3ー27 ゴブリンの集落
ガリウスに[白血鬼]と呼ばれると呼ばれると呼ばれるとアルクは警戒した。
「安心しろ。別に誰にも言わねえよ」
ガリウスはアルクの警戒心を察して言った。
「良し!特例だがお前はEランクからCランクに上げておく」
とガリウスが言うとギルド内は静まり返った。
「まっ待ってください!Eランクの冒険家が何の成果も無しにいきなりCランクなんて、」
ガリウスの後ろに控えていた受付嬢が慌てた声をしながらガリウスに言った。
「なぜだ?俺はちゃんと学院の闘技大会に行ってアルクの戦闘を見てから判断した。」
「ですが……」
「ふむ。お前がここまで反論するのは珍しいな」
「当たり前です!ずっとDランクだった冒険家が一度Eランクに下がったと思えばCランクですよ?」
「ずっとDランクだった?アルク今までどこで活動してたんだ?」
「タルバンの街だが?」
アルクがそう言うとガリウスは頭を抱えた。
「確かお前さんは翼が無いよな?」
ガリウスがそう聞くとアルクは首を縦に振った。
「冒険家登録をした時なんて聞かれた?」
「確か翼はあるかないかって聞かれて無いと答えたらDランクまで上がるがそれ以上は無理だと言われた。」
「やっぱり……」
「なんかあるのか?」
「実はな、一昔前までは翼を持ってない奴はDランクから上には上がる事が出来ないんだ。だが今の時代は翼が無くとも実力が有ればDランクより上に行けるんだ……まさかまだタルバンの街がそんな制度が残ってたのか……」
それを聞いたアルクは驚いていた。
5年近くタルバンの街に住んでいてそんな制度があるなんて。
「ですがガリウス様。流石になんの条件も無しにCランクなんて」
と受付嬢をガリウスに聞いた
「分かったよ。悪いがアルク。Cランクに上がる依頼を受けるつもりはあるか?」
「もし受けないと答えたら?」
「済まないがDランクに上がるだけだ」
「分かった。依頼を受ける」
「そうか。なら……」
ガリウスは適当な依頼書を探した。
「王都外れの近くの村の近くでゴブリンの集落が出来たみたいだ。ゴブリン自体はEランクの魔物だが集落はCランクに指定されているがマンティコアをソロ討伐したお前なら大丈夫だろう」
とガリウスは言いながら探した依頼書をアルクに渡した。
「分かった。後一つだけ頼みがある」
「なんだ?」
「一応ランクの高い冒険家を何人かくれないか?」
「なんでだ?」
「Eランクの俺がゴブリンの集落を潰しに来たって言っても誰も信じないだろ?」
「それもそうか。誰か居ないか?」
ガリウスが周りに居る冒険家に聞いたが誰の名乗り出なかった。
「俺たちが行く」
すると獣人の男が名乗り出た。
「ちょっとリーダー!?」
「別に良いじゃねえか」
そうメンバーに言うとアルクの前まで来た。
「俺は鷹の爪って言うパーティーリーダーをやっているハリスだ。よろしくな。因みに銀虎の獣人だ」
そうハリスが言うと残りのパーティーメンバーを呼んで自己紹介をさせた。
「そうだ。アルク。ちょっと手を触っても良いか?」
「なんでだ?」
「いや。ちょっと気になってな」
ハリスがそう言うとアルクは渋々手を出した。
そしてハリスはアルクの手を触り始めた。
「こりゃすげぇな。とてつもなく長くキツい鍛錬をしているな。それも何年も。これだったらマンティコアを倒すなんて簡単だ」
ハリスが言うと鷹の爪のパーティーメンバーが驚き始めた。
「リーダーが素直に褒めるなんて珍しいな」
「本当だな」
「つまり実力を本物って事だ」
「まぁ。短い間だがよろしく頼む」
とハリスが言うと後ろに控えていたパーティーメンバーを頭を下げた。
「良し。揃ったみたいだから詳しい説明をする。まずはゴブリンの集落の壊滅だが攫われた人達を何人かいるからそれの救出も頼む」
ガリウスが詳しい説明をした後アルクと鷹の爪は準備をして、馬車に乗り込んだ。
―――――――――――
「良かった。貴方達が……」
アルクと鷹の爪が近くの村に着くと村長らしきお爺さんが挨拶をして来た。
「そうだ。ゴブリンの集落を壊滅しに来た頼む鷹の爪団だ。俺が鷹の爪団リーダーのハリスだ。」
「そうですか。今回はよろしくお願いします」
村長がそう言い頭を深く下げた。
「突然で悪いが、ゴブリンの集落はどこら辺にあるんだ?」
「ゴブリンの集落ですか。それなら東の森の中にあります。既に何人か村の若い連中を行かせたのですが全員が傷だらけで戻ってきて……」
「そりゃそうだ。ゴブリン自体はEランクに相当するが集落はCランクに相当する。新しく冒険家になった奴らはゴブリンだからと舐めてかかって死ぬ奴がいる。」
「そんな……」
「だから俺達が来た」
そうハリスが言うと村に住む人達は安堵のため息を吐いた。




