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黒き光 〜一人の少年が世界の運命に立ち向かう話〜  作者: らーめん丸
学院闘技大会編
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3ー25 日常2

 アルクが正眼の構えをとったのと同時にマンティコアはアルクとの距離を詰め、尻尾を刺してくる。

  

 だがアルクはあらかじめマンティコアの後ろに投げて置いた短剣にワープした。


[我流剣術・八星]


 アルクはマンティコアに八つの斬撃を飛ばしたがマンティコアは横に避け、アルクに襲い掛かった。


[我流剣術・真空斬]


 するとアルクに襲い掛かった瞬間マンティコアの体に切り傷が走った。


 アルクは[八星]を放つのと同時に剣で空中を斬り、[真空斬]の仕込みをしたのだろう。


 マンティコアは初めて食らう攻撃に動揺を見せ、アルクとの距離を取った。


 だがアルクにマンティコアの動きを予測し、マンティコアの着陸時点に短剣を投げワープし、マンティコアの懐に潜った。


 そしてアルクはマンティコアを真上に蹴り飛ばし、短剣を五本マンティコアの周囲に投げた。


[我流剣術・上り炎天]


 アルクはマンティコアの周囲に投げた短剣にワープし、マンティコアを切り続けた。


 するとマンティコアが落下し始めた時、アルクはマンティコアを刺した。


[内部爆発(フレイムバースト)]


 アルクはマンティコアに刺した剣を伝って内部に炎を入れ爆発させた。


 そして地面に着いたのと同時に最高火力をマンティコアに与えた。


『く、はは。もう……遅い』


 すると絶命間近のマンティコアが喋り始めた。


「何が遅いんだ?」


 アルクが問い返すとマンティコアは話さなかった。


(何なんだ?一体……)


 アルクは最後にマンティコアが話した事が気になったが今は怪我人の手当てが先だ。


「大丈夫ですか?」


 アルクはマンティコアから剣を引き抜き怪我人の方へ向かった。


「あ、ああ。大丈夫だ……助かった。」


 リーダーらしき冒険家が話すと他のメンバーも大丈夫だと言わんばかりに首を縦に振った。


「にしても何でここにマンティコアが?」


「ここにマンティコアは出ないんですか?」


「そりゃそうだ。ここら辺の森はDランクまでの魔物が出るだけで、Bランクのマンティコアが出るなんて聞いた事がねぇ」


 冒険家の一人が言うとアルクは最後にマンティコアが話した事を思い出した。


(もう遅い……か)


 アルクが考えいると冒険家が話しかけて来る。


「にしてもあんたすげぇな!Bランクの魔物を討伐するなんて!」


「本当にすげぇ事だ。本当にEランクか?」


「今はね」


 アルクがそう言うと冒険家の一人がアルクに言った。


「マンティコアの事だがあんたの手柄で良い。あんたが来なければ俺らは死んでいる所だったからな」


「本当に良いのか?」


「良いさ。お前らも良いよな!」


 リーダーらしき冒険家が後ろにいるメンバーに言うとメンバー達は首を振った。


 アルクはそれを確認するとマンティコアの討伐証明の立髪と尻尾を剥ぎ取った。


 そして置いて来た薬草を回収し、冒険家ギルドに向かった。



-----------


「正直に言って下さい。このマンティコアの立髪と尻尾は誰から盗んだものですか?」


「は?」


 何でこうなったかは少し遡る。


 アルクがマンティコアを討伐し換金しようとしたら朝に対応した受付嬢に疑われ今に至る。


「だから。これは俺が討伐したんです」


「嘘は言わないでください。Eランクの貴方が、しかもソロでマンティコアを倒すなんてあり得ません。

 これで最後です。これは誰から盗んだものですか?」


「いや…だ…から」


 アルクが言い返すと別のカウンターから声がした。


「リナ。ちょっと交代してくれ」


 アルクが横のカウンターを見るとガタイの良い男がいた。


「ギルドマスターの手を煩わせる訳にもいけません」


「良いから交代するんだ」


「……分かりました」


と受付嬢を言い下がるとアルクを睨んだ。


「さて。俺はギルドマスターのガリウスだ」


 ガリウスが言うとギルドが静まり返った。


「ガリウスってあの?」


「かつて王国を襲ったドラゴンをソロで討伐したあの龍狩(ドラゴンスレイヤー)?」


 近くに居た冒険家が言うとアルクは驚いた。


「あのガリウス?」


「そうだ。所でお前はアルクか?」


「そうですけど」


 アルクが返事するとガリウスは手を伸ばして来た。


 アルクはガリウスの意図を読み取り握手をした。


「まさかここで会えるなんてな。会えて嬉しいよ」


「何で俺を?」


「知っているさ。スキンティア学院闘技大会準優勝者」


 ガリウスが言うとギルドは騒ぎ始めた。


「待て。確かアルクってのはセイラと戦った奴だ」


「マジか……」


 そしてガリウスは小声で言った。


「本当に嬉しいよ。まさかあの白血鬼に会えるなんてな」


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