第173話 強襲
ーーーメリクリアーーー
【神力】を使用し隕石群を喚び寄せた。
予めクロノ・フィリアの人達の気配は魔力で把握済み。後は戦力を分断して【神兵】達が各個撃破。クロノ・フィリアのメンバーに【バグ修正】を撃ち込んで、この世界から排除すれば全てが終わる。平和な世界に戻るんだ。
燃え盛るクロノ・フィリアの拠点。
隕石は森を焼き、建物を崩壊させ、爆発と爆風で全てを吹き飛ばした。
ここまでやって死者0人なんだ。やっぱり僕って結構凄いんじゃないかな?。
木々や建物が焼けた黒い煙や舞い上がった土埃。
その中から目的の人物を探す。
『いたな。妾の最後の務め果たそうではないか。』
僕は地面に着地すると目的の人物の前に転移した。
『よもや…こんなに早く行動に出るとはな?。』
『ごめんね。僕の半身がこっちに向かってるみたいなんだ。だから、勝手だけど予定を早めさせて貰ったよ。問題は無いよね?。』
『ふむ。【王】か…。』
『アイツが来たら計画どころじゃなくなっちゃうからね。リスティナちゃんには悪いと思ってるんだ。』
『構わん。妾のやることは変わらないからな。さぁ。早うヤれ。』
『うん。後は任せるね。』
僕は杖を取り出しリスティナちゃんの胸…正確には神の心臓である【神核】を突き刺し破壊した。
『うぐっ…色々と気に掛けたようで、すまんな。』
『良いよ。今度は一緒にお茶しよ。本体同士で。』
『ふっ…それも良いな…。』
リスティナちゃんの身体が光になって消滅した。何人か、この場面を見られちゃったけど僕がリスティナちゃんを殺しただけに見えてるだろうしリスティナちゃんが皆に嫌われることはないかな?。
『レジェスタ。この場での妾の役目は終わりだな?。後のことは任せたぞ。』
『はっ!。』
後ろに控えていたレジェスタが近くにいるクロノ・フィリアのメンバーの元に向かった。
さて、僕は拠点に戻らないと。何か良く分からないけど。嫌な予感がするんだよね。
『貴様…何処へ行く?。』
『っ!?。』
これは…びっくり。全然気配を感じなかったよ?。
えっと…彼は誰だっけ?。
『お主は何者だ?。』
『クロノ・フィリア No.5 青嵐だ。貴様、我が信仰の対象たる存在。リスティナ様を屠ったな!。許さん!。万死に値する!。』
青嵐君?。確かレジェスタが何人かクロノ・フィリアにも新規で入った人がいるって言ってたよね?。彼もその1人なのかな?。
しかも、凄く怒ってるし…リスティナちゃんを排除したことに対してだよね?。
彼の言葉を聞く限り、リスティナちゃんを僕が殺したことになってるのは明白だ。計画は成功だよね。
『クロノ・フィリアの仲間か?。妾には時間が無い。手加減してやれぬが構わんか?。』
『そんなものは端からいらん!。神具!【信仰聖典】!。』
『ぬ!?。リスティナの魔力?。』
彼の取り出した本から放たれているのリスティナちゃんの魔力だ。どういうこと?。
『我が聖典は信仰する神の能力を行使することが可能!。よって、【創造神】の力を借り受ける!。』
青嵐君が腰から下げていた黄金の剣。
それを抜き天に掲げると、同時に本が輝き出して同じ構造の剣が複数本創造された。
『神技!。【黄金郷聖法剣】!。死ね!。』
連続で発射される巨大な複数の黄金の剣。
剣1本1本がビル1棟を崩壊させる威力がある聖なる閃光。
『成程。これまた面白い能力だな。しかし、残念かな。所詮は猿真似。本物の創造神の力には遠く及ばぬ。【ミクロコスモス】!。』
僕と青嵐君を中心に小さな宇宙空間が創られる。ミニチュアな複数の銀河が回っている。
『これは!?。』
『ふふ。驚いたか?。だが、まだ早い。【ブラックホール】よ。妾に向かう刃を呑み込め。』
小さな宇宙に存在する小さなブラックホールが活動を始める、僕に向かって飛んできていた黄金の剣を一本残らず呑み込んだ。
『バカな…あれだけの攻撃を!?。』
『次は妾の番だな。ふむ。どれが良いか。よし、これなんかどうだ?。』
周囲を回る惑星を1つ取る。
『さて、お主は耐えられるかな?。』
エーテルを注ぎ惑星が起動する。
『何だ!?。身体が!?。がぁぁぁあああ!?。』
青嵐君の身体が惑星に吸い込まれる。
『この惑星は時速7000kmの暴風が吹き荒れているぞ?。お前はその環境で生き残れるかな?。』
僕の能力はエーテルで創り出した小型の宇宙を召喚し、実際の惑星や恒星などの環境を再現できる。もちろん、温度や空気も全てだ。
生き物なら即死する惑星ばかり。吸い込まれたらどんな生き物も生きていられない。
『さて、即死だと思うが戻してやろう。原型を留めていればな。』
僕は惑星に吸い込まれた青嵐君の遺体を取り出した。
『ぬ?。ははは。面白い。』
『はぁ…。はぁ…。はぁ…。』
驚いた。青嵐君生きてるよ?。何で?。
普通の人間なら1秒も持たないのに…。
『神化…【聖神仰神化】を発動させた。このスキルで一時的に我が神の力を借り受けることに制限が無くなる。それは、思い描く仮想物質であろうと不可能ではない。』
『【創造神】の力か…。厄介な能力だが、お主の魔力は既に底を尽き掛けているようだが?。』
きっと過酷な環境に耐えられるような 何か を瞬時に創造したんだろうね。リスティナちゃんはあまりやっていなかった様だけど【創造神】の能力は過去、現在、未来、そして、想像や伝説の中にしか存在しない未知のモノすら創造できるらしいしね。
けど、実際に存在しないモノを創るには魔力とエーテルを相当消費するって聞いたことがある。
ましてや【神化】したとはいえ彼は普通の人間だ。その負担は神とは比べ物にならない筈だよ。
『1つ。確認したい。』
『何だ?。』
『我が【信仰眼】が神のお考えを告げた。我が神とお前との間に交わされた契約。我が神の目的は、我々を__することだろう?。』
『っ!?。気付いたか?。』
『この神具の効果は神のお考えが文字として記載される。そこには、「皆を救いたい」「皆に嫌われたくない」との想いが本に表れた。そして、お前とのやり取りを考えれば自ずとな。』
『して?。お前はこれからどうするつもりだ?。』
『決まっている。我が神のいない世界に興味はない。』
何か…この人恐くない?。
『そうか。ならば光栄に思え、妾にトドメを刺されることを。黄泉への手向けにしてやろう。』
杖の尖端で青嵐君の心臓を貫く。
【バグ修正】の影響で絶命した者は一瞬でその身体を光に変えて消滅する。
時間が掛かっちゃったね。早く拠点に戻らないと…。
僕が転移の門を開こうとした時…。
『っ!?。これ!?。エーテル!?。』
この世界で感じたことのない強大なエーテルの波動を感じた。
しかも、このエーテルに含まれている魔力は…。
『閃君?。』
空を覆い尽くすみたいなエーテルの波動は、赤黒く空を塗り潰した。そして、その奥から出現した巨大な目。
『うそ…あれは…。まさか…この世界で現れるなんて…。』
エーテルの質は、主である【絶対神】と同等。全ての神の頂点に君臨する【絶対神】の対となる存在。
主はその出現を望んでいた。けど、まさか…現実の世界じゃなく、この仮想世界で顕現するなんて…。
『観測…神…閃君が…覚醒するなんて…。』
こうしちゃいられない。
急いで拠点に戻らないとっ!。
僕は大急ぎで拠点に転移した。
ーーー
ーーー美緑ーーー
『けほっ…けほっ…。』
いきなり空から飛来した隕石が私の【世界樹】を倒壊させた。燃え盛りながら倒れる【世界樹】から何とか脱出するも、周囲の森は高温に燃えた隕石によって発火し火が回っていた。
ギルド内に張り巡らされた【世界樹】の根や茎も焼き切られ皆さんの居場所も分からず、連絡手段も無くなってしまった。
『神が攻めてきたって…ことですよね…。』
隕石を降らせたのは【女王】だった。
強大な魔力が空に放出されたのを確認したから。
【世界樹】も森も燃えている今、私の能力は半減している。
きっと近くに神が潜んでいるに違いない。
『【魔種召喚】【樹速成長】。』
栄養が足りませんが無いよりはマシでしょうか。
種を急速に成長させ自分の周囲に展開する。
『貴女の魔力…。』
『っ!?。』
誰!?。
燃える木々の中から姿を現した女性。
目隠しと長い杖…魔力の波長が翡無琥ちゃんと似ている?。
『このエリアで最も魔力の内在量が多かったので期待したのですが。どうやら、私の探し人ではないようですね。』
この人…いえ、神ですね。強い…。
しかも…私は既に彼女の攻撃範囲に入ってしまっているようです。身体の震えと冷や汗が止まらない。
『【女王】の力とはいえ、ここまで派手に自然を壊しては申し訳ありませんね。』
目隠しを外した女性がその瞳で森を見た瞬間、今まで燃え盛っていた炎が一瞬で消えてしまった。
今のは…翡無琥ちゃんの…【神眼】!?。
『これで貴女も十分にその能力を使用できるでしょう?。』
炎を消して私の能力を使えるようにした?。
どういうつもりなの?。
『申し遅れました。私は【神騎士】が1柱。【静寂の神】リシェルネーラ。』
チンッ。という音が聞こえた瞬間。
今さっき成長させたばかりの植物が斬られた!?。
技まで翡無琥ちゃんと同じなのですか!?。
『貴女をこの世界から排除する神です。』
ーーー
ーーー涼ーーー
『よせっ!刕好!和里!。』
突然、苦しみだした人々。
隕石の襲来により保護施設は破壊された。奇跡的に無傷で済んだ俺は倒壊した建物に入り人命救助を開始した。
途中、仁さんの従者のメルティさんがやって来て仁さんの伝言を教えてくれた。
神の襲撃…自分達の安全を第一に…か…。だが、共に暮らしてきた人達を見殺しになんて俺には出来ない。
そう思った時、既に身体が動いていた。
苦しみながらうめき声を上げている人達。
だが、何だ?。様子が変だ?。
『涼さん!。危ない!。』
『っ!?。』
里亜の声に咄嗟に反応した俺は身を退いた。
俺がいた場所には今まで共に戦い、共に暮らしてきた仲間…緑龍時代…いや、もっと前から一緒に過ごしてきた仲間達が血走った目で俺を見ていた。
『どうなってるんだ!?。』
『涼さん!。後退して下さい。彼等からはもう魔力も何も感じないです。』
匂いを嗅ぐように鼻を動かし獣のように手足を使い四足歩行で俺達を探している。
あれじゃあ…まるで…動物じゃないか…。
『刕好!和里!』
ついさっきまで普通に会話してたんだ。
なのに…何で俺をそんな目で睨むんだ?。
『がぁぁぁぁぁあああああ!。』
2人が一斉に俺に飛びかかった。
『涼!。』
鉄球が2人の身体を弾き飛ばす。
『威神…皆が…おかしいんだ…。』
『知っている。ここだけじゃない。何処も彼処もゾンビになった奴らだらけだ。』
『っ!?。』
これも神の襲撃の影響なのか?。
俺達の仲間をこんな姿にするなんて…。
『威神さん!。』
腕を翼にし空中から降り立った美鳥。
『やはり、何処も同じですね。ゾンビだらけです。見た感じ…レベル90以下の人間達は全員ゾンビにされてしまったようですね。』
『くっ…やはりそうか…。』
『威神兄!。ダメ。美緑ちゃんの【世界樹】が破壊されちゃってた。これじゃあ連絡手段も無くなっちゃったよ。』
楓が地面の中から身体を植物に変えて現れる。
『私も…ダメです。魔力が拡散していて感知出来ません…。』
闇から現れる月夜。
俺達はほぼ同じ位置に吹き飛ばされていた。
ゾンビを掻い潜り情報を集めていたのだが…。
『ダメか。』
『はい。戦ってはいるようですが、魔力が入り乱れているせいで誰が何処で、誰と戦っているのかが判別できません。一番近くて1キロ先に気配を感じるのですが…そこまでの道のりにもゾンビが密集していて…。』
『仕方ない。一番近くで戦っている人の場所まで突っ切るしかないか。』
神が攻めてきている以上戦力の分断はマズイ。リスティナさんの加護があるとはいえ油断は出来ないぞ。
『皆。離れずに行こう。絶対に一人になるなよ。』
威神の鉄球で飛ばされた刕好と和里が再び襲い掛かってくる。
『くっ…すまん。2人とも…。神具起動。』
俺は2人に対し神具を発動させる。
指を鳴らすと先程と同じように2人の身体が飛んだ。
『さあ。急ごう。』
『何処に行くというのだ?。余が直々に相手をしてやろうというのに?。』
『!?。』
『転移…。』
俺達の前に現れる時空の歪み。
その中からゆっくりとした動作で現れる存在。
『何だ…コイツは…。』
魔力の…量が…尋常じゃない…。底が見えない…。
全身に刻まれた刻印らしき模様から魔力が満ち溢れている。いや…あれは…本当に魔力なのか?。
『ほぉ…強い魔力が…ひぃ…ふぅ…みぃ…6体も居るではないか!。ははは。期待するぞ?。無凱は余を満足させてくれたからな!。その仲間にも期待してしまうのは仕方のないことか。』
無凱さんを何だって?。
『お前は…無凱さんを知っているのか?。』
『ん?。余の好敵手となった男だ。あれ程の有意義な時間は久しく味わっていなかったからな。礼とし痛みなく排除したわ。』
『まさか…無凱さんが…。』
死んだのか?。
あの無凱さんが?。
じゃあ、閃さん達はどうなったんだ?。
『ああ…。ああ…。うう…。』
『しかしまぁ。場所は最悪か…。蛆虫が湧いておる。汚らわしい。』
奴が手を翳すと手の平から大量の魔力が放出された。技とか技術とかそんなんじゃない。ただ、量が多いだけの魔力がゾンビ達を消し炭に変えた。
『ふむ。まぁ。今はこれくらいで良かろう。後に全て消し去ってくれる。さて。』
奴が今度は全身から魔力を放出する。
『そんな…。馬鹿な…。』
魔力の放出だけで身体を浮かせるなんて…。
何て出力だ…。
空中で停滞する奴が楽しそうに笑う。
『期待するぞ!。この世界最大の宿敵達よ!。余は【神王】が1柱。【無限の神】ガズィラムだ!。ははは。はははははははははは!!!。』
そんな神を見ながら俺は考える。
無凱さんを倒したということは…コイツが…柚羽を…。許せないっ!。
『神具【積重籠手】起動。スキル【累積結界】。』
周囲に結界を展開。
柚羽…仇は取るから!。
ーーー
ーーー代刃ーーー
『皆…ちょっと良い?。』
僕は洞窟の中にいる無華塁、累紅、智鳴、氷姫に声を掛けた。灯月はまだ洞窟の奥みたいだね。早く元気になれば良いんだけど…。
『どうしたの?。代刃ちゃん。』
『うんとね。閃を助ける方法が分かったんだ。』
『それ。本当?。』
『代刃。凄い。』
『はい!。流石ですね!。』
皆、嬉しそう。そうだよね。改めて感じたけど。閃を助けたい気持ちは皆同じなんだ。
うん。僕も覚悟を決めないとね。
『クライスタイト…僕が喚び出した神具が教えてくれたんだ。閃は今、自分の中にいるもう1つの人格と戦っているんだって。』
『もう1つの人格?。』
クライスタイトに教えて貰ったこと 全て をそのまま皆に伝える。
僕が心の世界に入る能力を使うと死ぬことだけは内緒にしておく。心配かけたくないしね。
『僕の神具の中には心の中に入ることが出来る効果を持ってるモノがあるらしいんだ。それを使えば僕は閃を助けに行ける。』
『そっか~。良かった~。』
『閃が居れば安心…。』
皆、いっぱい。いっぱいだったのは見ていれば分かった。
閃があんな風になっちゃって、つつ美さんも無凱さんも死んじゃって…。
もう、どうすれば良いのか分からなかったんだ。
けど、クライスタイトのお陰で希望が見えた。閃なら、閃が戻って来てくれればきっと助けてくれる。何とかなる筈。そう思わずにはいられなかったんだ。
『代刃。ポケット。何か光ってる。』
『え?。』
けど、希望が絶望に変わる瞬間っていうのは…いつも一瞬なんだ。なんの前触れもなく事態は最悪な方向に進んでいる。
『これ…確か、閃が翡無琥にあげてたイヤリング?。』
翡無琥が耳に着けていたから、よく覚えてる。
確か、目の見えない翡無琥の為に閃が作った補助機の役割が組み込まれているんだよね。
何で僕のポケットに?。
『その。光ってるボタン。押してみれば?。』
『そ、そうだね。』
中央で光ってるボタンを押す。
ジーーー。ザーーー。ザーーー。
砂嵐のような雑音がイヤリングから流れ始めた。
『これ…通信機?。』
『閃。そんなモノまで作ってたの?。』
『光歌が作ってたのと一緒っぽい。』
ジーーー。み。ザーーー。ず。ザーーー。
ジーーー。み。ザーーー。ず。ザーーー。
『何か 水 って言ってる気がする。』
『この声…月涙ちゃんじゃない?。』
ジーーー。よう。ザーーー。い。ザーーー。
ジーーー。して。ザーーーザーーー。
『水を用意してって聞こえる。』
声の主が月涙なら水を用意してと言った意図に納得がいく。
『用意しよう。』
僕は大きな岩を退ける。
そこに出来ている窪みに氷姫の氷を入れ智鳴の炎で溶かすことで水を溜めた。
『出来たよ!。』
イヤリングに向かって叫ぶ。
すると、溜まった水が輝きだし、そこから月涙ちゃんが現れた。月涙のスキル【飛水】。水から水へ移動できるスキルで、水さえあれば距離は関係ない。
『月涙!。』
現れた月涙はボロボロの状態だった。
誰が見ても瀕死の重傷。全身が焼け爛れ既に身体の殆どを失っていた。
これも【バグ修正】の効果なの?。
『もう…しわけ…ありま…せん…。しきゅう…つたえ…な…け…ればと…おも…い…。』
『月涙…。』
僕は月涙を抱き抱える。これはもう手遅れだ。まだ生きているのが不思議なくらいの傷なんだ。
『拠点に何があったの!。』
『…きょ…てん…は…せい…あつ……され…』
制圧され?。誰に?。決まってる。神だよね?。
リスティナが言っていた日数より早い。きっと何かあったのか…。
『ぜん…めつ…です………。』
その言葉を残して月涙の身体は消えた。
最後の言葉…全滅?。拠点が制圧されて?。
全滅って…。
『そ…んな…。皆…死んじゃったの…?。』
『………。』
皆の顔が曇る。
信じられない。という思いと…命をかけて情報を伝えてくれた月涙の最期を見届けた今。現実は容赦なしに僕達に突き付けられた。
ーーー
ーーーステータスーーー
・青嵐
・刻印 No.5(左手甲)
・種族 【聖神信仰神族】
・スキル
【信仰眼】
【真眼】
【直感】
【対魔耐性】
【対邪神耐性】
【黄金都市接続】
【黄金武装展開】
・神具【信仰聖典】
・神化【聖神仰神化】
・神技【黄金郷聖法剣】
次回の投稿は29日の木曜日を予定しています。