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第114話 決着 仁

このお話を読んでくれている方々、

いつもありがとうございます。

これからも読んでくれると嬉しいです。

『さて、行こうか、何気に本気で戦うのはこの世界では始めてだね。スキル【装甲従者召喚】。』


 仁が手を翳した先に出現する7の召喚陣。

 その陣から現れた7人の従者達。

 

 仁が経営する喫茶店。

 そのスタッフ達が召喚された。

・従者リーダーであり初老の白髪の執事。鍛え抜かれた肉体と隙のない姿勢。【シルヴァ】。

・若き眼帯を付けた執事。裏がある笑みを浮かべる美男子。【ゼルド】。

・庭師兼暗殺者。前髪で両目を隠した寡黙な男。【リオウ】。

・メイド長。眼鏡を掛けた知的美人。【アリシア】。

・メイド兼喫茶店ウエイトレス。無表情、無口。光歌の専属。【メルティ】。

・メイド兼女医。エッチなことが大好きお姉さん。【ファルナ】。

・厨房担当、筋肉隆々。実は涙脆い心優しきコック。【ガドウ】。

 以上が仁のスキルにより召喚された従者達。


『ファルナ。煌真君と裏是流君の身体と魔力の回復を頼むよ。』

『はぁ~いな。』


 改造したメイド服のファルナが煌真と裏是流に近づき、治療を開始した。


『準備完了だ。じゃあ。やろうか?。』

『ふふふ。ええ。始めましょう。しかし、小さいですね。踏み潰して差し上げましょう。』


 巨人が仁を踏みつける。

 無抵抗のまま巨大な足の下敷きなった。


『ふっ、やはり体格差は明確だね。蟻がいくら集まっても分厚い皮膚を持つ象に勝てないようにね。君達の力など人以上巨人以下なんですよ!。』

『いや。思ったより軽いね。強化率を間違ったかな?。』

『む?。』


 足の下から聞こえる仁の声。


『よっ!と。』

『何っ!?。なっ!?。』


 仁の軽い…あまりにも軽い掛け声と同時に巨人の巨体が揺らいだ。

 体勢を崩され、必死に立て直そうとする巨人。


『はぁ…やっぱり、この姿は良いね。』


 仁は神具を使用した。

 それは装着だ。全身を包む黒いボディースーツ。各部に取り付けられたパワーアップパーツ。

 その姿は、休日の朝、子供達に夢と希望を与えるテレビ番組。世界征服を企む悪の組織と戦うの正義の味方(ヒーロー)。そんな存在を彷彿とさせた。


『久し振りに見たな…仁さんのあの格好。』

『仁さん。特撮のヒーロー番組大好きだからね…。』


 クロノフィリア副リーダー 仁。

 特撮番組を心より愛し、それは家族の次に全てを捧げる程であった。

 番組は全て録画、関係性のあるCM以外を削除する編集。DVDは初回版を予約購入。関連商品は全てコンプリート。ソフビ人形。変身なりきりセット。トレーディングカードなどなど。入手出来るモノは金に糸目を付けず全て手に入れた。

 その影響は、ゲーム。エンパシスウィザメントのプレイアブルキャラクターにも多大な影響を与えた。

 種族は【外部装甲機神族】。

 装備品のアイテムに対し多大なボーナスを獲得できる種族。特に身に纏う系統の装備には最強クラスの強化が与えられた。


『さぁ。本気で行くよ?。ファルナ。治療は終わったかい?。』

『え~。完了で~す。』

『よし。皆行くぞ!合体だ!。』


 宛ら、ロボットアニメの主人公のような気合い。掛け声と共に召喚された従者達はその真の姿を現した。

 コック、ガドウが両腕に…。

 メイド長、アリシアは背中の翼に…。

 若き執事、ゼルドは両足に…。

 ウエイトレスメイドのメルティは胸のパーツに…。

 女医のファルナは腰のパーツに…。

 暗殺者、リオウは巨大な剣に…。

 そして、従者リーダー執事、シルヴァは頭部の仮面に…。

 従者達が各々のパーツとなり仁の全身に装着された。


『変身…完了。』


 全身から溢れ出る尋常ではない魔力。その魔力は数多くの能力者を取り込んだ巨人のそれを圧倒的に上回っていた。


『す…凄い、魔力だ…。とてもではないが、私では敵わないな。しかし、それは過去の話。過去以上現在未満だ。君がどんなに強大な魔力を纏おうと、この絶対的な大きさの差は埋められないですよ?。』


 30メートルを越える巨人。

 巨人は取り込まれた鳥越のスキル【大以上小無効】により、巨人の身長より大きな存在でなければ巨人にダメージはおろかスキルの効果すら受け付けない。


『ははははは。』

『何故笑っているのです?。』

『君は知らないのかな?特撮には時間制限が設けられ限られた時間内に敵を倒して去っていく…そんな、ヒーローを…。』

『む?まさか?。』

『おっ!知っていたかい。なら、彼の戦闘スタイルももちろん知っているよね?。はっ!。』


 巨大な爆発と光の放出。

 腕を突き出した状態で、その姿は【巨大化】した。

 その身長は40メートル。圧倒的存在感を持つヒーローが顕現した。


『はーーーははは、はーーーははは!!!。』


 高々に響く仁の笑い声。

 それを見る煌真と裏是流が唖然としていた。


『仁さんって…アレになると性格変わるよな…。』

『なりきってるんだよ…。ヒーローに…。』


 その姿は森で戦っていたメンバーにも目撃されることになる。何せ、その身体は森の木々よりも大きいのだから…。

 特に、とある2人は興奮気味に喜んでいた。


ーーー


『きゃぁぁぁぁぁあああああ!!!あ!あれは仁様!おおっ!なんと言う凛々しき姿…。あそこに…仁様が…応援に行かなければいけませんね!。』


 多くの木々を薙ぎ倒し、木々よりも高い土煙を上げながら走り出す春瀬だった。


ーーー


『パパだ…。』

『ほぉ。仁か。あの姿懐かしいな。』

『白は、あの仁さんの姿好きッスよ!』

『もう!白!最高!それが分かるなんて!。』

『む?向こうで春瀬の魔力を感じるな?。』

『あっ!本当ッス!仁さんの方角に走ってるッスね!。』

『はっ!?何それ!?有り得ないし!あのバカ!パパに近付く気!?させないし!。』


 春瀬を追うように走り出す光歌。

 置いていかれる豊華と白だった。


ーーー


『さあ!行くよ!。』

『まさか!私の巨人よりも巨大な存在に遭遇してしまうとは…。運以上現実以下。しかし、構いませんよ!立ちはだかるなら越えるだけです!。』


 始まる純粋な殴り合い。

 プロレスにも似た、打撃、絞め技、投げ技、関節技の応酬。

 打撃を受け止め、体重移動に体勢崩し。倒れた相手に組技、絞めながら関節を取り破壊へと持っていく。身体を回転させ、関節技を返し飛び退き、体勢を整える前に蹴り技に切り替える。伸びてきた足を受け止め関節を捻り、俯せで押し倒す。足首を堅め間接破壊し更に力を込めダメージを与えた足首を骨ごと砕いく。


『くっ!まだです!。』

『ぬ!?。』


 人体の構造を無視した動きで組敷きられた状態から離れた。


『ほぉ…噂に聞く高速再生ですか…破壊した筈の足首も既に再生している。』

『ええ。この巨人を倒すには一撃の元に消し去るしかありませんよ?。』

『ふふ。そうですか。なら、そうさせて貰いますか。私にも時間はありませんので。』


 胸に輝く宝石が点滅を始めている。


『徹底していますね。そんなところまで再現しているとは…感服いたします。』

『ありがとうございます。まあ、長話も何なので…スキル【外武装神化】!。』


 仁の神化。

 外武装を解除し、飛び込む。


『速い!?。』


 懐に着地し巨人を殴り飛ばす。

 後を追う為に翼を装着。神化した状態の仁の武装は出力が3倍以上に強化されている。

 驚異的な加速で瞬時に巨人に追い付き、脚部の強化外装で蹴りを入れ、腕の強化外装で殴る。

 巨大な剣を手に取り、巨人を斬り付け地面に叩き付けた。


『ぐっ!。』

『トドメです!神技【神武装解砲撃】!。』


 頭部、胸部、下腹部のパーツを再び装備。完全武装となった仁の胸に埋め込まれた宝石から巨大な魔力砲撃が放たれた。


『素晴らしい!私の巨人を越える存在…。大は小を兼ねる…。果たして小だけの存在に何が出来るのでしょうかね…。紫柄…すみません。やはり、勝てませんでした。』


 砲撃に巻き込まれ巨人は細胞の一欠片も残すことなく消滅する。そして、巨人と同化していた鳥越も跡形も残らず蒸発してしまった。


『悪は滅びました。ヒーローの去る時間です。さらば!。』


 その言葉を残し、仁は遥か彼方へと飛び去って行った。

 そして、数分後。何食わぬ顔で煌真と裏是流の前に現れ2人に呆れられ、遅れて合流した春瀬と光歌が仁を取り合ったのだった。


『彼等は…紫雲は…無謀すぎる。いったい何を知ってこのような行動に出たのか…。神…そう呼ばれる存在のことを、早急に調べないといけないか…。』


 そんなことを呟く仁。

 クロノフィリアが巻き込まれている事態に対し現状、知らないことの多さに不安感を露にする仁であった。

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