第198話 憧厳
ーーー兎針ーーー
【人型偽神】
人工的に創られた偽りの神。
その成功作が1体、憧厳。
細く長い手足、身体を持っていた彼は、【人族】のみが操ることの出来る【人功気】を使用し筋肉隆々の巨体へと姿を変えた。
分厚い筋肉で覆われた肉体が高速で移動。
私の腰よりも太い腕を振り抜いた。空気を切り裂き、発生させた風圧でさえ硬く重いコンクリートですら軽々と粉砕するのだ。
『ははは!。すげぇだろ!。この力!。』
『暑苦しいです。』
まともに食らえば、【異神】となった私ですらただでは済まないでしょう。
元々、打撃系の攻撃には弱い種族である【昆虫】系統の私には異常な怪力を振り回す筋肉ダルマの攻撃は避けるしかありません。
『ちぃ!。ちょこまかと!。逃げやがって!。』
『逃げるのは当たり前です!。蝶達よ!。行きなさい!。』
無数の蝶を操り迎撃。
彼を取り囲むように展開し視界を塞ぎ行動を阻害する。
私の蝶では彼に直接的なダメージを与えられない。
『何だぁ?。このヒラヒラしてんのは?。蝶?。』
『刺しなさい!。』
『ん?。これぁ?。』
『っ!?。』
私の、蝶の針が刺さらない!?。
何て硬い皮膚と筋肉。鋼鉄か何かですか?。
『何かをしようとしているな。皮膚の表面にチクチクと…針?。毒でも刺そうとしてんのか?。ははは。無駄だな。俺の身体は硬質化した筋肉の鎧だ。そんなショボい虫の針なんざ刺さんねぇよ。』
『くっ!。戻って。』
針が刺さらないのなら毒を注入して彼を操作することが出来ない。
私の攻撃手段が限られてしまう。
『ほぉら。考え事か?。』
『っ!?。』
速い。一瞬で私の間合いへ入られた。
鋭く放たれた拳。羽を広げ後方に飛んで躱す。
『くっ!?。』
この拳…いえ、彼の動きそのもののスピードが徐々に上がってる?。
僅かずつ、回避する私に接近されて…。
『このスピードでも躱すのか?。ならよぉ。もうちっと速く行くぜ?。』
『はやっ!?。』
回避の為に後方に飛んでいる私に追い付く速さ。まだ、速度が上がるのですか!?。
『ほぉら!。ちゃんと防がねぇと死んじまうぞ?。らっ!。』
『ぐあっ!。』
振り下ろされる彼の拳が私の腹部に命中。
な、なんて…力…っ!?。
地面に叩きつけられた私を中心に地面が抉れ、沈んだ。
『はぁ…はぁ…。うぐっ…。はぁ…。はぁ…。』
『よぉ。てめぇは虫系統の種族だろ?。潰されて死ぬのが相応しくねぇか?。』
倒れている私を見下ろしている彼。
『ぐっ…虫なのは…正解ですが…はぁ…死ぬ気は…ありません…はぁ…よ!。』
『へっ。呼吸もままならねぇ状態で、まだ減らず口をたたけるたぁ立派だがな。強がりは次の一撃を受けきってからにしな。』
『っ!。』
彼の右手に全身の【人功気】と呼ばれていたエネルギーが集まっていく。その密度と強大さに周囲が震えている。
これは…マズイですね…。
私の【黒針蝶】の針が通らない程硬い肉体の時点で私の攻撃手段は限られている。なのに、彼自身の攻撃力の高さ。単純な肉体強化がここまで発揮されるなんて…。
『さぁて。気が溜まった。覚悟は出来たか?。』
『さぁ?。どうでしょうね?。』
『まぁ。わりぃが、てめぇの都合は関係無ぇんだわ。お前を俺の力で殺すことに意味があるんでな。とっととくたばってくれやっ!。』
『っ!。』
振り下ろされる拳。
だが、それは同時に起こった。
彼の顔に横からボーリングの玉くらいの大きさのコンクリートの塊が当たり粉々に砕けたのだ。
『なぁ。さっきからよぉ?。意味がねぇって理解できねぇか?。』
『五月蝿い!。ウチはウチに出来ることをしているだけだしっ!。』
駄肉?。
見ると、詩那が両手に石やコンクリートを持って構えていた。投擲のポーズで。
『さっきから、ちょこちょこと石とか投げて来やがって。俺に通じていないことくらい分かんだろ?。今のだって俺に傷1つつけられてねぇ。正直、うぜぇんだよ!。』
『そんなこと分かってるわ!。馬鹿!。けどね!。大切な友達がピンチなんだ!。なら、自分の全力で出来ることをするしかないだろっ!。』
『はぁ…お前よ。コイツがお前を守ろうとしながら戦っていたの分かんだろ?。常にお前の前に移動しながら俺にお前を標的にさせないように動いてたんだぜ?。それなのに横からペチペチと石投げやがって。』
『そんなこと気づいてんだよ!。兎針が私を守ってくれてんのなんて!。けど、今何もしなければ兎針が死んじゃうかもしれないんだ!。友達を守るなら命ぐらい賭けてやる!。』
詩那…。
『【神力】…発動…。【詩那の元に】…。』
『何?。女の身体が?。』
私の全身が無数の蝶へと変化し憧厳の元から離れていく。
そして、詩那の元に舞い降りた。
『まったく。貴女は仕方のない人ですね。駄肉。』
『五月蝿い!。死にかけ。身体ボロボロのクセにイキんな。』
詩那が私の身体に触れる。
彼女の温もりが魔力と共に私の中に流れて来る。そして、詩那の手が私から離れた瞬間、急速に肉体の傷と疲労が回復していった。
成程…私の自己治癒力を強化したのですね。詩那が言っていた魔力を通したモノが身体から離れた時に強化するとはこういうことでしたか。
先程の詩那が投げていた石もそうです。
普通に投げられた石が物凄い速度で憧厳に当たっていました。
強化された彼には通用していませんでしたが、普通に厚い鉄板やコンクリートの壁くらいなら貫通する威力ですよ。
『兎針。何か手はある?。』
名前を呼んでくれる詩那。
何故か、それが無償に嬉しく感じます。
『いいえ。私の蝶の針が刺さらないとなると打つ手無しです。せめて、彼が何らかの傷を負ってくれれば手はあるのですが。』
『そう。なら。ウチの力を貸すよ。手を貸して。』
『ん?。』
握られる手。
柔らかいですね。スベスベで…。綺麗な手です。
そして、流れ込んでくる大量の魔力が私の全身を駆け巡る。
『うしっ!。終わり!。ウチの魔力全部渡したからねっ!。』
『はい。確かに受け取りました。ありがとうございます。詩那。』
『っ!?。うっさい。急に名前で呼ぶなし。照れるわっ!。』
『ふふ。おあいこです。行きますよ。私達であの方に勝ちましょう!。』
『うん!。』
2人の魔力が融合し1つに。
『おお…。マジみてぇだな?。良いぜ!。受けてたってやらぁ!。』
『【神力】発動。結果は【対象者、憧厳に我が黒針蝶の毒針を刺し身体を我が支配下におく】ですっ!。』
【神力】を発言。
神の定めた 結果 に世界が応える。
【黒羽針蝶族】の神が指し示した未来へ向かう為、無数の蝶達が応えた。
数え切れない蝶達の群れは1つとなり。1体の巨大な…10メートルを優に越える大きさの蝶へと合体した。
『でけぇ!?。何だぁ?。虫の化け物かぁ!?。』
『私達の力を合わせた切り札です!。覚悟してください!。』
『けっ!。デカイだけってことは良くあることだぜぇ!。来やがれ!。』
『行きなさいっ!。』
憧厳へと飛び掛かる巨大な蝶。
対峙する憧厳は、その突進を真正面から受け止めた。
『ぐおぉぉぉぉぉおおおおお!!!。』
気の放出を高め、更に太く膨張する筋肉。
巨大な蝶と単純な力比べで互角に渡り合う。
『ははは!。確かに、強えぇ、がっ!。…俺には及ばねぇよっ!。はぁぁぁぁぁあああああ!!!。』
しかし、徐々に憧厳には余裕が表れ。
『なっ!?。押し負け…。』
『らぁぁぁぁぁあああああっ!!!。』
強烈なアッパーが蝶の身体を引き裂いた。
『そんな…ウチ達の…切り札…。』
落胆する詩那。
そんな顔をしないでください。私にはまだ 奥の手 があります。
『ははは!。やっぱ。デカイだけじゃねぇか!。』
『まだです!。分散っ!。』
巨大な1体の蝶の身体が分裂し大量の蝶の大群へと姿を変えた。憧厳の周囲を埋め尽くし視界と行動を遮る。
『うぜぇ!。』
蝶達を払い除けようと腕を上げた一瞬の隙。
私は全てのエーテルと詩那から受け取った魔力を右手に集めて憧厳の横腹に突き刺した。所謂、貫手というヤツです。
『ぐあっ…。』
痛い…。けど…。やった。
鋼鉄を誇る彼の皮膚と筋肉。私の全力は指4本を犠牲に、薬指が僅かに彼の身体に傷をつけた。
私の爪から分泌する毒は操る蝶達の10倍近く強力。爪で少しでも傷をつけることが出来れば、分泌された毒によって即座に全身の自由を奪い、毒は脳へと侵食し私の対象を私のコントロール下におくことが出来る。
『これで…終わりです…』
右手は全ての指が複雑に折れ曲がり痛み以外を感じません。動かすと更に激痛が走りますし、少々…無茶をしました。
『兎針!。』
『えっ!?。うぎっ!?。』
油断ですね。
勝利を確信した瞬間、無防備な私の首を掴んだ太い腕。そのまま持ち上げられた。
『そこにいたか。捕まえたぜ。』
そんな…馬鹿な…。
毒は間違いなく注入出来た筈なのに!?。
今も尚、自らの意思で動いている憧厳。
彼の身体をコントロールしようと念じても、体内に送り込んだ私のエーテルが反応しない?。
『ん?。このピリピリする感じ…はぁん。お前、もしかして俺を操ろうとしたのか?。残念だが、俺に…いや、俺達には精神や肉体操作系の能力は通じないぜ?。』
『うぐっ!?。な…ぜ…。』
首を絞められ呼吸が…苦しい…。
『頭の此処んところによ。アイツ等、変な機械を埋め込みやがってよ。その機械のせいで俺達はアイツ等に逆らえねぇのよ。』
自分の額のところを指差す憧厳。
アイツ等とは、あのコートの男達のことですね…。
『つまりよ。もう操られてんのよ。俺達は。だから、上書きは出来ねぇ。残念だったな。』
『あがぁっ!。』
更に強く絞められる。
い、意識が…。
『ウチの友達を放せっ!。』
詩那…。
詩那が必死に憧厳しがみつく。もちろん、詩那の力じゃ憧厳はビクともしない。
『はぁ…。うぜぇな。いい加減諦めろ。俺の目的は【異神】を殺すことだ。お前に用はねぇ。』
『ウチの友達を勝手に殺すなっ!。ウチと戦え!。』
『わりぃがそれは出来ねぇ相談だ。俺は【人族】を傷付けねぇて決めてんだ。お前は【人族】だろ?。だから、お前がいくら俺に攻撃しようと俺から攻撃することはねぇ。』
『何でさ!。何で兎針ばっかり!。』
『……………。』
余裕を見せていた憧厳の表情が真剣なモノへと変わる。
『俺はな。ただ守りたかったんだ。』
『え?。』
『俺の故郷はここから更に西に行った場所にある海沿いの隠れ里でな。海に面していたせいか【人族】を狙った他国の奴等の襲撃が後を絶たなくてな。毎日、毎日、奴等の襲撃の怯える毎日だった。』
『………。』
『そんな日々の中。ある日、一人の男…まぁ、さっきいたコートの男だ。名前をイグハーレンって言ってよ。そいつに持ちかけられたのよ。【人族】を仲間を守る力が欲しくねぇかってな。俺は奴の口車に乗った。いや、乗るしかなかった。仲間を守りたかった。どんな手を使ってもな。』
暗い表情から読み取れる。
彼は過ちを犯したのだと。
『この力を手に入れるには生け贄が必要だった。同族の血がな。そして、奴等に俺は、頭の中に機械を埋め込まれちまった。そこからは奴等の操り人形よ。この力を手にした後の最初の命令は俺の隠れ里にいる【人族】…つまり、「仲間達を蹂躙せよ」だ。身体は操られてんだが、意識は残っていてよ。仲間達が俺の手でバラバラにされていくのを俺は黙って見ているしかなかった…。体よく都合の良い実験台にされちまったって訳さ。俺も俺の里の連中も。』
『じゃあ…何で、【異神】を殺すのに全力なのさ?。』
『俺は奴等に逆らえねぇ。だから、仲間達を犠牲にしてまで手に入れた この力 を証明したいのよ。お前達を犠牲にしてまで手に入れた力は神の領域に届いたぞってな。』
『そんなこと…。』
『ああ。ただの自己満足さ。俺の肉体は強くなったが心は弱ぇからな。自暴自棄にならない為に何か理由付けしたかっただけだ。……………そうでもしねぇとアイツ等がうかばれねぇからよ…。無意味に死んでいった仲間達だ。操られていた俺が死んでいったアイツ等に出来るのは、アイツ等の死に理由をつけてやる。それくらいだった。』
『うがぁっ…うぐっ…。』
『や、やめろっ!。兎針!。放せ!。放せ!。放せぇぇぇえええええ!!!。』
『俺がこの力で【異神】を殺せば、アイツ等が死んだことに意味が与えられる。お前達の死は無駄じゃなかったんだってよ。だが…もし、この力を使っても【異神】を倒せないなら…本当にアイツ等の死が無意味に…無駄死にになっちまう。だからよぉ。蝶の女。俺の我が儘の為に死んでくれ。』
再び絞めつけられる首。
痛い。苦しい。痛い。苦しい。
力が…。意識が………このままじゃ……死ぬ。
『ん?。おいおい。マジか?。』
突然、憧厳の動きが止まる。
そして、掴んでいた私を放した。
『げほっ!。げほっ!。はぁ…はぁ…うっ!。げほっ!。』
酸素を求めて荒くなる呼吸。
『兎針!。大丈夫!。』
『は…はぃ…。』
私に駆け寄ってくる詩那に支えられ立ち上がる。
『ちっ!。』
溜め息をする憧厳。
『どうやら、時間切れみたいだわ。』
『何の話よ?。』
『どうやら彼方さん。焦れったくなっちまったらしい。俺の機械に…ぐっ…命令…うぐっ…してきやがった。おい。そこの金髪。』
『え?。ウチ?。』
『ああ。俺はお前を傷付けたくねぇ。うがっ…。くそ…いてぇ。だから、そこの【異神】を置いて逃げろ。』
『嫌だ!。友達を置いて逃げられるわけねぇだろ!。何度も言わすな!。』
『ははは。だろうな。そう言うと思った。けどな。逃げなかったこと後悔するなよ?。うっ…。俺はこれから暴走する。お前達を殺すためだけの存在になる…。だから…。出来れば…死ぬな…よ。』
頭を抱え痛みに耐えているような素振りを見せる憧厳。
次の瞬間…。
『がぁぁぁぁぁああああああああああ!!!。』
強大な気の放出。
全身から迸る【人功気】が周囲の全てを吹き飛ばした。
憧厳の全身を覆う筋肉が更に膨れ上がり身長も一回り大きく変化した。
『がぁぁぁぁぁああああああああああ!!!。』
地面を踏みしめ抉り、足跡を残しながら突っ込んで来る。
『うっ…詩那…。』
まだ…身体が上手く動かない。
私にはわかる。今の憧厳は詩那さへも攻撃対象にしている。
『がぁぁぁぁぁああああああああああ!!!。』
『兎針!?。』
私は詩那を庇った。
背中を襲う衝撃。巨大な拳が背中にめり込んだ。メキメキと骨が折れる音。込み上げる血液が口から噴き出した。
『がぁぁぁぁぁあああああ!!!。』
憧厳はそのまま私の羽を掴み私の身体を振り回す。抵抗の出来ない私の身体は地面に何度も叩きつけられた。
『あがっ!?。いぎっ!?。』
何度も…何度も…何度も…。
もう自分がどういう状態なのかも分からない。
遂には、掴まれていた羽が根元から千切れ私の身体は振り回されていた遠心力で飛ばされた。
『兎針!。兎針!。』
視界が回る。世界が回る。
耳鳴りが酷い…。呼吸も…出来ない…。苦しい。頭も…身体も…背中も…痛い。
唯一分かるのは、そんなボロボロの私の身体を詩那が抱きしめてくれていることだけ。
『がぁぁぁぁぁあああああ!。』
『ぐっ!。兎針!。あがぁっ!。』
再び身体が飛んだ。
何度か跳ねて地面を転がる。けど、痛くはなかった。きっと、詩那が抱きしめ続けてくれたから。
『がはっ!。兎針…ごめ…ウ…ウチじゃ…守れ…ないよ…。』
きっと、詩那も殴られたんだ。
私はもう指一本動かせない。詩那が寄り添うように抱きしめる腕に力無い力を込めてくる。
『詩、那…。』
『兎…針。…。』
『がぁぁぁぁぁああああああああああ!!!。』
追い討ちとばかりに拳を振り上げる憧厳。
目は見えなくても触角で周囲の状況が分かってしまう。
あの拳が振り下ろされたら間違いなく死にますね…。
『先輩…。』
『閃さん…。』
ああ。考えることも同じですか…。
無意識に出した言葉。頭に浮かべた人物の顔まで同じ…。
『『助けて…。』』
『ああ。助けるよ。』
え?。誰?。
閃さんじゃない。男性の声。
『お、じさ…ん。誰?。』
詩那も反応してる。
聞き覚えの無い声に頭を上げた。
『閃君も随分手こずってるみたいだからね。まだ、ここには駆けつけられそうにないんだ。だから、こんな、おじさんで悪いけど手を貸すよ。』
『あ…なた…は…。』
『君達が閃君を信頼しているのが分かったからね。良く頑張った。もう君達を危ない目には合わせないからね。休んでいて。』
その男性の顔には見覚えがあった。
何度も手配書で見た顔だ。そう。私達の敵だった人…。閃さんの仲間で…クロノ・フィリアのリーダー…だった。
『がぁぁぁぁぁああああああああああ!!!。がぁぁぁぁぁああああああああああ!!!。』
『無駄だよ。空間ごと固定してるからね。肉体の力だけでは、その拘束は外れない。』
見ると、憧厳の両手両足がその場に張り付けられたように動けなくなっている。
暴れる憧厳。けど、どんなに身体を捩っても引っ張っても、前後に振っても拘束が解けることはなかった。
『君とは縁も所縁もないけれど、僕の友であり、仲間であり、家族である閃君が認めた娘達を守るため。一度だけ君と運命を交わろう。』
彼の、周囲の空間が歪んでいく。
『【虚空間神】。無凱だ。偽りの神。その力が僕達に、【異神】に本当に通じるかどうか試してみるが良い。』
次回の投稿は28日の木曜日を予定しています。