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第179話 神に抗う②

『あれだけの拳を受けても尚、立っているとはな。お前のタフさ、精神力、驚愕する。』


 全身に傷を負い、【バグ修正】によって肉体の所々が消滅しまっている煌真に向け称賛とも恐怖とも取れる声色で語るライアゼク。

 首を掴まれていた神無。ライアゼクが手を離すとその場に崩れ落ちた。

 その横に倒れている機美共々、気を失い身体は煌真と同じく【バグ修正】に蝕まれていた。

 神としての本来の力を取り戻したライアゼクに3人で挑むも力の差は圧倒的だった。

 【生命の神】としての能力で機美の神具【重装機甲ホイール】は内側から植物の根のようなモノが延び分解、破壊された。

 しかし、3人の攻撃が全く命中していない訳ではない。3人の連携による攻撃はライアゼクにダメージを与えていた。だが、【生命の神】の特性による異常な耐久力と火車を上回る回復力で徐々に追い詰められた結果、現在の状況に陥ってしまったのだ。


『お前達が頼りにしていた【創造神】の加護は既に喪失しているようだな。お前達からは【創造神】の魔力による能力の底上げを感じない。【創造神】がこの世界から消えたことによる影響ということだろう。』


 【バグ修正】を打ち込まれた煌真達。

 肉体の全てが消滅するのも時間の問題だろう。


『さて、どうする?。まだ、やるか?。』

『……………。たりめぇだ。俺はお前を倒す。それだけだ。』


 血塗れの身体。もう立っていることすら限界の筈。なのに、煌真がライアゼクを見る瞳の力は衰えるどころか燃え上がっているように感じる。


『良いだろう。一撃でトドメを刺す。』


 拳を構え、煌真の顔面を狙うライアゼク。


『覚悟っ!。』

『…ああ。お前もな!。』

『っ!?。』


 放たれた拳を紙一重で躱す煌真。


『この時を待ってたぜ。』


 煌真の右拳に魔力が集中する。

 全身を巡る右拳以外の全ての魔力の集束。生命力すら一点に込めた渾身の一撃。


『っ!?。そうか!。このタイミングでのカウンターを狙っていたか!。』


 拳を突き出した体制のまま。拳を戻すのとほぼ同時に放たれるであろう必殺の一撃に煌真は賭けたのだ。

 それだけではない。


『ぐっ!?。足場と…移動まで封じてきたか!?。』

『…ええ。私達の最後の魔力よ!。』

『全部。煌真ちゃんの一撃に賭けてたんだよ!。』


 神無の【影入り】の応用。敵の足下に発動し足を拘束。その動きを封じる。

 機美も自分の腕を伸ばし腕から指先までに仕込まれたワイヤーをライアゼクの身体に巻き付け移動を封じた。

 下半身が消失し上半身も半分しか残っていない2人の最期の足掻きである。これで煌真の一撃を回避することは不可能となった。


『はっ!。最期の最期まで最高の相棒だぜ!。お前達はっ!。神技!。』

『くっ!。動けんか!。』


 右拳の魔力が臨界に到達する。

 以前は紙一重で避けられた技だ。しかし、今回は違う。愛する恋人の援護を受け、全身全霊なる一撃を神に喰らわせる。それだけを考え拳を振り抜いた。


『【神殺ノ神拳】 !!!。』

 

 神を殺す。神の拳。


 拘束されたライアゼクに逃げる術はない。

 煌真の拳はライアゼクの胸の位置。人でいう心臓に位置する部位である神核を打ち抜いた。


『ごふっ!?。』


 足を拘束されたライアゼクは吹き飛ぶことで威力を逃がすことも許されず、その場で全ての衝撃を受けることとなる。

 衝撃はライアゼクと煌真の間で行き場を失い周囲に衝撃波となって拡散した。


『ふっ…刹那のタイミングだったな。この数センチ…軌道をずらせなければ俺の敗北だっただろう。』

『かはっ…。』


 血を吐き出す煌真。

 その身体、心臓をライアゼクの左腕が血を滴らせ貫通していた。

 一撃必殺のカウンターを狙った煌真だったが、神具の発動と同時にライアゼクは身を乗り出し上半身のバネだけで煌真の神技の威力をいなした。刹那の狂いも許されない絶対のタイミングを正確に捉え上半身を引くことで威力を殺した。

 しかし、煌真の神技はその程度で防げる代物ではない。

 殺しきれなかった衝撃は、ライアゼクの右腕、肩口から犠牲にし、その反動を利用して煌真の心臓へ左の拳を突き出した。

 カウンターを狙っていた煌真をカウンターで仕留めたのだ。


『くっそ…。俺の…負けか…。すまねぇ。』


 心臓を破壊された煌真が絶命する。

 肉体は光の粒子へと即座に変換され自然の中に溶け込んでいった。


『ああ…煌真…。すみません…主様…お役に立てませんでした…。』

『頑張ったけど…無理だった…ね…。』


 最後の魔力を使い果たした神無と機美が同時に消滅する。

 その場に残ったのはライアゼクただ1柱。


『俺との力の差は歴然だった。しかし、俺をここまで追い詰め右腕を奪うとは…。お前になら…任せても良いかもしれんな。煌真。』


 ライアゼクは己の能力、性質によって失った部位、損傷した箇所を再生させた。


『さて、今の戦い途中から見られていたと思ったが。』

『うん!。その通り!。』


 【空蹴脚】で空中を蹴り高速移動する燕。透かさず【空蹴斬】空気の刃で斬り掛かった。


『速いな。しかし、この程度で。』


 斬撃を拳で打ち消したライアゼク。


『うぐっ!?。』


 ライアゼクが燕の足を掴み、引き寄せたと同時に拳を叩き込んだ。


『こっちもいるわぁ!。』

『こっちもなっ!。』


 鬼の力を解放した知果と獄炎を纏う赤皇が同時に攻める。


『力だけでは俺は止められんぞ?。』

『うそっ!?。』

『馬鹿な!?。片手で!?。』


 知果と赤皇の拳はライアゼクの片手で各々止められてしまった。


『こんなことで隙を作るな。』

『っ!。ごばっ!?。』

『あぐっ!?。』


 腕を掴まれ引き寄せられた知果と赤皇がぶつかる。2人重なったところでライアゼクの回し蹴りがその身体を蹴り飛ばした。


『神技っ!。【封神仙導石顕現】!。潰れろ!。』


 巨大な封印石の召喚。

 封印石は対象を封じ込める効果があるが、その巨大さ故に圧倒的質量による押し潰しの圧殺も可能。


『これは…また大きいな。俺も全力を出さねばならんか。』


 拳を構えるライアゼク。


『【神力】起動。結果は【完全粉砕】。』


 神の神託が聞き届けられた。

 異常な魔力の増大。全身に溢れる生命力が拳に集まり落下する封印石へと放たれた。


『やった…。っ!?。』

 

 ライアゼクを巻き込み地面へ落ちた封印石は辺り一帯を巻き込み巨大なクレーターを作る。

 力を使い果たした玖霧は壁にもたれ掛かった。玖霧も限界だった。最後に残りの魔力を使い肉体を維持することも困難だった。

 先程、目の前で仲間達がライアゼクの攻撃を受けてしまっていた。自分と同じく【バグ修正】を。

 

『はぁ…。結局…皆。やられちゃったか…。覚悟は…してたんだけどなぁ…。ぅん。後悔はしない。してたまりますかっ。…楽しかったなぁ…。……………先に…行ってるね…。』


 小さな一粒の涙を残して玖霧は静かに消滅した。


『ちっ…玖霧…。知果!。燕!。無事か?。』

『はい…何とか…ですが、すみません【バグ修正】を受けてしまいました。』

『はぁ…私も…。玖霧…はもう行っちゃったね。けど…寂しくないよね。すぐにまた会えるもん。』

『ああ。そうだな。』


 玖霧が残した巨大な封印石にヒビが入る。

 小さなヒビは瞬く間に大きく広がり封印石は砕け散った。


『少し驚いた。だが、それだけだ。さて、残ったお前達にも消えて貰うとしよう。』


 無傷のライアゼク。

 勝敗は最初から決していた。力の差、能力の差は歴然。しかも、一撃でも攻撃を受ければ即座に死ぬのだ。無理ゲーにも程がある。


『なぁ。知果。燕。』

『はい?。』

『何ですか?。』

『最期までやれるか?。』

『はい。』

『もちろん!。赤蘭の…ううん。クロノ・フィリアの底力、あの神に見せつけてやるっ!。』


 魔力を高める3人を見て、僅かに胸が高鳴るライアゼク。


『面白い。まだ、諦めんか。良いだろう。お前達の灯火。最期まで見届けてやる。』


 その後、3人が尽き果て身体が消滅するまで戦いは続いた。数時間…いや、数分だったかもしれない。

 満足感に満たされた顔で立ち尽くす…最後に戦場に立っていたのはライアゼクだけだったのだ。


ーーー


 深紅の月が照らすのは、獲物を求めてさ迷い蠢く動物達の蔓延る深き森。

 森を抜けた先には、古びた佇まいに怪しげな雰囲気の古城。


 これが矢志路の発動した空間支配型のスキル。【呪血神の楽園】。


 現在、矢志路を中心に黒璃、聖愛、暗は【大地の神】アーニュルィを追い詰めていた。


『【呪毒槍雨】!。』

『くっ!。しつこいっ!。』


 黒璃の放った降り注ぐ槍の雨を紙一重で躱していくアーニュルィ。

 世界は完全に矢志路の楽園に支配され彼女の世界は呑み込まれてしまった。自身の創造した疑似空間でなければ神の力を行使できない。故に、この空間では如何に環境を操る【大地の神】アーニュルィであっても完全に無力であった。


『【千手圧掌】。』


 千の掌がアーニュルィを押し潰そうと次から次に押し寄せる。これも、隙間を縫うように躱されている。どの攻撃も躱されているが、それもその筈、アーニュルィは今、全能力を逃げることに集中させているのだ。

 空間支配の効果範囲外まで移動できれば自身のスキルで新たな疑似空間を創り出せるそう考えての行動だろう。


『逃がしませんっ!。【聖光昇華陣】!。』


 アーニュルィの足下に陣が描かれ結界が形成され逃げ場を失った。


『くっ!?。これでは、逃げ道が…。』

『今が。チャンス。神技。』


 千の腕。千の手が重なり1つとなる。

 巨大な1つの腕が山のように聳え立った。


『【千手腕合一刀】。』

『ちくしょう!。私を…舐めんな!。』


 振り下ろされた巨大な手による手刀が結界ごとアーニュルィを押し潰した。


『まだです!。私も!。神技!。』


 手を掲げる聖愛。

 巨大な召喚陣が出現し手の動きに合わせ、これまた巨大な黄金の聖剣が召喚された。


『くらいなさい!。【聖光十字聖剣】!。』


 地面に突き刺さる聖剣。

 辺り一帯を光が走り抜け周囲に生息していた悪しき生き物達を巻き込み浄化させた。


『はぁ…はぁ…はぁ…この…バグ共が…私を…ここまで…痛めつけるなんて…許さない…。』

『っ!?。驚きました。まだ動けるなんて…。』

『うそっ…私達の神技…全部喰らったのに…。』

『化け物。』


 全身を杭で貫かれ、巨大な手で押し潰され、聖剣で断ち斬られたにもかかわらずアーニュルィは、まだ動いていた。

 しかし、相当のダメージは負っているようで全身が外傷だらけ、服もボロボロ。近くの岩に身体を預けてやっと立っているという状態だ。


『絶対…許さないっ!。私はお前達を排除して、また皆で楽しい毎日を送るんだっ!。』

『ああ。その意見は俺も同じだ。その未来を勝ち取る為にこうして戦ってんだからな!。』

『っ!?。』

『気付くのが遅れたな。これで最後だ。』


 間髪いれずに、神具【呪血縛脈吸刀】を構えた矢志路がアーニュルィへ斬り掛かった。

 追撃はないと油断したアーニュルィへ螺旋状の血液の刃を纏わせた刃が迫る。


『ええ。本当に。僅かな差でした。』

『っ!?。』


 焦り顔から一転。

 不適な笑みを浮かべたアーニュルィ。

 矢志路の刃が直撃する瞬間、天から注ぐ光が刀を持つ矢志路の腕を消失させた。


『ぐぁぁぁあああああ!?。』

『これで終わりではありませんよっ!。』


 更に巨大な光の波動が頭上から放たれ矢志路を地面に叩き付けた。


『矢志路君!?。』

『『ご主人様!?。』』


 腕を失い転がる神具。

 横たわる矢志路。


 突然の出来事にアーニュルィ以外誰も何が起こったのか理解できなかった。


『ぐっ!。何故…この世界に…太陽の光が…いや、この感じ…聖なる光か?。』


 砂漠フィールドの比ではない。

 全身の血液が蒸発し始めている。


 空を、天を見上げる矢志路。

 そして、気付いた。

 夜の象徴である深紅の月が消え、真っ白な雲海の隙間から射し込む光が照らす天空の城が浮かんでいたのだ。


『これは…このステージは…天空城ステージか…。だが、何故。俺の世界はまだ生きている。なのに…空だけが変化しただと?。』

『ええ。貴方の世界は強力でした。私の力を持ってしても短期間でコントロールを奪うこと、もしくは、新たな疑似空間を上書きすることは不可能だった。』

『くっそが…そういうことか…てめぇ…包みやがったな…。』

『はい。貴方の世界を覆うようにして新たな疑似空間を創造しました。私は貴方方の攻撃を逃げていたのではなく………時間稼ぎが目的だったんだよっ!。』

『ちっ…雑魚の癖に…やりやがる…。』

『既に勝敗は決したな!。バグ共!。』


 パチンッ。

 指を鳴らすアーニュルィ。

 同時に、黒璃達全員を取り囲むように天空から光の壁が放射された。逃げ場がない。


『これ…。』

『ええ。来ます。この逃げ場のない状況。そして、この結界内を標的とした天空からの砲撃が…。』

『助からない…。』


 吸血種にとって最も苦手とするステージである天空城ステージ。そのステージ内で発生するモンスター、攻撃のギミックを含め全てが即死級の効果を発揮する。

 矢志路と契約したことで吸血種となった3人にも例外なく効果を及ぼすだろう。

 天空城から放たれる特大の聖なる光。

 壁に触れても火傷では済まないダメージを負うこの状況。最早、結界の外にいるアーニュルィに攻撃することも出来ない。


『こ、怖い…よ…。』

『黒璃ちゃん…。』

『…僕も…。』


 震える3人を覆うようにマントが掛けられる。


『これ…。』

『矢志路…君…。』

『………。』

『言っただろう?。もうお前達に寂しい思いはさせないって…よ…。』


 全身から赤い蒸気を出す矢志路。

 【バグ修正】と相まって消滅と火傷が広がっていた。


『わりぃな。俺と…契約したばっかりに…辛い最期になっちまったか…。』

『矢志路君は悪くないよっ!。いっつも守ってくれるもん!。』

『はい。前にも言いましたが契約に後悔はしていません。貴方と共に居られたこと誇らしく思います。』

『ぅん。もう。怖くない。』

『そうか…。もし…生まれ変われたら…。いや、俺らしくないな。俺との契約は絶対だ。また生まれ変わっても必ずお前達を探し出してやる。安心しろ。お前達に孤独はもう絶対に訪れないからな。』

『うん。矢志路君…。大好き。』

『私も愛しています。未来永劫。来世でも。』

『ずっと。大好き。』

『ああ。俺もだ。』


 抱きしめ合う4人に無慈悲にも放たれる聖なる光。

 その放射は数十秒続き。放射が止む頃には矢志路達4人がいた形跡は完全に消し去られてしまった。

 矢志路のスキルによって創られていた楽園は硝子が壊れたように崩壊し元の場所に戻る。


『ふふふ。ははは。ははははは。勝ちましたよっ!。【神人】に!。アイツの【神人】を倒しましたっ!。やりましたよぉ!。みんなぁ!。』


 矢志路達の消滅の後、その場にはアーニュルィの歓喜の笑い声が響き渡った。

 

ーーー


 階段。

 最後の一段を登りきった代刃と灯月。

 最上階に到達した2人は周囲の状況を確認した。

 逃げる前と変わっていない。広い空間。神達は居ないようだ。


『っ!。閃っ!。』

『にぃ様!。』


 神の居城、頂上の更に中心に位置する場所に閃がいた。

 最後に見た時のまま。黒い霧のような鎧に身を包み両手には2本の神具を握っている。


『あれ…何?。』


 閃を中心に地面に描かれた模様。魔方陣にも似た何かがエーテルによって描かれている。


『あれは、中の者が外の様子を確認出来なくする結界ですなぁ。【観測神】にとって 視界に入れる ということが能力の発動条件の1つです。その条件を封じているようですなぁ。ふぉふぉふぉ。神も必死ですなぁ。完全に覚醒してしまえばこんなもの何も意味を為さないでしょうに…。付け焼き刃ですなぁ~。』

『どうすれば良いの?。』

『外からの干渉は問題ないようですね。あの陣の中に入れば計画通りに行えるでしょう。』

『なら…早速始めよう。』

『私はここで護衛です。』

『うん。灯月。宜しくね。』

『はい。ねぇ様。大好きですよ。』

『僕もだよ。』


 灯月は気付いている。これが代刃との別れになることを。


『おいおい。ちょっと待てや。何を企んでんのか知らねぇが俺ッチ達が見逃すと思ってんの?。』

『『っ!?。』』


 不意にした声に反応する2人。

 イルナードとノイルディラが入り口に立っていた。


『何でここに!?。』 

『そんな。智鳴ねぇ様と氷姫ねぇ様は?。』


 2柱は2人と戦っていた筈だ。


『はっ。俺ッチがこんな獣女に負けるかよ。ほれ、感謝しな。重かったんだからよぉ。最後の別れでもしろよ。』


 ドサッと。投げ捨てられる2つの 何か 。それは…。


『そんな…智鳴…ねぇ…氷姫…ねぇ…。』


 胸から上の頭だけ…それ以外が消滅した智鳴と氷姫の姿だった。智鳴は全身を毒のようなモノに感染され、氷姫は凍っていた。完全に死んではいない…虫の息の状態で気を失っている。消滅するまでもう数分も残されていないだろう。


『ああ…あああああ。ねぇ様!。ねぇ様!。』


 徐々に消滅する2人を抱き抱えて泣きわめく灯月。

 だが、そんな灯月の声が届くことはなく2人は消滅してしまった。


『…酷い…。』

『まぁ。俺ッチ等に挑んだ時点でこうなることは分かってたよな?。でだ。お前らも排除の対象な訳?。ということで、とっととヤられてくんね?。』

『速やかに排除させて貰う。この世界の平穏の為に。』

『くっ!。』


 ゆっくりとした動作で近付いてくる2柱。


『戦うしかないか…。』

『いいえ。ねぇ様。ここは私が。ねぇ様はにぃ様をお願いします。』

『灯月?。』

『あの神共は私が全力で…。スキル【白黒翼分神】。』


 スキルの発動により、灯月の身体が2つに分身した。

 鎌を持つ漆黒のドレスに身を包んだ黒髪の姿。

 槍を持つ純白のドレスに身を包んだ白髪の姿。


『分身?。へぇ。1人2役で俺ッチ等に挑むと。おもしれぇな。良いぜ。どうせ。排除されんだ。精々足掻けよ。』

『遊びはしない。速やかに排除する。』

『私の大切なモノを奪い尽くしたお前達を許さない。絶対っ!。』


 灯月の後ろ姿を眺めている代刃。


『灯月…。』

『行って下さい!。』

『うん…任せたよ!。』

『はい!。』


 代刃は結界内へ入る。

 その直後、灯月と2柱との戦闘が開始された。


ーーー


ーーーステータスーーー


・智鳴

  ・刻印    No.7(下腹部)

  ・種族   【天炎妖狐神族】

  ・スキル

   【炎舞 炎舞葉】

   【炎舞 炎傀儡】

   【性格変化・戦闘狂】

   【炎舞 炎狐】

   【炎舞 炎陣刀】

   【炎舞 炎華舞台】

   【炎舞 炎天砲】

   【炎舞 狐火紅蓮炎】

   【炎閃】

  ・神化   【天狐炎神化】

  ・神具   【天炎陽扇】

  ・神技   【炎舞 炎天陽光】

        【炎舞 炎獄炎天陽光】


・氷姫

  ・刻印    No.3(右太股)

  ・種族   【白霊氷雪神族】

  ・スキル

   【硬重氷壁】

   【氷獄氷柱】

   【氷洞渓深牙】

   【蒼穹氷獄】

   【氷結鎧装】

   【熱耐性】

   【氷獄華斬】

  ・神化   【華氷獄姫神化】

  ・神具   【氷華白霊杖】

  ・神技   【氷獄乱華】


・矢志路

  ・刻印    No.18(左首筋)

  ・種族   【呪血夜行神族】

  ・スキル

   【隷従神の魔眼】

   【吸血契約】

   【干渉拒絶】

   【呪血槍・軍槍・破軍】

   【呪血契約】

   【呪血吸収結界】

   【呪血再生】

   【呪血身体強化】

   【呪血強化】

   【呪血神の楽園】

  ・神化【呪血神化】

  ・神具【呪血縛脈吸刀】

  ・神技【呪血黒爪赤牙】


・黒璃

  ・刻印    No.18(左首筋)

  ・種族   【呪毒界神族】

  ・スキル

   【魅惑の魔眼】

   【感情色の魔眼】

   【呪血毒針】

   【呪血操作】

   【呪血再生】 

   【呪毒槍雨】

   【呪血毒杭穿山】

  ・神化   【黒闇呪毒姫神化】

  ・神具   【呪毒魔爪】

  ・神技   【神闇魔霧 呪血破絶槍】


・聖愛

  ・刻印    No.11(右手首)

  ・種族   【聖光神精霊神族】

  ・スキル

   【呪血十字光】

   【呪血操作】

   【呪血聖光盾】

   【呪血再生】

   【聖光昇華陣】

  ・神化   【聖光粛清女神化】

  ・神具   【聖光十字聖剣】

  ・神技   【聖光堕落】


・暗

  ・刻印    No.15(左肩)

  ・種族   【千手霊人神族】

  ・スキル

   【呪血千手腕】

   【呪血操作】

   【呪血再生】

   【限定成長】

   【慈愛千神腕】

   【千手圧掌】

  ・神化   【千手慈愛女神化】

  ・神具   【千腕の指輪】

  ・神技   【千手腕合一刀】

次回の投稿は20日の木曜日を予定しています。

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