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1ー5 依頼

 アルクがグランドグリズリーの首を切った事に気付いた護衛の兵士たちは安堵の息を漏らした。


「俺たちは助かったのか?」


 と、兵士が言ったその時、馬車の扉が開いた。そこから聖女が慌てた顔で降りると、怪我をしている兵士達に聞こえるような声で指示を出す。


「皆さん動かないでください!治療しますから」


 聖女がそう言うと、魔法を詠唱する。


 すると、地面に魔法陣が出現し回復魔法を広範囲に発動する。


「あなたは……この前の聖女様」


 と、アルクは言った。


 そして、


「ちょっと怪我をした兵士たちを連れて来てください!」


 シエラは回復魔法を発動しながら動ける兵士とアルクに指示を出す。


「わ、わかりました!」


 と、アルクと兵士達は負傷した兵士を集めた。


「神よ癒しの光を与えたまえ」


 と唱えると兵士たちの傷が癒えてきた。


(これが聖女の魔法か……)


 アルクがそう感心している間にも兵士の傷は段々と癒されていった。


ー-------------


 30分後


 兵士の治療が終わり、状況の整理を確認している間に聖女がアルクの所へやって来る。


「この度はグランドグリズリーを討伐していただきありがとうございます」


 と、聖女が言ってきた。


「いや、こっちもあいつに因縁がありますから」


 すると兵士の一人が、


「聖女様そろそろ馬車に」


「分かっているわ、そうだ護衛として一緒に王都までご一緒してくれませんか?」


「王都までですか?」


「はい、このお礼をしないと」


「いやでも俺は冒険者で……」


「大丈夫ですよ。恩人を足蹴にできませんから」


 と、聖女が言ってきたのでアルクは悩むこと数分。


「わかりました。それでは王都までの護衛を受け付けます。」


「そう言えば自己紹介がまだでしたね。バルト王国第二王女かつ聖女シエラ=スキルニングです」


「ランクEの冒険者アルクです。だけど少しだけ待っててもらいませんか?」


「ええ。大丈夫ですよ」


 アルクは聖女シエラからの依頼で王都までの護衛をすることになった。


 アルクが聖女の護衛を決めると、アルクは急いで眠りの宿屋に戻った。


「ただいま!ルカ、グランドグリズリーは討伐しといたよ」


「本当ですか?ありがとうございます」


 アルクの言葉を聞いて安心したようにルカが言った。


「これから王都までの護衛があるからしばらくはここに帰れないから」


 アルクの言葉にルカは驚いた顔をした。


「そうか……わかりましたました。じゃあ帰って来るまで待ってますよ」


「そうか。ありがとう」


 と、アルクは言い聖女がいる馬車へ向かった。


ー----------ー--


 アルクが眠りの宿屋を出た頃、兵士は聖女と話していた。


「聖女様。何故あのような薄汚い冒険者に護衛の依頼なんて……」


「でもねカナ、彼の魔法を見たでしょ。エンチャントを詠唱省略して使ったんだから」


「しかし……」


「王女として言うわ。黙りなさい」


 ルカは反論しようとしたが、聖女ではなく王女として命令されカナは何も言えなくなってしまった。


「……はい、王女様」


 するとそこへ、アルクは馬車へ走って向かってきた。


「お待たせしました」


「はい、皆さんの準備が整いましたし王都へ出発しましょうか!」


 こうして王都までの護衛が始まった。

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