5ー6 初日
とある大きいベットのある部屋に翔太達四人は話し合っていた。
「どうするのよ?翔太」
「分からない」
梨花が口を開くと翔太は答えた。
「皆んなの意見を聞きたくて……皆んなはどうしたいんだ?」
翔太は三人に質問すると三人は口を閉じたが、蓮司が考えたのち口を開いた。
「俺はしばらくここにいてもいいと思う」
「蓮司!なんでよ?!」
蓮司の意外な答えに梨花は驚いた。
「なんでって。地球に帰る方法が無いって聞いただろ?」
「そうね」
「だったら暫くこっちで暮らして力をつけた方が良いと思ってるんだ」
「つまり?蓮司は闇の使徒と戦う道を選ぶのか?」
翔太が蓮司に聞くと頷いた。
「確かにこのままでも良い。でも……もし闇の使徒のせいで闇の王ってのが復活したら俺達も死ぬんだぞ」
翔太達は何も言い返せなかった。
実際蓮司の言っている事は正論だ。
「翔太はどうなんだよ?ずっと質問しててよ。お前は闇の使徒と戦う道を選ぶのか?」
蓮司が翔太に聞くと小さく頷いた。
「翔太君?!なんで?死ぬかもしれないんだよ!?」
翔太の思わずの返事に雪は慌てて翔太に声を掛けた。
「分かってるよ。これはゲームじゃ無い。現実だって……」
「なら……」
「でもこのままだと闇の王によって全員が殺される。そうだろ?雪」
「………」
「それに僕達だけじゃない。この世界に住む人達が全員死ぬかもしれないんだぞ」
翔太の答えに雪は黙っていたが渋々頷いた。
「ああ!!もう!……分かったよ。私もやるよ!」
「梨花……」
梨花の返事に翔太は頷き、部屋の扉の前に居るシエラに声を掛けた。
「シエラさん」
「ショータ様。お話し合いはどうでしたか?」
「僕達やります」
「とういことは?」
「はい。闇の使徒を倒します」
翔太の返事にシエラは喜んだ。
「ありがとうございます!……ですがもう一人の方が」
シエラの言っているもう一人の召喚者は熊鉄の事だった。
「あいつはそのままでいいよ。シエラさん」
「……分かりました。それでは私の後について来てください」
「何をするんですか?」
「皆様には適正魔法について調べます」
「適正魔法?」
「はい。文字通りです。それは行く時に説明をします。」
翔太達はシエラの後をついて行くと子供の身長がありそうな水晶とその周りに魔道士がいた。
「それでは、私のように水晶に手をかざしてください」
シエラが水晶に手をかざすと金色に光出した。
「私の場合は神の光を持っている為、水晶が金色に光りますが他にも赤、青などがあります。それではショータ様から順にいらしてください」
シエラの指示通り翔太は前に進み水晶に手をかざす。
すると水晶の色は赤色に変わった。
「赤色、と言う事は適正魔法は炎ですね」
「確かに。翔太の髪の色赤色だしね」
翔太は後ろに下がり、蓮司が前に出た。
「蓮司の髪の色は茶色か。茶色……」
「変な考えは止めろ。取り敢えずやるぞ」
蓮司は水晶に手をかざすと、茶色に光った。
「これは……地魔法の適正ですね」
「次は私ね」
蓮司は後ろに下がると梨花が前に出て、水晶に手をかざした。
「水色という事は氷の適正です……最後はユキ様ですね。どうぞ」
雪はシエラに促され水晶に手をかざすと金色に光出した。
「この輝きは……!!」
すると今まで黙ってシエラの後ろにいた司祭が声を荒げた。
「私と同じ光……ユキ様は私に付いてきてください。他の皆様は横に居る魔導士に付いてきてください。それではユキ様、こちらへ」
雪はシエラに促され、シエラの後に付いて行った。
「皆様。これより軽く魔法の使い方を教えます。」
翔太達の横に居た魔導士は声を掛けた。
「あ、あの。雪は何をするんですか?」
翔太はシエラの後に付いて行った雪について尋ねた。
「はい。ユキ様は特別でシエラ様が魔法の使い方を教えます」
「分かりました」
「それではこちらへ」
魔導士は翔太達を案内し机がある部屋にやって来た。
「それぞれお好きな席に座って下さい」
魔導士は翔太達にそう言うと三人は前の席に座った。
「よろしいでしょうか?それでは魔法はーーーーー」
―――――――――――
「今日はここまでです」
魔導士は翔太達にそう言った。
「え?もう終わりですか?」
梨花は内容の少なさに驚いていた。
「はい。今日この世界に召喚されたばかりなので今日は軽くにしました」
「そうですか……明日の予定は?」
翔太は明日の予定を魔導士に聞いた。
「明日からは本格的な訓練と魔法の勉強です」
部屋の扉があった所から声が聞こえ、扉の方向を見るとシエラと雪が居た。
「雪!大丈夫だったか?」
翔太はしばらく姿を現さなかった雪に寄った。
「うん。私は大丈夫だったよ。みんなは?」
「雪。俺たちは全然大丈夫だぞ!」
蓮司は雪にそう言うと雪は安堵のため息を吐いた。
「ところでシエラさん。訓練って何をするんですか?」
梨花は明日の訓練について聞いた。
「明日は戦闘のために必要な体力作りと戦闘訓練です」
シエラの話を聞いた翔太は何かを思い出したようにシエラに聞いた。
「そういえばアイツ……熊鉄は?」
「クマテツ様は……その……」
熊鉄の話になった瞬間シエラは歯切れ悪くなった。
「どうしたんですか?」
「あの方はもうすでに訓練を始めています」




