第178話 神に抗う①
燃え盛る赤黒い炎、獄炎を全身からほとばせながら赤皇が火車と倒れている玖霧の間に立ちはだかった。
『…赤皇…遅いわよ…。』
『悪ぃ。探すのに手間取った。』
赤皇は玖霧の横っ腹を見て舌打ちをした。
その部位は、【生命の神】ライアゼクの拳を受けたことで【バグ修正】が撃ち込まれ光の消滅が始まっていた。
『火車。お前…やっぱそっち側についたんだな?。』
『ああ。そうだ。やっぱお前らとは相容れねぇって思ってよ。雑魚の集まりの雑魚集団。そんな場所に恥ずかしくていられねぇって思ったまでよ。』
『そうか。なら、これもケジメだな。お前は俺達、元 赤蘭煌王で倒す。』
『へっ。息巻いてるようだがよ?。こっちにはライアゼクさんがいるんだぜ?。神であるこの方を差し置いて俺と戦えると思ってんの?。』
『………。』
神がこの場にいる状況で赤皇達が火車だけに集中するのは難しい。誰かはライアゼクと戦闘を行わなければならない。
『悪いが火車。俺はお前を助けることはない。』
『は?。どう言うことだよ?。ライアゼクさん?。あんたが言ったんだぜ?。露払いはしてやる。好きなように暴れろってよ?。』
『ふむ。だが、こうも言った筈だ。俺の戦いたい本命が来るまでだと。本命が来た今。お前との約束は終わりだ。』
『は?。本命?。』
ライアゼクの視線の先。
自然とその方向へ目を向けた火車が見た者。
『よお。久し振りだな。神様。』
『ああ。俺のところに来るのは君だと思った。俺の写し身である君だと。クロノ・フィリア 煌真。』
煌真、神無、機美の3人がライアゼクの前に立つ。
『コイツ…前会った時より強い…。』
『はい。彼等の言う【干渉率】が100%になったのでしょう。この威圧感を放つ今の状態こそが彼本来の姿です。我々が勝利確率は…。』
機美は既に戦闘モードに移行している。
機械的な話し方。その姿は神具である【重装機甲ホイール】を装着した殲滅モードに換装していた。
『機美。この期に及んで確率とか、くだらねぇこと言ってんじゃねぇよ。旦那達にここを任されたんだ。神をブッ殺す。それ以外に俺達がすることなんかねぇよ。』
『単細胞ね。けど、ええ。神に挑もうかしら。主様が頑張っているのに私達が情けない態度を取るわけにはいかないもの。』
神無も神具【操影蛇刀】を抜き構える。
『了解しました。神を殲滅します。』
前回の戦い。煌真と神無だけではライアゼクを倒せなかった。機美が加わったことで何とか形勢を逆転出来たのだ。
そして、現在。あの時よりも強くなっているライアゼク。最初から機美が参戦しているとして敵の能力は未だ未知数。
『悲しいな。今回は君達に勝ち目はない。』
『あぁん?。何言ってやがる?。』
『【神力】発動。導く結果は【完全なる殲滅】ここにいる全てのクロノ・フィリアをこの世界から排除する。それが、今回の俺の任だ。戦いを楽しむ時ではない。』
『好き勝手言ってくれるな?。はっ。まぁ良い。その余裕の表情を崩してやるよ。顔面ごとな。』
魔力を放出する煌真。
『赤皇。そっちの雑魚は任せたぜ?。』
『おう。任された。』
これで火車の邪魔は入らない。
全力でライアゼクと戦える。そう確信した煌真が神化を発動する。
『【武神化】!。』
『良い闘気だ。さあ、始める前に名乗らせて貰おう。【絶対神】グァトリュアル様より創造されし【神兵】が1柱。【生命の神】ライアゼクだ。【神力】に示した通り君達を殲滅させて貰う!。』
ライアゼクが踏み込み煌真と拳をぶつけ合う。これが開戦の狼煙となった。
その様子を確認した赤皇が火車に向き合う。
『向こうは向こうで始めたみたいだな?。で?。頼りにしてた神は自分の戦いにのめり込んじまったみたいだが?。お前はどうするんだ?。』
『はっ。そんなもん端から期待してねぇよ!。てめぇ等ごとき俺だけで十分よ!。』
『玖霧に一方的にやられてたみたいだがな。まぁ良い。お前少し調子に乗りすぎだ。』
『赤皇さん。』
『ん?。何だ?。知果?。』
『私が先に相手します。その間に、彼を一撃で倒せる準備を。』
『お前も結構頭にきてんだな。ああ。任せろ。アイツを倒すには普通の方法じゃダメみたいだからな。玖霧。』
『…何?。』
『直ぐに終わらせる。少し待ってろ。』
『ええ。頼むわ。その馬鹿にいい加減現実ってヤツを教えてあげて。』
『ああ。任せな。』
赤皇が魔力を高め始めた。
全身から噴き出す獄炎の凄まじさは周囲の気温を上昇させ足下に転がる石などが溶解し始める。
『へへへ。何か企んでんな。けどな?。どんな攻撃を受けても俺は瞬時に再生する。俺を倒すことなんて出来っこないんだよ?。で、その間、俺の相手はお前がすると?。知果さんよぉ?。』
『はい。残念ですが。私の能力では貴方を倒せない。ですが、赤皇さんが準備をしている間の足止めは私でも十分に可能です。』
『はぁ?。言ってくれるじゃん?。その言い方、お前が俺より強いって言ってるように聞こえるんだが?。』
『事実です。貴方では私に勝てません。今も昔も。』
『はっ!。ゴツい銃を撃つことしか能のねぇクソ女が俺に勝つってか?。笑わせんなっ!。』
『貴方は上辺だけの強さでしか他人を測れない。』
眼鏡を外し結んでいた髪を解く。
『はぁ。やっぱ良い女じゃねぇか?。昔から言ってんだろ?。ダサい髪型と眼鏡はやめろってよ。』
『貴方に褒められても嬉しくありません。本当の素顔は見せても良いと思った仲間達と…大切な男性だけです。』
『ちっ!。うぜぇ。で?。』
『貴方にこれを見せるのは初めてでしたね。』
『おいおい。何する気だよ?。自殺か?。』
銃を自分の頭に突き付ける知果。
『私の神具の本体はこの 銃 ではありません。銃はあくまでも本当の神具の付属品。真の神具は弾丸の方。神具【封鬼弾】。私の力を封印している弾丸です。これを…。』
ズドンッ!。
空気を切り裂くような銃声が響き、弾丸が知果の頭にめり込む。
『はぁ………。ははははは。そうよっ!。私の種族は【狂乱争酔神族】!。争い大好きの狂気の鬼よぉぉぉおおお!。』
赤い闘気を纏う。
狂乱の鬼。際限の無い強大な力を有するが、強すぎる力を肉体が制御できない為、普段はその力を封印している種族。
額に2本の角。爪は伸び鋭利に。犬歯は尖る。髪の色が真っ赤に染まり、鋭い視線と艶かしい表情が火車を捉えた。
『さあ、楽しみましょうっ!。』
『っ!?。らっ!。』
瞬時に懐に接近された火車。
知果の動きは滑らかで自然。歩いたように見えて僅か1歩で火車の間合いを侵食した。
慌てた火車が拳を繰り出す。
巨大な竜。基汐すら一撃で沈めた拳だ。華奢な身体の知果ではどうすることも出来ない。一撃の後に絶命するだろう。…そう考えていたのはこの場にいる者の中で火車だけだったのが滑稽だった。
『こんなものぉ?。本気でやってよねぇ?。』
『はっ!?。何で?。全力で殴ったぜ?。何で知果ごときに受け止められてんだ!。』
火車の拳は軽々と受けられた。知果の指2本で…。
『そんなに筋肉つけてるのにぃ?。この程度なの?。本当のパンチを教えてあげるわぁ!。』
『はっ?。ぶっ!?。』
『ははははは。大きいから殴りがいがあるわねぇ!。はははははははははは!。』
『ごぶっ!?。がばっ!?。ぶふっ!?。』
殴られ、殴られ、殴られ。
小柄な知果の拳の連打は防戦一方、顔を隠すだけで精一杯の火車を徐々に壁際まで押していく。
『てめぇ!。いい加減にっ!。はっ!?。』
反撃を試みるも、目の前にいた筈の知果の姿は消え唖然とする火車。
『はぁ、力も弱ければ、スピードも弱いと?。散々、私のことを雑魚扱いしてくれてたみたいだけど。』
『ごぶあっ!。』
火車の頭の上に乗っていた知果の蹴りが脳天から突き刺さり顔面から地面に叩きつけられた。
『雑魚は、あんただよ。今も昔もね。自分が実力者だと思い込んでた、ただの馬鹿雑魚君でした。ご愁傷さまぁ~。』
『てめっ!。』
顔面が破壊されて尚、襲い掛かる火車。
顔の傷は治り始めており、知果の打撃力では火車を倒しきれないことが分かる。
『はぁ。だと思ったわ。頑丈すぎ。物理攻撃しか持たない私じゃ時間稼ぎが精々ね。まぁ。最後にこれでも受けなさい。』
『はっ!?。』
飛び付いた火車に向かって銃を構えている知果。その銃口には渦巻くような魔力が集束していた。
『神技【絶砲鬼弾】!。』
神具によって解放する、封印されていた本来の鬼の力を弾丸に集めて放つ知果の神技。
知果の神具は、自身に撃ち込めば撃ち込ばその分だけ封印が解除されていく。本来の最大出力は5発。6発以上撃ち込むと肉体は崩壊し死に至ってしまう。
現在1発の弾丸分だけ封印が解かれている。
その解放された魔力を弾丸に戻して撃ち放つ奥義。
普段、使用していた弾丸とは違い魔力の弾丸として撃つため物理攻撃しか持たない知果の唯一の特殊技能である。
『ぐおぉぉぉああああああああああ!?。』
魔力弾が火車の巨大な肉体を貫く。胸元に大きな穴をあけた。
『き、きかねぇなぁ。知果よぉ。俺の回復力は…てめぇのちゃちな技じゃぁあ。倒せねぇよ?。』
異常な回復力。
肉体が損傷した瞬間に開始される自己治癒能力。失った臓器、肉、皮膚、血管…更に血液まで自身で作り出している。
研究【完成された人間】の完成系。
身体能力、治癒能力が以前とは比べ物にならない程の強化が施されている。
『そうね。けど、1つ忘れてます。貴方のことを許せない人は私と玖霧ちゃん以外にもいることを…。』
『はっ?。何を言って…。』
その時、遥か上空で何かが光った。
火車は気が付いていない。いや、そんな時間は与えられなかった。
『神技ぃぃぃぃぃいいいいい!!!。』
それは流星の如く高速で落下していた。
風を切り裂き。大気を切り裂き。音を切り裂き。空気を切り裂く。
『【極閃・流飛燕斬神脚】ぅぅぅううううう!。』
一直線に上空から蹴りを放った燕。
全てを切り裂きながら放たれた蹴りは容易に火車の脳天から股までを真っ二つにし、そのまま地面に巨大なクレーターを形成した。
突然の攻撃に言葉すら発することを許されなかった火車の肉体が蹴りの影響で発火し燃え上がる。
『決まった。うん!。すっきりっ!。』
満足気に笑う燕。
『燕ちゃん!。』
『やっと見つけたよ!。皆っ!。てっ!?。玖霧…それ…!?。』
【バグ修正】の影響で身体の一部が消えている玖霧を見た燕が息をのむ。
その影響が自分達に何を及ぼすのか燕も理解していた。
『ごめんね。失敗しちゃったわ。』
『そんな…玖霧…。誰にヤられたの?。火車?。』
『いいえ。今、あっちの方で煌真さん達と戦っている神に攻撃されたの。』
『………。』
燕が瓦礫の奥に視線を向ける。
瓦礫が邪魔で姿は見えないが魔力同士がぶつかり合っているのを感じる。
『そう…なんだ…。玖霧…。』
『…私のことは構わないで大丈夫よ。この戦いが始まった時点で覚悟はしていたもの。』
『くっ…。そうだね…。早く、加勢にいかないとだね。』
噛み締める唇。流れる血。
握り締める拳。流れる血。
悔しさからか、悲しみからか。その両方か。
燕は涙を流し、神の元に向かい挑もうとした…その時。
『あちぃ。ぐばぁっ!。いてぇ!?。何が起きたぁ!。身体がいでぇぇぇえええええ!?。』
『うそ!?。あれでも再生を!?。』
地面を転がり身体を燃やす炎の鎮火。
全身に火傷を負っているが、真っ二つに切断された身体が修復されていた。
『化け物ね…。』
『許さねぇ!。許さねぇ!。許さねぇぞお前らぁぁぁぁぁあああああ!。絶対全員ぶっ殺してやるぅぅぅううううう!!!。』
絶叫する火車。
しかし、既に勝敗は決していた。その理由は…。
『ああ。待たせたな。この戦いを終わらせよう。』
地獄の業火を全身に纏う赤皇が火車の眼前に仁王立ちしていたからだ。
『なっ!?。邪魔だ!。赤皇!。どけ!。』
『どかねぇよ。言っただろ?。アイツらは時間稼ぎだってよ。で、俺がお前の前に立ってんだ。この意味が分かんだろ?。』
『うるせぇ!。どけぇ!。』
3メートル近い身長を持つ火車。
それと同等の大きさになった赤皇。
膨れ上がった筋肉から繰り出される拳が赤皇の身体に打ち込まれる。
何度も、何度も、何度も、何度も…だが。
『へっ!。どうだ?。これだけ殴れば流石に効くだろう?。』
『無駄だ。お前のめでたい頭じゃ理解できねぇか?。お前の手を見てみろ。』
『え?。手?。っ!?。ぎゃゃゃぁぁぁあああああ!?。俺の手がぁぁぁあああ!?。』
赤皇を殴っていた火車の手は獄炎で焼かれ両手共に消失していた。
『まぁ。あんだけ殴れば気が済んだだろ?。どうせすぐに再生すると思うから、手っ取り早く決めさせて貰うぜ?。』
『えっ!?。』
消失した手に気を取られていた僅か一瞬。赤皇の言葉に反応し顔を上げた火車の目に飛び込んで来たものは…大きな、巨大な口内だった。尖った牙が並ぶ歯と長い舌が見える。
『お前もその身体を作るために多くの人間…お前の性格を考えたら…まぁ。女が多いだろうな。散々喰ったんだろ?。なら、自分が喰われることも当然考えてるよな?。』
『なっ!?。やめ…。ぎゃぁぁぁぁぁあああああ!!!。』
頭から貪られる火車。
肉が噛みきられ、骨が噛み砕かれる。
何度も何度も口内で噛み千切られ、すり潰され、蹂躙され続ける咀嚼音が周囲に繰り返さし響き渡る。
『神技…【獄炎胃界葬送】。』
ゴクリッ。
火車の肉体は赤皇に喰われた。
赤皇の神具は体内にある。
神具【獄炎転界臓器】。
地獄の底。獄炎界に住む種族である【獄炎鬼】。
その体内にある臓器は獄炎界と繋がっており獄炎を絶えず生成し、本体はその炎を自在に操ることが出来る。そして、その胃は神具で獄炎界へと通じており食べたモノを異界へと送る。
火車は身体を破壊されても瞬時に、どんな損傷でも回復してしまう。噛み砕かれ潰され呑み込まれた火車だが瞬時に再生してしまうだろう。
しかし、赤皇の神具は移動型の転移神具。
火車の肉体は地獄の底にあると言われる獄炎界へ送られた。
そこは地面や山、川や海。あらゆる場所から獄炎が噴き出しありとあらゆるモノを燃やし尽くす。まさに地獄絵図の世界。
再生を続ける火車は永遠にその世界で肉体を焼かれ続けることになる。
『ふぅ…。馬鹿が。最後まで頭が悪いのは治らなかったな…。』
赤皇は玖霧を抱き抱える。
『玖霧…。』
『そんな顔しないで。それにまだ戦いは終わっていないわ。行きましょう。』
『………ああ。煌真さんの方もそろそろ終わっているかもな。知果、燕。行くぞ。』
『はい…。』
『うん…。』
玖霧の容態は徐々に悪化している。
光の侵食は片足まで広がっていた。
知果も燕も心配そうに玖霧を見るが赤皇が何も言わないので黙っている。3人の表情は暗い。
『っ!?。馬鹿な…。』
その場での戦闘音がいつの間にか聞こえなくなっていた。瓦礫の山を越えた先。
そこで見たモノは4人にしてみれば信じられない場面だった。
4人はクロノ・フィリアのメンバーの強さを疑っていなかった。どんな敵が相手でもきっと負けない。最後には必ず勝利を手にすると。
長きに渡るゲーム時代。数多くの伝説を残したクロノ・フィリア。きっと 神 が相手でも大丈夫。きっと勝てると信じていた4人が見た光景。
粉々に粉砕され破壊された神具【重装機甲ホイール】と、倒れている機美。
片腕に首を掴まれた状態で気絶している神無。
そして、何発もの攻撃を受けたのだろう。
ポケットに手を入れた状態のまま全身から血を流している仁王立ちした煌真の姿だった。
3人が全員、玖霧と同じ症状。身体が光の粒子へと変わっていく。つまりは【バグ修正】が撃つ込まれていたのだった。
ーーーーー
扉の中に入った累紅。
部屋の中には石造りの空間になっていた。空っぽの部屋。入室した途端に閉まった扉は内側からは開かない仕掛けのようだ。
暫く、何もない部屋を散策。石と石の隙間を隈無く探す。
『………。何もない…。けど、きっと何か…。っ!?。』
そして、陣が起動。
足下が淡く輝き、徐々に強く激しく。
累紅の身体を強制転移させた。
『ここ…どこ?。』
転移された場所。
何処かの広場。空に浮かぶ巨大な瞳がこの場所が外であることを教えてくれている。
『ああ。貴女が来たのね?。えぇ…っと、累紅だったかしら?。』
『っ!。アイシス…。』
『ええ、そうよ。【略奪の神】アイシス。宜しくね。』
警戒する累紅。
両手に持つ刀と槍の神具【双歪華乱槍刀】に螺旋状の魔力が走る。
『そう…よね。貴女は…いえ、貴女達は戦うためにここまで来たのだものね?。』
『何を言ってるの?。』
構えたまま、警戒したまま。会話をする。
アイシスの様子がおかしい。
いや、映像では確認した筈の累紅だ。しかし、映像に映っていた傍若無人な性格は鳴りを潜め見るからに悲しげな、儚げな表情と雰囲気を醸し出している。
『ねぇ。聞いて良いかしら?。』
『え?。何を?。』
『ダーリン…。いえ、閃様と恋人になって、愛し合って幸せだった?。』
『…もちろん。閃君がいて皆がいて…私達は幸せだった。』
『それを私達が奪ってしまった…のね。はぁ…けど、私達も…。なら、やっぱり…そう言うことよね。じゃあ、私の…神の 役割 って…。』
独り言。
その末に何かに行き着いたアイシス。
『ふふふ。ふふふふふ。はぁ…。』
その瞳は真っ直ぐに累紅を見つめる。
累紅は、アイシスがこの世界にやって来て、神以外で真面に顔を見た4人目の人物となった。
『私、何故か貴女達とは戦う気が湧いてこなかったのよね。けど、戦う必要がないって気付いたの。ええ。貴気が変わったわ。貴女には色々聞きたいこともあるし。』
殺気、ではない。
闘気、でもない。
アイシスから放たれる異様な気配は、戦う者の持つそれらとは別のもの。
つまりは、戦う意志がないということ。
『貴女の 全て を奪ってあげるわ。』
ーーー
ーーーステータスーーー
・煌真
・刻印 No.14(右腰)
・種族 【武闘軍戦神族】
・スキル
【逆境強化】
【肉体強化(極)】
【一騎当千】
【重複強化】
【再生強化】
・神化 【武神化】
・神具 【戦神の円環】
・神技 【神殺ノ神拳】
・神無
・刻印 No.23(右尻)
・種族 【毒蛇影金眼神族】
・スキル
【操影分身・交換】
【影入り・影入部屋】
【操影寄糸】
【黒影囲界獄】
【瞬影】
【遠影視界】
【常闇影沼】
【霧幻影外装】
【剛影列脚・空蹴列脚】
【紫影葬一閃】
【眷属召喚】
【石化の金色眼】
・神化 【毒蛇女神化】
・神具 【操影蛇刀】
・神技 【黒食掻抉蛇咬】
【蛇神影咬刀閃】
・機美
・刻印 No.4(右足首)
・種族 【機甲重武装神族】
・スキル
【広域サーチ】
【電脳格納庫】
【圧縮光学刀 レーザーソード】
【思考加速】
【並列思考】
【高速演算】
【重装機甲操作・変形】
・神化 【重装機甲女神化】
・神具 【重装機甲ホイール】
・神技 【極光破断裂神閃】
・赤皇
・刻印 No.14(右腰)
・種族 【獄炎鬼神族】
・スキル
【超直感】
【肉体強化 鬼】
【獄炎操作・纒】
【獄炎闘気】
【獄炎咆哮】
【獄炎爆破】
【獄炎大撃破】
・神化 【獄炎鬼神化】
・神具 【獄炎転界臓器】
・神技 【獄炎胃界葬送】
・玖霧
・刻印 No.4(右足首)
・種族 【仙天境人神族】
・スキル
【仙流水斬】
【仙空転歩】
【仙炎火山】
【仙雷喚天】
【仙分身】
【仙縛 四方封神】
【仙嵐下降陣】
【仙静心落】
【仙身霧透化】
・神化 【仙郷女神化】
・神具 【仙郷双桃剣】
・神技 【封神仙導石顕現】
・知果
・刻印 No.19(右鎖骨)
・種族 【狂乱争酔鬼神族】
・スキル(封鬼弾使用時のみ)
【狂乱強化(常時)】
【肉体強化・鬼(常時)】
【縮地鬼動(常時)】
【剛力強化・鬼(常時)】
【精神異常無効】
・神化 【狂乱鬼女神化】
・神具 【封鬼弾】
・神技 【絶砲鬼弾】
・燕
・刻印 No.23(右尻)
・種族 【人神族】
・スキル
【空蹴脚】
【脚力強化】
【空蹴斬】
【重踏烈脚】
【瞬脚】
【空力瞬動】
【縮地】
・神化 【人女神化】
・神具 【神脚靴】
・神技 【極閃・流飛燕斬神脚】
次回の投稿は16日の日曜日を予定しています。