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黒き光 〜一人の少年が世界の運命に立ち向かう話〜  作者: らーめん丸
学院闘技大会編
53/271

3ー29 ゴブリンの集落2

「おいおい。まじでゴブリン共がアルクの方に行きやがった」


「話してる暇があったらさっさと捕まってる人を助けるぞ!」


「「「はい!」」」


 ハリスがパーティーメンバーの無駄話を注意し、ゴブリンによって捕まった人が監禁されている小屋まで走った。


「ここだな。アルクが言っていた小屋は、」


 ハリスは扉を開けようとしたが鍵がかかっているのか開く気配がない。


「リーダーここは俺が……おら!」


 パーティーメンバーの一人が扉を蹴り飛ばした。


「きゃあ!」


「な、なに?」


 小屋の中からは男の声と女の声が聞こえた。


「大丈夫です!助けに来ました!」


 ハリスがそう言うと暗い雰囲気だった小屋の中ば明るくなった。



ー---------ーーー

 小屋に閉じ込められていた人達を救助した後、ハリスはゴブリンの集落の中心部を見に来た。


 するとそこには大量のゴブリンの死体が転がっていた。


「な、なんなんだよ?」


「あ、ハリス。捕まっている人は助けたのか?」


 アルクの声が聞こえて周りを見てみると、とある場所にゴブリンの死体の山があった。


「ハリス。上」


 ハリスが上を向くとアルクがゴブリンの死体の山に座っていた。


「アルク。これは全部お前がやったのか?」


「俺以外誰がいると?」


 アルクがそう言うとハリスは驚愕した。


 いくらなんでもこんな大量のゴブリンを相手にするのはキツすぎる。

 おそらく鷹の爪団でも死人が出る程だ。


「アルク。終わったんなら早く帰ろうぜ」


「いや。まだだ」


「なんでだ?


「まだバーサーカーゴブリンが出てきてない」


「なんだ……」


『ぐおおおおおおおおおおおおおおお』


 すると大きい小屋から雄叫びが聞こえた。


 雄叫びが聞こえなくなると小屋から巨大な剣が投げられてきた。


「ハリス構えろ。」


 アルクがハリスに忠告すると小屋からバーサーカーゴブリンが出てきた。


「これがバーサーカーゴブリン。初めて見た」


 ハリスがバーサーカーゴブリンを見るなりそう言った。


 それも当たり前だ。


 バーサーカーゴブリンは1万分の1の確率でしか発生しない。


 見た目は、ゴリラの様な体をしている。


 バーサーカーゴブリンがアルクとハリスがを確認すると背中に背負ってた大剣を取り出し構えた。


「ハリス!来るぞ!」


 アルクが叫ぶとバーサーカーゴブリンはハリスに突撃し、吹っ飛ばした。


「はやっ!……っぬ」


 だがハリスは上手く受け身をとり衝撃を殺した。


「マジかよ。今ので腕に付けていた鎧が壊れちまった」


 今度はバーサーカーゴブリンはアルクの方を見た。


 アルクはバーサーカーゴブリンより早く行動した。


 アルクはバーサーカーゴブリンとの距離を詰め、バーサーカーゴブリンに袈裟斬りをした。


 だがバーサーカーゴブリンは怯むとこなくアルクに大剣を振った。


 だがアルクは避けバーサーカーゴブリンに[炎魔法・炎の槍(ファイアーランス)]を放ちバーサーカーゴブリンに刺さった。


 だがバーサーカーゴブリンは自分に刺さった魔法を掴み、アルクに投げ返した。


 アルクは投げ返された[炎の槍(ファイアーランス)]を避けた後[我流剣術・八星]を放ちバーサーカーゴブリンの左腕を切断した。


 だがバーサーカーゴブリンは、切断した左腕を気にせずアルクに襲い掛かった。


 アルクは後ろに宙返するのと同時に、バーサーカーゴブリンの大剣を足で蹴飛ばしバーサーカーゴブリンの首を切った。


「ふぅ。まぁこんなものか」


 アルクはそう言い剣に付いた血を振り払うと収納魔法にしまった。


 ハリスは一体何が起こったのか理解出来ていなかった。


「どうした?ハリス」


「いや。まさかマジでバーサーカーゴブリンをやっちまうなんてな」


「こっちはこっちで色々と危なかったがな」


 するとアルクはゴブリンの死体の山に火を放った。


「感染症対策か」


「まぁな。早く帰ろうぜ」


 アルクはハリスにそう言うと鷹の爪団のパーティーメンバーがいる所に向かった。



―――――――――――――


 冒険家ギルドに戻ってきたアルクと鷹の爪団は、ゴブリンの集落にバーサーカーゴブリンやナイトゴブリン、ゴブリンジェネラルが居た事をガリウスに報告するとガリウスが謝ってきた。


「済まなかった。こっちはこっちでちゃんと確認すべきだった」


「いやまぁ。死人はいないから良いじゃないか」


 謝るガリウスと頭を上げる様にお願いするハリス。


「じゃあ約束通り、俺のランクはCランクにしてもらうぞ」


 アルクがそう言うとガリウスは頷き、アルクに新しい冒険証を渡した。


「それじゃあ。ハリスも世話になったな。ありがとう」


「こっちも楽しかったさ。縁が有ればまた会おう」


 アルクとハリスは別れ、アルクはスキンティア学院に帰っていった。

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