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4-22 南へ

『ん……うう……あれ?ここは?』


 シエラは目を開けるとそこは白い空間に居た。

 

『久しぶりね。シエラ』


『あなたは。アイナ』


 アイナと呼ばれた女性は銀髪で金色の瞳を持っている女性だ。


『なんで私をここに呼んだのですか?』


『そうね。あなたに光魔法のまだ教えていない魔法と翼の効力について教えるわ』


『なんでですか?昔はまだって……』


『昔はまだ余裕があると思っていたからね。まさかこんな早くに闇が目覚めるは思わなたっかのよ。』


『それってアルクさんのことですか?』


『いやアルクではない。第一アルクは……いや今はまだいいわね』


『どういうことですか?』


『気にしなくていいわ。さあ。始めましょう。ここに座って』


『……分かりました』


 シエラはそう言いアイナに向き直ると目を閉じ、アイナから情報が直接シエラの脳に共有された。


 しばらく経つとアイナからの情報の共有が終わるとあまりの情報の多さにシエラは地面に手をついた。


『アイナ。教えてください。2000年前……光暗戦争(こうあんせんそう)の時何が起こったのですか?』


――――――――


 光暗戦争とは2000年前に光と闇の全盛期の時、光と闇があ互いの領土を求めて起きた戦争だ。だがその戦争がいつ終わりどのように終わったのか誰も知らない。


―――――――


『ごめんねシエラ。今はまだ言えない。けど必ず知る日が来る。それまで耐える事ね』


 するとアイナは立ち上がり歩き始めた。


『今日はもう終わりですか?』


『そうね。また今度ね』


 アイナは振り返り手を振るとシエラの視界がぼやけた。


ーーーーーーーーーーーーーー


「クッ……うーん……ここは……!」


 アルクは目が覚めるとそこは森の中だった。


 アルクは急いで収納魔法から「黒赤刀」を取り出し周りを警戒した。


 ある程度警戒をし、危険がないと判断したアルクは刀をしまい傷の治療を始めた。


 アルクはここはどこなのかを考えていた。しばらく歩いているとアルクは馬車道に出る。


(いや。今はとにかく人が来なさそうなところまで行くか)


 そう判断したアルクは刀をしまい歩こうとした。


 だがアルクの背後にアルクを見つめる視線を感じたが、敵意の無い視線だったのでアルクは気にせずに歩き始める。


 しばらく歩いていると夜になり始めアルクは野宿する場所を決めると食料を手に入れる為動き始めた。


(まさかこんな所で師匠から教わった野宿の仕方が役に立つとはな)


 アルクはそう思いながら毒が無い木の実や山菜、肉を手に入れ調理を始めた。


(ふん……一体いつまで俺を見てるつもりだ?)


 未だにアルクが目を覚ましてから感じる敵意の無い視線はまだある。


 だがアルクが調理を始めた途端に視線の先から光が八つ現れた。


 アルクは急いで刀を取り出して構えようとしたが、アルクが刀を構えるより早く動き、アルクのとって来た肉を奪い取る。


「え?肉……俺の肉!」


 アルクの一瞬の出来事に放心していたがすぐに状況を判断した。


「蜘蛛?」


 アルクが目を覚ましてから感じていた視線の主は蜘蛛であった。


「これは……」


 アルクは急いで取られた肉を取り返そうと蜘蛛を捕まえようとしたがすぐさま木の上に肉を食べ始めた。


「ホワイトスパイダー……こんなところで会うとは珍しいな」


 ホワイトスパイダーは文字通り外見が白いが中型犬ほどの大きさの蜘蛛だ。


 またホワイトスパイダーの目は宝石の如く輝き闇市やオークションでは破格の値段で取引されている。


 そして他の魔物と違う所は滅多に人を襲わず前から同じようにずっと人を見ているだけだ。


「いいよ。それはもうお前の物だ」

 

 アルクはそういうと肉を奪った蜘蛛を放置しとって来た木の実や山菜のスープを飲み眠りについた。


 翌日目を覚ましたアルクはこれからの事を考えていた。


(このまま逃げるのもいいが恐らく指名手配される……それに闇について気になる事がある……よし。一度帰るか)


 アルクは悩んだ末自分の生まれ故郷、クプ二村に帰ることにした。


 アルクは収納魔法から羅針盤を取り出した。


「確かクプ二村は南にあったよな……とりあえず南に向かうか」


 アルクはそういうと南に向かって歩き始める。


 するとアルクの足元に白い影が通った。


 そこには昨日のホワイトスパイダーがいた。


「なんだ?お前もついてくるのか?」


 アルクはホワイトスパイダーに聞くとホワイトスパイダーはこくりと頷いた。


「じゃあついて来いよ……あと自分の飯は自分で取れよ」


 アルクはそういうと「グァ」と鳴きアルクの後ろを付いてきた。



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