第1話 世界が侵食されて
俺たちの生活は、世界中で人気を博していたゲーム【エンパシス・ウィザメント】の裏ボスを倒し、ゲームを攻略したことで、突如として発生した事件によって破壊されてしまっていた。
それは、ゲーム内で使用していたアバターの特徴を含めたデータが現実世界のプレイヤーだった者たちの身体に反映したというモノだった。
つまり、世界中で大量の能力者が発生したということ。
その事件発生から現在、2年の月日が流れた。
そして、当然その間に世界は大きな変化と混乱に陥ることとなってしまった。
突然、ゲーム内で使用していた姿の特徴と強力な能力を手に入れてしまった者たちにより能力を利用した大小様々な事件が引き起こされる。
それに伴い各国は多発する数多の事件の鎮静化を謀るために軍や自警団を出動させた。
だか、能力を得た者たちは国の所有する軍事力を圧倒的に上回る戦闘能力を持ち、悉くこれを撃破。
やがて、自分たちを制することが出来る者がいなくなったという事実に気付いた能力者たちによる世界支配が行われることとなった。
そして、現在。日本という国だった場所は、エンパシス・ウィザメントのゲーム内における日本サーバーで活躍していた6つの強大な勢力が互いに牽制し合った状態で各地を各々のテリトリーとして6つに分断された状態で支配されている。
彼等は【六大ギルド】と呼ばれる大手ギルド。
・【白聖連団】
己たちが掲げる【永久なる世界平和】を見定めた法の元に行動する騎士団。
自分たちが作り出した【法】に対し【悪】と定めた【対象】を排除するという行動理念で動いている組織だ。
また、ゲーム時代には最も多くラスボスを倒したギルドであり構成員の幹部、主要メンバーのレベルは全員が限界突破した【レベル120】であり事実上、日本最強のギルドになっている。
能力者となったプレイヤーたちが各地で起こしていた事件を、能力者との抗争で疲弊していた国と協力し沈静化に成功。
現在では中心としてこの国を実質的に支配している形となっている。
最大の問題は、ゲーム時代からこのギルドは俺たちクロノ・フィリアを危険視、敵対視し現実の今でもクロノ・フィリアメンバーを悪とし討伐する対象にしている。
面倒なことに俺たちの首には懸賞金がかけられ指名手配されてしまっている。
・【緑龍絶栄】
現実の世界で出現した能力の研究を行う組織。
能力の解明やレベル限界突破を人為的に行うことを目標としている大手ギルド。
裏では人体実験や能力研究の為に別のギルドの人間や無能力者を誘拐しているのではないかと噂されている。
また、独自のルートを持ち、表面上は敵対関係である各ギルドと裏で繋がっているという噂もあり油断のならないギルドである。
・【黒曜宝我】
【完全なる悪】をテーマに秩序のない自由な世界を目指し邪魔なモノは排除という思想を持つ殺戮集団。
自分たちの邪魔をする者を容赦なく殺すことに躊躇いがない者たちの集まりだ。
ゲーム時代は他のプレイヤーに対するプレイヤーキラーとして強制戦闘を仕掛け、相手の所持アイテムを奪うなど略奪行為や暴力行為など様々な問題行動で他のプレイヤーたちから恐れられていた。
この現実世界での2年の間でこのギルドは、能力を持たない者、レベルが低く能力が劣る者、他のギルドメンバーに対し、身勝手な理由で殺害、監禁、略奪など多くの事件を引き起こした。
そして、1年前。国の協力を得た白聖連団との全面戦争に発展。
多くの傷跡を残し両軍共に多くのメンバーの犠牲を払ったが決着とまではいかなかった…らしい。
この戦争で命を散らしたのは、その大部分が能力を持たない国に所属する軍人たちや一般市民だったことは情報として隠蔽されることとなる。
また、ゲーム時代、そのあまりに自由なプレイヤーキルに激怒したクロノ・フィリアメンバーの 【戦闘組】によって1度完膚無きまでに叩き潰され、ギルド崩壊の危機にまで陥ったことがあり、黒曜宝我の幹部たちはクロノ・フィリアを憎んでいる。
・【赤蘭煌王】
力こそが全てと考え常に強くなることしか考えてない武闘派集団。
脳筋連中の集まりで、常に他のギルドやソロプレイヤーに喧嘩を吹っ掛け続ける。
だが、その実力は高く、最低でもレベル80の者でしかギルドに加入することが出来ず、幹部クラスになると限界突破レベル120の者たちで構成され、レベル100を越える者たちが一番多いギルドである。
その為、他のギルドも迂闊に攻めることができないでいる。
・【青法詩典】
ゲーム時代の設定でエンパシス・ウィザメントの世界を造り出したとされる【最高神】であり【創造神】でもある【女神 リスティナ】を至高の存在と定め崇拝するギルド。
世界で起きた現象も女神による施しと考え、女神が定める聖典と称した自分達に都合のいいルールが示された聖書を作り、それを教えとする狂った連中で構成されている。
因みに女神こと【リスティナ】とは、俺たちクロノ・フィリアが最後に倒した裏ボスの正体である。
・【黄華扇桜】
常に中立の立場を貫き、レベルの低い能力者や能力を持たない者たちの救護と保護を目的として活動している主要メンバーが女性だけで構成されるギルド。
クロノ・フィリアと裏で繋がりがあり、クロノ・フィリアからは武力を、黄華扇桜からは資源の取り引きが行われ互いに共存している。
これら六つのギルドが現在の日本だった列島を支配している。
そして、あれから二年の月日が流れた俺たちクロノ・フィリアのメンバーたちは…。




