柘榴!。』

『てめぇら!。呆けてんじゃねぇよ!。今だ!。異神を殺れっ!。』

『っ!。』

『あ、ああ、そうだな!。塊陸!。』

『行くぞ!。』


 地面に落ちた威神に飛び掛かる塊陸と獅炎。


『ぐっ…まだだ。俺の身体…こんな時ぐらい根性見せやがれ!。らあああああぁぁぁぁぁ!!!。』


 更に倒れる身体に鞭を打ち気合いと根性で立ち上がった柘榴が追撃のために走り出す。

 三方向からの同時追撃。

 

『見事だ。既にエーテルが尽きた状態で勝機を信じ、突き進もうとする強い意思。心打たれた。だから、君達の思いに対し俺は神具を解放させ応えることにする!。』

『『『っ!?。』やべぇ!?。』誘われた!?。』


 威神が神具の能力を起動させる。

 飛び掛かる三人に対し、鎧の内側に溜め込んだエーテルを一気に爆発させた。同時に、身を包む鎧が細かなパーツに分裂。鎧がパージし、爆発によって加速した各パーツが全方位に拡散し放出された。

 元が超重量の鉄球。細かなパーツになっても一つ一つが地面を抉り割る程の重さを持つ鎧の破片が、爆発によって加速し破壊力が更に増した。


『ぐあっ!?。』

『ぐぼっあっ!?。』

『がばっ!?。』


 高速で飛び散った鎧の破片が三人の全身に命中。防御をする時間もなく、まともに破片を喰らった三人は地面に倒れた。


『こっ…の…化物が...。』

『う…。』

『くっ…。』


 辛うじて意識を保つ三人。

 だが、身体は傷付き、エーテルも魔力も…体力さえも底を突いた。

 彼等には起き上がる体力は残っていない。

 地面を転がった武器を拾う力も、握る力も。

 

 彼等に残された出来ること。

 それは、自分達を見下ろす異神をただただ見上げることだけだった。


 空中に浮かぶ威神。

 身体から放出される放電にも似たエーテルが各パーツに繋がり、威神の周囲を球状に浮遊していた。


『ちっ…。』

 

 あのパーツを一斉に放たれれば防ぐ術のない彼等は無事では済まないだろう。

 それを想像し、冷や汗を流しながら威神を睨む。いや、それだけしか出来なかった。


『はぁ…殺せよ。』

『悔しいが…俺達の敗け…みたいだ。』

『くっそ…強ぇな…異神…。』


 諦め。

 全身の緊張を解き、力なく横たわる三人。


『…ふっ。いや、殺しはしない。』

『は?。』

『な、何で?。』


 神具を消し、地上に降りる威神。

 その姿を不審がる三人が警戒する。


『俺の目的は君達じゃなかったみたいだから。』

『は?。目的だぁ?。』

『俺達はこの赤国に潜む俺達の本当の敵を炙り出す為に行動に出た。最初は君達かとも思ったがどうやら違うみたいだ。大切な人の為に命を懸けられる君達が敵の筈はないからな。』

『お前は…赤国を…愛鈴を殺すのが目的じゃないのか?。』

『愛鈴…その赤国の王の為に君達は戦ったんだろう?。君達にそこまで思われる王は俺達の敵ではないと思う。だから、何もしない。安心してくれて良い。』

『……………。』

『どうやら俺の役割も終わったようだ。じゃあな。また会おう。赤国の戦士達。』


 そう言うと威神は神具を出現させ、鉄球が発生させた放電によって宙へと浮き上がり去っていった。

 残された三人は威神の立ち去る姿を見届けた後、空を見上げて脱力した。


『た、助かったぁ…。』

『死ぬかと思った…。』

『勝てねぇってあんなの…。』


 三人が三人戦いの感想と愚痴を溢した。


『なぁ…。』

『何だ?。』

『何?。』


 柘榴が落ち着いた声で塊陸と獅炎に話し掛けた。


『異神は…本当に俺達の敵なのか?。』

『………分かんねぇよ。俺達を殺さなかった。愛鈴様は敵じゃねぇと言った。』

『本当の敵を炙り出すとも言ってたな。』

『はぁ…何が何だか。俺達はどうすれば良いんだ?。これから?。』


 答えの分からない疑問と現状が彼等の頭上で混沌と渦巻いていた。

 

ーーー


ーーー基汐ーーー


 目を閉じる。暗闇。

 聴覚、触覚、嗅覚。それらの感覚を広げる。

 匂い、音、空気の動き…流れを身体全体で感じ取る。

 すると、暗闇の中に 光 を感じ始める。

 これが、【気】。

 生物が生まれながらに持つエーテルとは違うエネルギー。

 生命エネルギーが強い程、輝きは強く明るく感じる。


 よし。良い感じだ。


 更に集中。

 最初の頃と比べて格段に意識する空間を広げる時間が速くなってきたことを実感する。


 そして、知覚する。


 頭上。後方。数二十。

 強い気配の反応が俺に向かってきている。

 狙いは正確。対象の速度に合わせ、気配を探り観測と予測を瞬時にこなす。

 思考もある程度加速されているようで、実にゆっくりとした体感で行われる。


 急速に接近する気配を読み、僅かな動作で対象の軌道から外れる。それを繰り返す。

 一つ。二つ。三つ………。この時に身体は流れる流水をイメージ。決して無理のない体勢を維持し、次の動作の妨げを作らない。

 

『二十…。』


 最後の気配が身体を掠め過ぎ去っていった。


『っ!?。二十一!?。』


 今まで知覚できなかったもう一つの反応。

 既に目の前まで接近を許し、身体は硬直。


『わっぷ!?。』


 途端。勢い良く身体にのし掛かる軽い重み。

 彼女を認識し身体はそのまま倒れた。

 

『基汐~。やったね~。成功!。成功!。』

『ああ。やったな。紫音。』


 抱きついてきた紫音が胸の上で顔を埋める。

 俺の修行に付き合ってくれていた紫音。

 さっきの俺が避けた攻撃は遠くから放たれた紫音の隕石だった。

 

『紫音。手伝ってくれてありがとな。これなら、お爺さんに認めて貰えるかもしれないな!。』

『うん!。うん!。今の基汐!。完璧!。仙技マスターした!。』


 気を扱う方法。気を読む方法。気を纏う方法。

 良く良く考えると前世で閃が普段行っていた戦闘方法に似てるよな…。

 人族だった閃は気配を読むことに長けていた、相手の攻撃を見切って最小の動きで最大の攻撃を繰り出していた。

 あの頃から閃は仙技に近いモノをマスターしていたってことか?。

 人族の技能を他種族が扱えるしたもの。それが、恐らく仙技なのだろう。…と、俺は勝手に結論づけた。


『さて、そろそろ玖霧とお爺さんの元に戻るか。』

『うん。お腹空いた。』

『だな。もうすぐ日が沈むし、結局一日中修行してたなぁ。』

『でも、成果でた。』

『ああ。これでもっと強くなれたな!。』

『うん!。』


 荷物を片付け帰路につこうと歩き出した、その時だった。

 特訓によって自然と張り巡らされた俺のエーテルによる警戒網に突然、俺達以外の別の気配が引っ掛かった。


『基汐。敵。』

『ああ。みたいだな。それも、この感じは…。』


 地下競売で出会ったエーテル使いの比じゃない。

 圧倒的なまでの存在感。強大なエーテルの塊がすぐ近くにいる。


『よぉ。何でこんな場所に異神がいるんだ?。じじぃが住む、この渓谷によ?。』

『『っ!?。』』


 俺達を見下ろすように高い岩の上に立つ男。

 逆立つ髪。鍛え上げられた肉体。何よりも目立つ額の角と触角。その身に纏うエーテル。

 そして、俺達を敵と見定めている殺気。


『お前…神眷者、か?。』

『おうよ!。異神!。でよ?。俺の敵である異神が恩人の住んでいる場所にいる。それだけで、戦う理由は十分だしよ。もう始めて良いよな?。』

『いやいや、俺達は…。』

『問答をする気はねぇ。てめぇらが敵であることに変わらねぇ。てめぇらが何を言っても俺は何も信じねぇ。唯一の真実は異神と神眷者。戦う運命の同士ってことだけだ。』


 男は両手からエーテルを放出。

 エーテルは龍を模した形を作り出す。

 どうやら戦うしかなさそうだ。


『さぁ。始めようぜ。異神。………ああ。そうだな。名乗っておくか。赤国。武星天が頂点。神眷者。竜鬼族の紅陣だ。赤国の為、じじぃの為…そして、我が王の為に、てめぇらを殺すぜ!。さぁ。お前も名乗れよ。』

『………異神………いや、クロノ・フィリア。竜鬼神の基汐。どうやら、戦いは避けられそうにないみたいだな。仕方ないがやろうか。』


 やはり、あの特徴的な外見。

 俺と同じ種族か。


『紫音。待機していてくれ。ここは、俺が。』

『うん。頑張って。何かあれば助ける。』

『おうっ!。』


 前に出る。


『行くぜ。基汐。』

『ああ。来いよ。紅陣。』


 突発的に発生した異神と神眷者との戦いが始まった。

次回の投稿は20日の日曜日を予定しています。

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