第103話 矢志路 VS 常暗
ーーー矢志路ーーー
俺の神具【呪血縛脈吸刀】から滴る血液を斬撃に変え常暗を攻める。
飛んでくる斬撃を紙一重で躱す常暗。
どうやら、あの肩に乗っている小せえ妖精もどきが予知に近い能力で常暗を上手く回避させているようだ。
ドンッ!ドンッ!ドンッ!。
銀の銃から発射された銀の弾丸。
『無駄だ。』
『っ!?。』
『はずれたよ!はずれたよ!。』
スキル【干渉拒絶】で銃弾が逸れる。
銀製の武器は俺にとって猛毒だ。触れれば、その部分から焼かれ腐り落ちる。
『雑魚の攻撃は俺には届かねえよ。』
『………。』
ドンッ!ドンッ!ドンッ!。
無言で更に3発の銃声。しかし、結果は変わらない。虚しくも弾丸は俺の身体を勝手に避けていく。
『だから無駄だって言ってるだろう?雑魚は学習能力が無ぇのか?。』
『ふん。成程。噂通りのスキルのようだ。』
『はあん?。』
『悪いが貴様のスキルは封じさせて貰おう!【聖光邪穢封陣】!。』
広範囲に展開されたドーム状の光の結界。
見ているだけで気持ち悪ぃな…これ。
『これは…何だ?。』
『今に分かる。』
ドンッ!。
再び放たれる銃弾。
本来なら俺の【干渉拒絶】で、銃弾は勝手に逸れる。
しかし、今回の銃弾は、いとも容易く俺の左肩を貫き、その下の腕を引き千切った。その腕は無惨に地面を転がり、傷口から大量の血が流れ落ちる。
『ぐっ!?。』
『めいちゅう!めいちゅう!。』
『へえ。銀の弾丸をくらっても叫ばないのか?かなりの激痛の筈だが?。』
『ちっ…雑魚のクセに…セコい手を使いやがって…。』
この結界の効果か?俺のスキルが発動していない。【干渉拒絶】だけならまだ良いが…そう優しいモノでもないらしい。
『気付いたようだな。この結界は、闇属性に属するスキル全ての魔力を封じるモノだ。君の種族は聞いている。【呪血夜行神族】。吸血種の中でも最上級の強さを持つ種族だ。覚えることが出来るスキルに闇の属性、血、呪い、魔、死などの性質を含むスキルの取得にプラスの補正がかかる。だが、この結界は、その全てを封じ込め外部への放出を出来なくする効果を持つ。』
『ちっ…よく喋る野郎だ…雑魚のクセに…。』
スキル【呪血再生】で、落ちている腕を拾い接続しようとするも、再生しない。何とか身体の内側へは影響するようで出血は止まったが。
『ふふ。無駄だ。再生は出来ない。聖なる力による治癒なら発動可能だが闇属性の血による再生はその効果を発揮できない。』
『ふん。そうかよ。』
俺は腕を捨てた。
『因みに結界の外に逃げようとしても無駄だ。この結界は魔を封じ、魔を滅す。触れれば貴様の身体など1秒も持たずに消え去るだろう。まあ、だが、貴様のスキルに少しでも光属性の性質を持つスキルがあるのなら使うが良い。この結界は光属性のスキルの効果を上昇させる。…ふっ。最も、貴様の種族は光属性系統のスキルの取得には時間がかかる上にマイナスの補正がかかる。覚えているわけはないか…。』
嘲笑う常暗。
完全に自分の勝利を疑っていねぇ。
『なら、やってみるか!【呪血槍】!。』
血液を操り槍を作るスキルだが…。
『ちっ…。』
血液を操れない…。形を形成できない。
外効魔力が使えなければ俺のスキルの殆どが封じられたってことかよ…。
しかも、神具も影響を受けてるな…滴ってた血も止まって、ただの刀になってやがる…。一発逆転の神技もダメだな…。
『無駄だと言っているだろう?。』
銀の銃が形を変化させ十字架型の剣に姿を変えた…。野郎…徹底して俺の弱点を…。
あの武器は…代刃の【魔柔念金属】と同じような性質なんだろう。代刃の奴は様々な金属の性質を付与できるが、奴は徹底して銀製の武器だけ。
『これで君にトドメをさそう!。』
驚異的な踏み込みで間合いを詰める常暗。
『はっ!そんなんで俺を無力化したつもりかよ!。』
なめられるのは勘弁ならねぇ。意地でも一泡吹かせてやる。
俺の種族の常時発動型の固有スキル【呪血身体強化】を更に高め身体能力を強化する。
『なっ…にぃ!馬鹿な!?歯で!?。』
迫る十字架型の剣を歯で受け止める。
くっそ…歯が溶ける…痛てぇな…。
『ふんっ!。』
『ぐっえ!?。ぐぁっ!。』
残っている腕で常暗の顔面を殴り、バランスが崩れたところで握った服の襟を引っ張ってそのまま地面に叩き付ける。
『はぁ…この野郎、服にまで結界と同じ効果を…。』
襟を握った腕が焼けただれている。
マジ痛てぇぞ…これ。【呪血再生】。
焼けた腕と溶けた歯が元通りに戻った。思った通り内効魔力なら効果を発動出来るようだ。
『はっ!どうよ!雑魚が!俺を能力にかまけた雑魚と一緒にするなや?。』
『……。確かに侮った。能力面の弱体化だけでは不足だったようだ。肉体面での弱体化も追加しよう。』
『あん?。』
『はっ!。』
飛び跳ねる常暗。
そして、奴が次にした行動は…。
『スキル【疑似太陽召喚】!。』
もう1つ天に輝く忌々しい太陽の他に、光を放つ球体が奴の頭上に出現した。
智鳴のような全てを燃やし尽くす技ではないようだが、俺の身体には充分すぎる…。
『こいつは…ぐっ!?。』
全身が焼け焦げ黒い煙を上げている。太陽が2つだと!?只でさえ普通の太陽でもキツいのに間近に2つ目か…。
ぐっ!…身体が…。力が抜けていきやがる…。
『これは、もう1つの太陽だ!。闇の性質を持つ種族には太陽の光を苦手とするモノが多く存在する。君のような吸血種やアンデッドの種族だ。この疑似太陽はそういう奴等と戦う時に便利でな。勝手に弱っていくんだ。』
『その勝ち誇った面ぁ…止めろ。気持ち悪ぃ…。』
『…ここまで追い詰められて減らず口を叩けるとは…呆れを通り越して感服する。』
ちっ…。視界が霞む…。全身が熱い…。気持ち悪い…。ダルい…。
『まあ、それもここまでだ。』
再び、十字架型の剣を構える。
そして、懐から何かの液体が入った小瓶を取り出し剣に掛け始めた。
『これは、聖水だ。この水に君が触れれば、その肉体は焼け爛れ溶け落ちる。これで先程のように歯で防ぐことは出来ない。これから最も苦しむ方法で殺してやろう。』
『ソイツはどうも…ありがたくて反吐しかでねぇわ。』
『最後に名乗ろう!。』
『いや、要らねえよ。』
『まあ、俺の勝手なルールだ。自分を滅ぼした存在を良く知らぬまま消滅するのは心残りだろう?。』
『…はぁ…好きにしろや…。だりぃから早くしろよ。』
『本当に口が減らない。』
『へらない!へらない!。』
剣の切っ先を俺に向けた後、天に掲げて高らかに名乗り出す馬鹿。
『紫雲影蛇所属 常暗!又の名をヴァンパイアハンター!種族は【聖神信仰王族】!我が武装【操念銀】で数多の魔を滅ぼしてきた!』
よりによって叶さんと同じ種族かよ…やっぱ、最初から天敵だったってことか…。
『さあ、待たせたな!では、滅びの時間だ!。』
聖水を掛けた剣を振り掲げ、突進してくる常暗。動きが僅かに雑になる。剣が触れさえすれば勝てるんだ。その考えが動きを鈍らせている。
はぁ…仕方ないか…。残った腕も消え去るが、奴を倒せば再生出来るだろうし…。
『覚悟!。』
借りるぜ。聖愛!。俺の全魔力だ!持っていけ!。
『聖魔十字光!。』
『なっにっ!光属せ…!?ぐぅぁぁぁあああああ!!!。』
聖なる力を持った巨大な十字架型の光の剣。
聖愛は俺の力を受け取ったことで【呪血十字光】へと進化させ使用していたスキル。契約を交わした今、俺も聖愛のスキルを 元々 の性質で使うことが出来る。つまりは、光属性のスキルとして。
黒璃や暗は俺と同じ闇属性のスキルしか持っていない。唯一、光属性のスキルを持っているのが聖愛だった。
俺の全魔力と結界の作用によって何倍にも強化された十字の光が常暗の身体を呑み込み結界をも破壊し、疑似太陽も光の放出に巻き込まれ消滅する。
甘く見ていたが光の結界の効果は本物だったな。結界の効果で強化された聖愛のスキルで失うのは腕くらいだと思っていたが…。
『半身…持っていかれたな…。かっはっ!?。』
スキルを発動させた腕を中心に胸と腹も半分消し飛んじまった…。
『はぁ…はぁ…【呪血再生】…。』
周囲の結界が消失したことで俺のスキルも復活したようだ。失われた部位の再生が始まる。
『雑魚のクセに…手こずらせやがって…だが、まさか、今のを避けるとは…。』
『はぁ…はぁ…。自らの身体を犠牲にしてまで光属性のスキルを発動させるとは…俺も腕を失ったが…君も今の再生で限界だろう?。』
魔力も残り僅か…血も足りない…体力も…限界だ…。
『俺はまだ片腕と妖精を失っただけ。』
良く見るとさっきまで常暗の横に飛んでいた妖精もどきが消えている。おそらく、あれは常暗のスキルの補助をする端末機のようなモノだったのだろう…さっきの光で消滅したようだ。
常暗が再び銀の剣を手に握る。
『限界…か…。お前の言う通りだが…。』
『血を補給しないと魔力も作り出せない吸血種が…この状況で何が出来ると言うのか。』
『ははははは…。』
『気でも狂ったか?何がおかしい?。』
『血ならあるだろう?。ここに。』
転がっている俺の片腕を蹴りあげた。
『それは!さっき俺が撃ち抜いた…。』
腕に残った血を吸収。僅かだが魔力が回復するのを感じる。
そして、既に結界も太陽もない。ならば、後は…目の前の雑魚を倒すだけ。
『悪いが悠長に遊んでる暇は無いんでな。一撃で決めるぜ!スキル【呪血神化】!。』
俺の種族スキルであり切り札。
赤い仮面とマント。長い爪を持つ死神が顕現する。
『舐めるな!吸血鬼が!』
『神技!【呪血黒爪赤牙】!。』
勝負は一撃でついた。
交差する斬撃は俺の身体を掠め、常暗の身体を分断した。
『くっ…。吸血鬼風情が…。』
『言ってろ。雑魚が…。』
砂のように消えていく常暗とスキルが切れ元の姿で倒れ込む俺。
僅かに残った傷の修復を終え地面を這いずって日陰まで移動する。
『ダメだ…限界だ…。アニキ…皆…わりぃ…少し休む…。』
そのまま省エネモードに移行し回復を待った。
ーーー
ーーー火車ーーー
俺の名前は火車。
全力で暴れられるという白蓮の奴の誘いを受け噂に聞くクロノフィリアって奴等と戦うことになった。
運良く赤皇の野郎をギルドから追い出すことに成功し、俺が新たにギルドマスターになった。
元々自分のステータスに自信があった俺はギルドマスターになった特典で更に驚く程強化された。
赤皇の奴が強かったのはこの恩恵のせいだったって確信したね。あの野郎、いつも偉そうにしやがって気に食わなかったんだが…今じゃ俺の方が圧倒的に強いからな。まあ、放置で良いだろう。
大会では銀髪のエロい女に油断して負けちまったが、今はルールなんて無い殺し合いだ。やっと俺の本領が発揮できる戦いが始まったって訳だ!。
俺に恥をかかせた銀髪の女を探していたら、これまたエロい姉ちゃんに出会し戦うことになった。
つつ美とかいう女は、自分の身体を操作し俺のモロに好みの姿へと変わっていった。
最高だ。こんな女を力で屈服させ思い通りに調教するのが好きな俺は沸き上がる興奮を抑えながら女と戦闘を始めた。
『らっ!。』
『きゃっ!。』
俺の拳がモロに女の腹に直撃し、その威力に女の身体が吹っ飛び巨大な木に叩き付けられる。
コイツ、弱いな。俺の加減した拳で相当なダメージを負っている。
自分の強さが怖ぇな。なるべく綺麗な身体で俺のモノにしたいからな、手加減して戦っているっていうのに力も速さも俺が圧倒的に凌駕している。
はぁ…やっぱ、噂のクロノフィリアって言ってもこんなもんかよ…。てか、俺が強くなり過ぎちまったんだな…。
『くぅ~…強いね~…。うっ。』
女の首根っこを掴み持ち上げ木に押さえ付けた。
何度見ても良い女だ。顔も身体も全てが俺好み。見てるだけで生唾が溢れ出てきやがる。
『おい、女。俺との力の差は理解出来ただろう?。これ以上、痛い思いをしたくねぇなら大人しく俺の女になれよ?。』
『くっ~…。嫌よ~…。そんなの~…。』
『はぁ…こっちは、優しさで言ってやってんのに強情だな。まあ、どっちにしろ抵抗心を粉々にして屈服させるのは変わらないがな。』
そのまま、地面に叩き付ける。
『きゃぁぁぁあああ…。』
んん…悲鳴も良いねぇ~…。
『さて、楽しませて貰うぜ?。』
『ひぃ…な、何するの~?。』
『うるせえ。黙ってな。』
『ぐあっ…。』
俺は女の腹を殴る。
何度も…何度も…何度も…。
『かっ…。』
何十回殴ったか。いつの間にか女は反応しなくなっていた。
そのまま、女の着ている服を脱がしていく。
『ひゅ~。やっぱ、めっちゃ良い身体じゃねぇか。』
女を下着姿にしたところで、女の手足にスキル【火輪縄】を発動。手足、首に巻き付け身動きを封じた。
『おい。起きろ。』
冷たく言い放ち、女の頬に平手打つ。
『かはっ…。かはっ…。何~…したの~…。うっ~…動けない~…。』
へぇ。冷静に自分の状況を確認している。雑魚とはいえ流石クロノフィリアってことか?まあ、もう手遅れだがな。
『これから何をされるか分かるか?。』
『………。こくり…。』
自分の格好と身動きの出来ない状況。自分に跨がる俺の姿。それを確認し女が羞恥心から頬を赤らめ顔を背けて小さく頷いた。
ゾクゾクっと興奮が全身を駆け巡る。
『抵抗しても無駄だがな。精々可愛く叫んで俺を楽しませろよ?俺の忠告を聞かなかった罰だ。悪いが優しくはしてやれねぇがな!ははははは!。』
その後、俺は本能のまま女を犯した。
この女…反応も最高だ!全てが俺の為に生まれてきたんじゃないかと思えるくらいに…。
何度も…何度も…何度も…何度も…何度も…犯し続けた。
『ひひひ…ひひひ…はははははははははは…。』
ーーーつつ美ーーー
『あらあら~。嬉しそうに~。そんなに私の身体~。気に入ってくれたんだね~。良かったわ~。』
私の少し上にある火車ちゃんの顔を眺めならが艶やかな笑みが浮かぶ。ふふふ~。
火車の身体には何本もの細い触手が絡み付いている。そして、触手の先端にある更に細い触手が耳や鼻、口と身体の至るところにある穴に侵入していた。
そして、身体そのものを覆うように取り囲む植物の口に呑まれていた。
口の内側に分泌される液体が火車の服を瞬く間に溶かし全裸へ。
『ああ~。美味しそうな~。身体ね~。ふふふ~。その液体は~。人間を回復させる効果があるのよ~。私の~。食人植物の~。中で~。良い夢みてね~。』
静かに閉じていく植物の口。その中へ消えていく火車。
この植物は、火車の身体を徐々に溶かしその栄養を吸収する。しかし、分泌される液体によって火車の身体は強制的に癒される。
そして、同時に精力と魔力を口内にある触手で吸収。それは、つつ美へと見えない魔力の管で送られ続け種族としての力へと変換され続ける。
『これからも~。宜しくね~。永遠に~。私の餌として~。ふふふ~。』
火車の運命が決定した。その命が尽きるまで、つつ美の餌であることが。
しかし、能力者に寿命はない。悲しいことに火車はリヒトを服用していなかった。服用していればやがて薬の副作用でその身体は砂となって消滅、この無限地獄から解放されたことであろう。
つまり、永遠に餌として生きていくこととなる。夢の中でただひたすらに、幻影のつつ美を犯し続けながら…。
ーーー
ーーー裏是流ーーー
『龍星流群!。』
紫雲影蛇 紫音。
頭上に浮遊し、広げた傘を天に掲げ、魔力による無数の星が発生。傘を振り下ろすと同時に星が龍へと変わり僕に降り注いで来る。その数は30以上。各々がバラバラに動き僕に迫ってくる。
『マジかよぉ!範囲広すぎるよ!。【幻想分身】!。』
魔力で作る実体を持つ分身。最大10体。ある程度のダメージを受けると煙を発生させて霧散する性質を持つ。
それを壁として使うも全部を防ぎきれない。
『【幻想体化】!。』
今度は自分の身体を幻に変えるスキルで龍達は僕の身体をすり抜けた。
くっ…これ他のスキルと併用すると魔力を異常に消費するんだよね…。
【幻想獣召喚】で100体の召喚と使役をしている今、【幻想体化】は連続で使えない…。
行動できる範囲が限られている以上、広範囲の攻撃をされると今の僕じゃ対応しきれない。
『当たらない。じゃあ、続けるから。とっとと死んで!。』
今度は傘を閉じて振り抜いた。
傘の先から放たれる飛ぶ斬撃。
『うっ!?マジか!そんな攻撃も!?。』
薄い斬撃なら今の状態でも避けられる。
身軽さなら僕の得意なことだ!。
『これもダメだ。なら!。これで!。』
傘の先端に魔力が集束していく。
あっ!もしかして、あの構え…。
傘全体が徐々に光り輝いていく。
『いくよ!星雲砲撃!。』
やっぱり!極大の大型砲撃!。
これは避けきれない…【幻想体化】もまだ再発動に時間が掛かるし…ダメだ…直撃…。
『【聖光壁】!。』
大型砲撃が突如出現した光の壁に阻まれ消失した。
あれ?このスキルは…。
『あらあら。ピンチじゃない。裏是流ちゃん?。』
そこに居たのは宙に浮く白いドレスを着た女性。頭には光輝くリング、背中には天使の翼。
普段は叶さんと一緒に行動している…いや、一緒にしか行動できない幽霊の女性。
『あれ?幽鈴さん?何で1人で?叶さんは?。』
『ふふ。別行動よ。ここは、私に任せて裏是流ちゃんは下のゾンビ達を片付けて来なさいな。』
『良いの?でも、幽鈴さんは…。』
『大丈夫よ。叶も近くに居るからね!私だけでも戦えるわ!。』
『そうなんだ。分かった。ここは任せるね!。』
『ええ!。』
僕はゾンビと化した観客の群れに飛び込んだ。幽鈴さん!任せたよ!。
ーーー幽鈴ーーー
黒のゴスロリ風のドレスを着た少女が私を見下ろしている。
私が見えるのは私と同じレベル150の能力者だけ。
『貴女…誰?。』
『あらあら。私の姿。見えるの?。』
『ん?うん。ばっちり。』
『へえ。じゃあ例の薬。飲んじゃったんだね。』
『そう。命を懸けて貴女達、クロノフィリアを殺すわ!…まあ、貴女は幽霊みたいだし、消滅させてあげる。』
『そうなんだ。どうしてそこまでするのか分からないけど…。こちらにも譲れないモノがあるから。私も貴女を殺すわよ?。』
『構わない。どうせ死ぬし。その前に貴女を消すだけ。』
『………。』
真剣な彼女の瞳。
そうか…悲しいけど。戦うしかないわね…。
はぁ…。
『クロノフィリア所属 幽鈴!全力で貴女の相手をするわ!。』
『紫雲影蛇 紫音。私の星々が貴女を撃ち落とす!。』
幽鈴と紫音の戦いが始まった。
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・名前 常暗
・レベル 150(リヒト使用時)
・種族 【聖神信仰王族】
・種族スキル 【光属性効果増大】【限界突破】
・スキルスロット 12+リヒト影響(+3)
・スキル 【聖光邪穢封陣】 スロット 4+2
【疑似太陽召喚】 スロット 3+1
【肉体強化】 スロット 1
【闇属性耐性】 スロット 2
【聖水生成】 スロット 1
【小型端末妖精】 スロット 1
・武装 【操念銀】【対闇属性コート】