4ー5 魔物大侵攻2
「撃てぇぇぇー!!」
東城門の扉が開くのと同時に指揮官はそう命令をした。すると東城門上に横一列に並んでいる魔導士や冒険者達が一斉に詠唱を始めた。
[中級炎魔法ー]
[中級雷魔法ー]
[上級水魔法ー]
と比較的威力の強い魔法を放ち、アルクも周りのものに従った。
[上級炎魔法・三新星・業火]
アルクは3つの巨大な炎の玉を魔物の群れに放つと巨大な爆破が起こった。爆発が収まり魔物の群れを見ると薄く[魔防壁]が張っており上級魔法以外全て塞がれる。魔法を放った者達は自身の魔法が防がれたことに困惑しつつ、再びを魔法を唱える為え、詠唱と魔法陣を構築する。
アルクは目を凝らし魔物の群れを見るとオークジェネラルやゴブリンジェネラルが居た。
[上級炎魔法・三新星・業火]
アルクは魔法を放つと嫌な予感がし急いで[魔法防壁]を張ったが隣にいる魔法使いの頭が消えていた。アルクは急いで大規模な[魔法防壁]を貼り魔導士や魔法使いを守った。
そのやりとりをしながら少しづつ魔物の数を減らすと近接系の兵士や冒険者達が一斉に魔物の群れに突撃した。
アルクも東城門上から刀を抜き、東城門から飛び降りた。
[付与魔法・火炎]
アルクは刀に炎を纏わせ魔物の群れに炎の斬撃を放った。
だがその斬撃もオークジェネラルやゴブリンジェネラルが展開する[魔法防壁]に塞がれてしまう。
アルクはオークジェネラルやゴブリンジェネラルの位置を把握する。すると真っ先に近くに居たオークジェネラルを落下の速度を落とさずに、そのまま首を切った。
魔物の群れは突然、空から降りてきた人間に驚愕したような呻き声を上げた。確かに東城門から地面までは物凄い離れている。
だがアルクは何事も無かったかのように刀を魔物に向かって振り続けた。
その後に兵士と冒険者達が魔物群れに突撃した。突撃したばかりの冒険者や兵士から見ると魔物の群れの中へ一人で突撃するなんて自殺行為だ。
しかしアルクはそれを当たり前にやった。
「まずい!サイクロプスだ!」
兵士の一人がそう叫ぶとアルクは真っ先にサイクロプスの方に向かって走り出す。
(まずは高ランクの魔物から……)
今のアルクは少しでも兵士や冒険者の負担を減らすと言う考えがあった。
アルクはサイクロプスに近づき刀を刺した。
[内部爆発]
刀を伝ってサイクロプスの内部に大量の炎を送るとサイクロプスの体が爆発する。
(にしても統率が異様にとれてる……5年前まではそうじゃなかったぞ……それに魔物の減りが遅い……やっぱり魔法が届かないからか)
東城門上にいる魔法使い達は何度も魔物の群れに魔法を放っているが[魔法防壁]のせいで届いていない。
アルクはそう思うと[座標移動]を仕込んでいる短剣を空中に投げ、アルクは空中へワープした。
すると[魔法防壁]を展開している魔物を8体程見つけ、短剣を8体へ時間差を置いて投げた。
そしてアルクは短剣を投げた順番にワープして、[魔法防壁]を展開している魔物を切り始めた。
「[魔法防壁]に穴が空いた!そこに魔法を撃て!」
東城門にいる魔法使いの指揮官はそう指示すると魔法使い達は穴が空いた所へ魔法を撃ち放った。
「良し!これで……」
アルクそう安心していると、アルクは嫌な予感がしてきた。
(待て……少し前に見たあのデカ物はなんだ?)
アルクがそう思うとまた空中にナイフを投げた。
そしてアルクは見た。見てしまった。
首が4つある巨大な魔物を
(あれは…腐敗竜!?)
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腐敗竜
それは112年前に確認された巨大な魔物で現在ではAランクの最上位に指定されており、ある者は限りなくSランクに近いAランクと言われている。
見た目はヘビや龍のような顔を持ち胴体は横に長く引きずっている。それだけならまだ良いが、危険なところはまだ5体しか確認されていない。
いつ、どこで、どのように生まれたのかも分かっていない。分かることは一つ。奴が通った所は何があろうとも腐敗する事だけ。
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[上級炎魔法・炎の怒り]
アルクがグラニュートを確認した瞬間、グラニュートに向かって魔法を放った。するとアルクの放った魔法は運良くグラニュートの頭に当たり、4つの内一つを消し飛ばす。
だが驚く事にグラニュートは、失った頭を恐ろしい速度で再生する。
グラニュートはアルクを確認すると、グラニュートの頭の内一つから緑色の煙を放った。アルクは瞬時にそれを危険と判断してナイフを東城門上に投げワープし逃げた。




