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4-16 黒騎士カイルvsアルク4

「アル……クなの……か?」


 セイラは背中に生やしたアルクを見ていた。アルクは背中に生やした翼を開いたり閉じたりしていた。


「黒……いや赤?」


 アルクに生えた翼は外側が黒で背中側が赤と珍しい色をしていた。


「アルク……ふふふ。そうか。まさかこんな近くに裏切り者がいたなんてな」


 カイルはアルクに生えた翼を見ると不思議な事を言った。


「裏切り者?俺はお前の仲間になった覚えはないぞ」


「いいや。その翼は我らを裏切った者の翼だ。忘れもしない太古の昔に我らを王を裏切り、王を封印した者の翼を」


 カイルがそう言うとアルクは密かにアレスに聞いた。


『どう言うことだ?』


『それは後で話す。今は戦いに集中しろ』


 アレスにそう言われるとアルクは刀を構え、カイルを見る。


「ああ。ここで裏切り者を殺せる。お前が……お前達さえ居なければあの時我らが勝っていたのだ。本当に忌々しい」


 珍しくカイルは憎悪の言葉を吐き、刀を構えているカイルを睨んだ。


[暗黒剣・影の刃・鮮烈]


 カイルは影からもう一人の黒騎士を召喚し、アルクを切り刻もうと距離を詰めた。いつもなら防ぐだけで精一杯だが、今回は違った。


[我流剣術・八重切り]


 アルクは迫って来たカイルとの黒騎士の攻撃を弾き、カウンターでカイルと黒騎士を攻撃する。


 すると今まではカイルの甲冑に傷が付かなかったアルクの攻撃は、カイルの甲冑を切り、カイルの肉体に刃が通っている。


 その証拠にカイルの甲冑の隙間から血が流れている。


 アルクは召喚された黒騎士の頭蓋を叩き割る。


(血が流れてる……いける!)


 カイルからの血が流れているのを確認したアルクは攻撃を続けようと距離を詰めた。


「ふざけるな!この裏切り者が![暗黒剣・三日月狩り(ムーンハント)]」


 カイルは距離を詰めようとするアルクに剣を振ったが、アルクはカイルの剣を刀でいなし左肩から右脇腹まで袈裟斬りをした。


「ぐあぁぁ!」


 カイルはアルクに切られた傷を手で触れるとカイルはアルクを睨んだ。


「貴様……王より頂いた鎧に傷を付けたな!裏切り者の分際で!」


 カイルは自分の怪我より鎧を傷つけられた事に怒り、攻撃をより一層激しくした。


[暗黒剣・闇の斬撃(ダークスラッシュ)・鮮烈]


 カイルはアルクに闇の斬撃を複数飛ばしたがアルクはそれらを全て切り、カイルに攻撃をしようとしたが、カイルはそこにいなかった。


「うがあああ!」


 カイルはあの一瞬でアルクの懐に忍び込みアルクを上に殴り上げる。


 アルクは自分の背中に翼が生えたことにより魔力無しの飛行能力を持っており空中で体制を立て直し、空中に浮いた。


[闇魔法・地獄炎(へルフレイム)]


 アルクは闇魔法をカイルに放った。


 少し前ならアルクの放つ魔法はカイルの剣技によって消されたが、今度は完全に消すことが出来ずに、カイルはアルクの魔法を喰らってしまった。


「ぐああぁぁぁ!」


 アルクは攻撃を辞めずに闇魔法の威力を上げカイルに放った。


「ぐあぁぁ……ぁあ…な…舐めるな!」


 カイルは力を振り絞り剣を振りアルクの闇魔法を消した。


 アルクはカイルが何かすると感じ、刀を構えたがカイルはアルクの予想に反して背を向けた。


(逃げなければ……今の我にはあいつには勝てない)


 カイルはそう考えると自身の体に身体強化を施し、アルクから逃げようとした。


[闇魔法・影の領域(ダークテリトリー)]


 アルクから逃げよとするカイルを、アルクは魔法を発動しカイルを閉じ込める。


[アレキウス神滅剣・地衝斬]


 アルクは大地の刃を放ち、魔法に閉じ込められているカイルを攻撃した。


「ガアアアアアアアアア!!」


 カイルの体の至る所に大地の刃が刺さり、カイルの体から血が零れ落ちた。


「我が王よ。私に力を下さい……」


 カイルがそう呟き収納魔法から取り出した鉱石を食べ始め、カイルの体から魔力が溢れ出した。


[闇よ。汝が王に力を与えーーー]


 カイルが魔法の呪文を唱えるとアルクも同じ呪文を唱え始めた。


[闇よ。汝が王に力を与えーー]


[[天を焦がす大いなる闇を齎せーー]]


 すると二人の持つ剣に闇が纏い始め、遂には何倍も大きい大剣へと変化していく


[[闇魔法・邪神の大剣(ロキ・アズガルド)]]


 二人がそう言い剣を振り魔法が衝突するとその周囲から色が消え失せ白黒の世界となり、激しい衝撃が襲った。





「な……なんだ……何が起こった……」


 二人の魔法により吹き飛ばされてしまったセイラがカイルとアルクが居た所を見た。そこには魔法の衝突により出来た巨大なクレーターがあり、そこの中心にカイルが倒れていた。


「終わりのようだな」


 セイラの頭上から声が聞こえ上を見るとアルクが居た。


「ぐ……か……はあ」


「マジか」


 アルクはまだ生きているカイルを見て驚いていたが、アルクはすぐさま倒れているカイルの方へ寄った。

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