第212話 美緑
私は美緑。
律夏という兄がいる。
私の記憶にお父さんはいない。
まだ物心つく前の記憶。
微かに覚えているお母さんの姿。昼間は寝ていて、夜になると綺麗な服に身を包んで出掛けて行く。そんな姿を少しだけ覚えている。
けど、はっきりと覚えている記憶もある。
お母さんは私に手を上げていた。
悲鳴にも近い声を上げて私の頬を叩く。幼い私でも理解できた。
ああ。この人は私が嫌いなんだ…。
あんまり記憶にないけど。兄さんに聞いた話だ。
身体の傷は日に日に増えていった。けど、幼い私にはその痛みすら受け入れて…違う。なすがまま。されるがまま。
それだけ、私は幼く無力な子供だったんだ。
その時の思い、心の傷だけが今も私の中に残っている。頬に感じた痛みも忘れたのに、あの時の心の痛みだけが…忘れられない。
親に嫌われているという気持ちだけが。
私をいつも守ってくれていたのが、たった一人の兄さん。
律夏兄さんはいつも私を庇ってくれた。
そして、いつも私よりボロボロになっていた。
けど、兄さんは泣かなかった。
一度も泣いているところを見たことがない。
何度叩かれても、何度も床を転がっても。
兄さんの瞳から強い意志が失われたことはなかった。
私と3つしか違わないのに。兄さんは大人顔負けに立派だった。
あの年で既に 自分 を持っていたんだ。
ある日、お母さんは帰って来なくなった。
何日も、何日も帰って来なかった。
私達の前から忽然と消えたんだ。
家に残っていた食べ物も底をついた。
どうしたら良いのか分からなくて、ただ、ただ兄さんを困らせたくなくて必死に空腹を我慢した。
途中から記憶が失くなって…気づいたら知らない場所。知らない天井、知らないベッド。知らない人達に囲まれていた。
隣を見ると兄さんもベッドで寝ていた。
兎に角、周囲が真っ白だったことを覚えている。
そう。私達兄妹は病院へと運ばれたんだ。
知らない大人の人に難しい話をされたのを覚えている。
これからどうしたい?。
長い会話、説明の中でその言葉の意味だけは理解できた。
だから、私は…。
『お兄ちゃんと一緒にいたい。』
そう。答えた。
それから、私と兄さんは 施設 に預けられた。
周囲は私達のように特別な理由で両親がいない、もしくは、離れ離れになってしまった子供達ばかりだった。
『お兄ちゃん…お母さんは?。』
『………もう、いない。なぁ。美緑。』
『うん?。』
『お前は、俺が守るから…。親がいなくてもお兄ちゃんと一緒にいような。ずっとだ。お前が俺を必要としなくなるまで…ずっと一緒にいよう。』
『うん!。』
兄さんだけは私の味方。
どんな時でも助けてくれるヒーローだ。
兄さんは私だけでなく、施設にいた子達全員のお兄ちゃんだった。
皆をまとめ上げて助けてくれるリーダー。
幼いながらも兄さんの存在は誇らしかった。同時に兄さんの役に立ちたいとも思った。
必死に兄さんについていった。兄さんのやっていることと同じことをした。
失敗ばかりで怪我も沢山した。けど、兄さんは怒らなかった。それよりも褒めてくれた。
私はそんな兄さんが大好きだった。
施設の生活が暫く続いた頃。
私にもう一人の兄さんが出来た。
名前は涼さん。兄さんと年齢が同じこともあってか2人は親友のような関係になった。
私は2人の兄さんの後をついて回ることが日常だった。
今思うと、かなりべったりだったと思う。
恥ずかしいけど、楽しかった日々が続いた。
それから1年後。
私と兄さんはとある夫婦に引き取られることになりました。
その夫婦とは、顔も知らない私と兄さんの父親の両親。つまりは、私のおじいちゃんとおばあちゃんです。
2人と初めて会った時、兄さんを見て2人は泣いていました。死んだ息子のそっくりだと。
話を聞くと、私が生まれてすぐに私の父は事故で亡くなってしまったんだそうです。
それは亡くなった時期と私の年齢で逆算したようです。私の誕生日は兄さんが覚えていたので。
そんな話、お母さんは教えてくれませんでした。
父と母は駆け落ちのような形で姿をくらましたらしく。祖父母方は、ずっと探していたらしいのです。
駆け落ちした理由は、母の両親が執拗に反対したことが原因らしいです。
父の事故は、かなり大きな事故だった為、ニュースで取り上げられ詳細を知った祖父母は父の葬儀に駆け付けることが出来たそうです。
が、やっと再会した父は変わり果てた姿だったそうで…2人して泣いたと言っていました。
しかし、父の死の後も、母は祖父母の前には現れなかったそうで…子供、私と兄さんがいることも知らなかったそうです。
知る切っ掛けとなったのは、1年程前に祖父母宛に届いた一通の手紙。
その手紙には、母からで。私達の存在と居場所のみが書かれていたと。
祖父母は手紙に書いてあったマンションへ急いで向かいました。が、既に餓死寸前の状態だった私達は大家さんに発見されて病院へ運ばれた後だったそうです。
それから、必死に私達を探して半年後やっと私達を施設で見つけたと言っていました。きっと色々な手続きなどがあったんでしょう。私達には分からない苦労も。
お祖父さんとお祖母さんに初めて出会った時の2人の安堵した表情を今でも覚えています。
それから、2人は私達を自分達の家に引き取り自分の子供のように育ててくれました。
施設を出る時、涼さんとはお別れになってしまいました。凄く残念でしたが。涼さんは別れ際に、私の幸せを願っていると言って笑って送り出してくれました。
今までの生活が嘘のように私達の日常は変化しました。
毎日、お腹いっぱい食べられる。可愛い服を着られる。欲しい玩具も買って貰える生活。
何よりも、おじいちゃんとおばあちゃんが私と兄さんを大切に想ってくれていることが分かったのが凄く嬉しかったです。
両親から貰えなかった愛情を2人は私と兄さんに沢山与えてくれたのです。
兄さんも喜んでいました。
数日後、失踪していた母が遺体で発見されるまでは…。
結局、母が何を考えていたのか…私には分かりませんでした。
兄さんは母のことは忘れろと言っていました。私にとっては辛い記憶でしかない母との思い出。いつしか、心の奥底に仕舞い込んでいました。
ですが、母の死を知り。兄さんは少し変わっていきました。
優しさは以前のまま。けど、自分と私のことを率先してやるようになったのです。
洗濯から始まり、部屋の掃除。私に勉強を教えてくれるのもいつの兄さんでした。
バイトが出来る年齢になると、掛け持ちを始め。学費まで払うようになって…。
そんな兄さんを見ていた私。
恥ずかしいことに、私には友人と呼べる存在はいませんでした。
学校のクラスには馴染めず、ずっと本だけを読んで過ごす。そんな生徒でした。
私は兄さんに甘えすぎている。
施設の時も、どんな時も兄さんが架け橋になってくれた。そのことを自覚してしまいました。
自分一人じゃ何も出来ない。それを自覚した瞬間、絶望にも似た感覚に襲われました。
このままじゃ…駄目だ。そう思った私でした。…が。現実は思うように上手くいきません。
クラスメートに話をすることも出来ず、全ての行動が裏目に出てしまう。何をしても、結局孤独。状況は変わりませんでした。
成長したいのに、やり方が分からない。
どうすれば、友達が出来るのか…。
既に形成されらコミュニティーに入ることの難しさを痛感してしまい。途方に暮れていたのです…。
けれど、兄さんに隠し事など出来る訳もなく、そんな考えは容易く見抜いてしまいました。
ある日、兄さんはとあるゲームを買ってくれたのです。
ゲーム【エンパシス・ウィザメント】。
現在、世界で人気を博していたMMORPG。
ゲームを殆どしたことのない私でも知っていた大人気ゲームです。
これで、友達を作ろうと言ってくれた兄さん。
私の肩を押してくれた兄さん。
ゲームの中で兄さんはサポートに徹し、私自身の力で仲間を集め、ギルドを設立するように促した。
最初は何も出来なかった私は少しずつゲームに慣れていき、仲間を増やし、ギルドを立ち上げ、そして…ギルドマスターになった。
気付けば私の周りには友達が沢山いた。
ゲームを通じて知り合った仲間が。
そして…。
『今日こそ、クティナを倒しましょう!。皆さん!。』
もう、私は独りではありませんでした。
『ああ。お前なら…いや、俺達なら出来るさ。』
兄さん…。
『ええ。美緑ちゃん。皆で力を合わせましょう。私達なら絶対出来ますよ!。』
砂羅…。
『おう!。安心しろって。姫さんは俺が守ってやるからよ!。泥舟に乗った気でいろって。』
獏豊…。
『馬鹿が。それでは沈んでしまうだろうが!。安心して下さい!。美緑様!。そこの馬鹿とは違い私が貴女をお守りしますから!。そして…無事にクリアした後は、いっぱい抱き締めさせて下さい!。』
空苗…。
『はは…。欲望が駄々漏れだよ…。空苗姉…。』
累紅…。
『そうだね~。まぁ、俺達らしくて良いんじゃない?。戦闘前だけど、俺はこういう雰囲気嫌いじゃないよ~。』
多言…。
『しかし、気は引き締めていろ。攻略チームが残してくれた攻略方法。軽い気持ちで挑めばいつもと同じ結果だぞ?。』
徳是苦…。
『ひひ。大丈夫ですよ。何度も連携の練習をしたではありませんか!。それに私達の後ろには美緑様がいるのです!。これ程心強いことはありませんよ!。』
端骨…。
『ええ。支援は任せてください!。皆さん…行きましょう!。』
ゲームを通じて成長できた。
所詮は遊びと言われるかもしれないけど…私にとっては人生を変える切っ掛けになったのだ。
ーーー
『兄さん!。』
迫る刀を硬質化した木々の根を使って防ぐ。
刀と根が衝突したことで周囲に火花が散った。
『ほぉ…。なかなか、やる。我が刀と同等の硬化を植物へ与えるとは。』
『止めて。下さい。兄さん!。私です!。美緑です!。』
私は叫んだ。
けど、どんなに兄さんへ呼び掛けても届きはしなかった。
『なぁ。兄さん。兄さん。って。もしかして、前世の知り合い?。もしくは、兄妹だったんじゃねぇか?。』
『知らん。俺が妹と呼ぶのは世界で一人だけだ。断じて異神などではない!。』
『っ!?。』
『ははは。だよな。異神よりも、今の家族の方が大事だよな!。なら、遠慮はいらねぇよな!。』
獏豊が突進。
身の丈よりも長い鉾を軽々と振り回し光歌さんへと斬り掛かる。
『ちょっ!?。コイツ、こんなに強かったの!?。噂しか聞いたこと無かったのに?。』
『噂?。どんなだよ!。興味あるぜ?。』
遠心力を利用し更に加速する鉾の尖端を紙一重で躱す光歌さん。
『雑魚って話よ!。』
『へぇ。心外だわ。それ。』
高速で移動する光歌さんに対し、軽々と動きに対応し遂にはその足を掴んだ。
『っ!?。離しなさいよ!。』
『ああ。良いぜ。叩きつけた後でな!。っ!?』
大きく振りかぶり光歌さんを地面へ叩きつけようとする獏豊に雷の咆哮が襲う。
『あぶねぇな。びっくりして思わず離しちまった。』
『俺の攻撃も軽く避けるのか。』
『へぇ。神獣…ねぇ。面白ぇ。相手になってやるよ!。』
獏豊…。ゲーム時代、仮想世界から変わらない戦闘スタイル。鉾を主体に白兵戦を得意とする肉体派。
同じ戦闘スタイルだけど…あの強さは…いったい…。明らかに仮想世界の時より強化されている。
『余所見している暇はないぞ?。』
『っ!?。』
斬撃を辛うじて躱し葉っぱを刃に変えて迎撃。
『遅い!。』
見えない剣筋。
刃となった葉を一瞬で全て打ち落とした。
兄さんもだ。仮想世界とは比べ物にならないくらい強くなってる。
『はっ!。』
『くっ!。』
手のひらサイズの私。
けど、兄さんは的確に私の首を狙って斬りつけてくる。
周囲に根や茎を集め斬撃を防御しながら距離を取る。
『行って!。』
樹木を独立させ、兵隊とし行使する。
使い魔となった6体の木々は根を足に枝を手のように使い兄さんへと襲い掛かった。
『ほぉ。女王と似たことまで出来るのか。だが、心が揺れているぞ?。もっとエーテルを練らねば傀儡など人形遊びにしかなるまい。はっ!。』
『っ!?。そんな…一撃で…。』
斬撃一閃。
一振で6体の使い魔は斬り裂かれた。
『異神がこの程度だったとはな。肩透かしだ。』
追い詰められ、背中に幹が当たる。
眼前に刀の切っ先が突き付けられた。
『兄さん…。私は…美緑です…。兄さんの妹の…忘れてしまいましたか?。』
『美緑?。知らんな。俺の妹は世界でただ1人だ。断じてお前ではない。』
『っ!。』
はっきりと、大きな声で言われた一言。
妹ではないと…。
胸が締め付けられるような感覚と、頬を涙が伝い、流れ落ちるのを感じました。
『トドメだ。異界の神よ!。消えろ!。』
振り下ろされた刀。
けれど、刀は私に当たることはありませんでした。
『ちっ。あと少しのところで。』
悔しそうに歯を噛み締める兄さん。
刀を引き、天を見上げて怒っている。
『女王よ。何故だ?。もう勝負はつく。異神を倒せるのだぞ?。………。………。くっ。了解した。』
刀を鞘に納め背中を見せる兄さん。
『命拾いしたな異神よ。次こそはその首を取らせて貰う。』
そのまま木々の中に姿を消した兄さん。
『に、兄さん…。』
私は…その場で泣き崩れた。
ーーー
ーーー八雲ーーー
『見つけた。』
私の神さまに忌まわしい弾丸を撃ち込みやがった奴が!。
まぁ。落ちた神さまの腕は私が回収したけど…えへへ、宝物にしよー。
『っ!。』
『しねぇぇぇぇぇえええええ!。』
『きゃっ!?。っと、危ないわね!。』
『ちっ!。避けやがった!。』
スナイパーライフルを持った軍服姿の女。
『こんな遠くから私の神さまを狙い撃ちやがって許せねぇ!。』
神さまのいた場所から実に1キロは離れている。この位置からピンポイントで神さまを狙ったのか…。
『はぁ。どうやら、私の相手は君のようだな。装備を見たところ青国の者か?。』
『違う!。神さまの物だ!。』
『何か絶対意味が違くない?。もう、訳の分からない娘!。まぁ。良い。やるんだろ?。』
『当たり前だ!。お前は絶対私が殺す!。』
魔力の刃を両腕に出現させ女に斬り掛かる。
女はどう見ても遠距離攻撃を主体にしている接近戦はどうか。
『甘いっ!。』
『っ!。』
ライフルを持った腕で私の腕を絡め取り、身体を捻り勢いを殺さずに地面に叩き付けられた。
『ぐあっ!。』
背中に衝撃を受け、一瞬呼吸が出来なくなる。
霞む視界が捉えたのは真っ黒な銃口。
『呆気ない。』
『!?。』
倒れた私の片腕と胴を足で押さえつけられ、後頭部にライフルの先端が向けられた。
瞬間。躊躇なく引き金が引かれ弾丸が発射される。
『へぇ。良い判断ね。その両腕の機械の魔力噴射で無理矢理拘束を振りほどくなんて。』
『………。』
空中に緊急避難に成功した。
今の一連の動作だけで分かってしまう。
コイツ…強い…。
ーーーラディガルーーー
緑国の男。獏豊と言ったか?。
何者だ?。普通の仮想世界の住人だった筈だよな?。なのに、主様達が使う肉体強化以上に身体が強化されてやがる。
『おらっ!。もっとスピードを上げるぜ?。』
巧みに鉾の回転を操り、連続で攻撃をしてくる獏豊。鉾の扱いも然ることながら、身のこなしから体術に至るまで全てが高水準に纏まっている。
『てめっ!。』
俺の雷撃も鉾の回転で防がれ、距離を詰められる。爪と牙で仕留めに掛かるも、容易く見抜かれ鉾でいなされる。
『硬ぇ。爪だな。俺の鉾と打ち合えるなんてな!。』
『うるせぇ!。はっ!。』
『おっと。あぶねぇ。雷を使った牽制ね。大した威力は無いが一時的に硬直しちまう。厄介だわ。それ。』
俺の雷が来ると見るや、すぐに効果範囲外に移動しやがる。技を見切る速さも尋常じゃねぇ。
『ラディガル!。』
『っ!。』
光歌の声に反応し攻撃のタイミングを合わせる。俺と光歌の爪を使った上下左右の連続攻撃。光歌の爪は風圧だけでも物体を斬り裂くことが出来る。
『速いな。けどな。』
『っ!?。』
『マジ…。』
鉾を手放した獏豊。
両手で俺達の腕を取り、爪の攻撃を防ぐ。
『ほら。止まってて良いのか?。』
『っ!?。あがっ!?。』
『ぐっあ!?。』
空中で体勢の崩れた俺達は獏豊の回し蹴りで2人重なったまま吹き飛ばされた。
『う~ん。お前等、本当に異神か?。もっと強いって聞いてたんだがな?。こんなもんなのか?。』
鉾を手に取り俺達を見下ろす獏豊。
強い。どういう理屈か。全身から溢れているエーテルが信じられない濃度に高められている。これじゃあ。まるで…自然界そのものだ。
尽きることのないエーテルを利用して自身の潜在能力の全てを引き出している。普段無意識で制御している部分すら解放されているんだ。
主様達でいう常に神化している状態。
本来なら神でしか有り得ない現象をコイツ等は使っている。
しかも、地の利は明らかにコイツ等にある。
何せ、こっちの準備途中に万全の状態で攻めてきているんだ。
どうする。
光歌だけでも逃がすか?。俺が囮になれば光歌だけなら。
『獏豊。』
『っ!?。』
援軍?。このタイミングで?。
『ん?。ああ、律夏か?。そっちは終わったのか?。』
『いや、残念だが時間切れだ。女王直々の撤退命令だ。戻るぞ。』
『へぇ。顔合わせだけが目的ってか?。軍師様の考えは良く分からねぇな。まぁ良いや。おう。そこの2人。今度は全力でやろうや。… 互い にな。』
『………。』
『………。』
その言葉を残し獏豊は姿を消した。
『お疲れ様。ラディガル。ごめん。本気を出さず様子見なんて命令を出して。』
『いや、大丈夫だ。確かに手の内を見せるべき時ではなかった。奴も、あれだけの力を持ちながら本気ではなかったし…良い判断だったと思う。』
『ありがと。連中、とんでもないドーピングをしてたわ…。閃と合流したいけど。何処にいるか分からないし…一先ず、美緑と合流するわよ。あの娘…今頃泣いてるわ。』
俺と光歌が見つけた時、美緑は静かに泣いていた。
次回の投稿は16日の木曜日を予定しています。