3ー14 グラウス対シルア4
「グラウス!殺す!殺す!」
シルアは再び槍に魔力を貯め始めた。
「させるか![魔剣流・雷切り]」
グラウスは槍に魔力を貯めているシルアに向かって雷を纏った剣で切った。
だがシルアは空を飛び避けた。
[虚無の閃光]
と、シルア槍に貯めた魔力をグラウスに放ったがグラウスは避けた。何の魔法か分からないが、光線の様な魔法は相当な威力があり、地面を大きくえぐっていた。
[魔剣流・氷結斬り]
グラウスは空を飛んでいるシルアに向かって氷の斬撃を複数飛ばした。シルアはグラウスの攻撃を避けたが一つ翼に当たってしまった。
するとグラウスの[氷結斬り]が当たった翼は氷始めた。
シルアは翼が凍ったことにより飛行能力が失い地上に降りくる。
[魔剣流・溶岩斬]
と、グラウスは降りてきたシルアの足元を魔力の刃で斬りつけた。するとその場所が隆起し溶岩が溢れ火山の様に噴火する。
[魔法防壁]
しかしはシルアは[魔法防壁]を使い身を守った。
だがシルアは槍に再び魔力を込めた。
[虚無の槍]
と、シルアは地面に着陸するのと同時に魔力を大量に貯めた槍を放った。
シルアの放った槍は地面に刺さると大爆発を起こした。
だがグラウスはそこには居なかった。シルアが辺りを見渡してみると声が聞こえた。
「ここだよ」
グラウスは空中にいた。
おそらく先程グラウスが放った[溶岩斬]により発生した黒煙によりシルアの視線を遮ったのだろう。
グラウスは剣を鞘に納めて構えを取った。
その構えはアルクの使う[我流・八星]に似ていた。
[岩魔法・岩の枷]
グラウスはシルアの動きを防いだ
[魔剣流我流・流れ星・七星]
そうグラウスが言うと空中に炎、水、雷、風、岩、光の剣が発生した。
グラウスが剣を引き抜きシルアに向かって降るとグラウスが作り出した剣がシルアに向かった。
炎の剣はシルアの右腕に触れた瞬間、爆発した。
水の剣はシルアの顔に触れた瞬間、水のドームが発生した。
雷の剣はシルアの右足に触れた瞬間、稲妻が発生した。
風の剣はシルアの左腕に触れた瞬間、周囲を切り裂いた。
岩の剣はシルアの左足に触れた瞬間、足に岩が刺さった。
光の剣はシルアの胴体触れた瞬間、空から光の柱が発生した。
「ご……ぼ……ず」
水のドームにより何を言っているのか分からないがおそらく殺すと言っているのだろう。
「終わりだ。シルア」
グラウスはそう言うとシルアに向かって突撃した。
「はああああああああああ!」
グラウスは突撃してきたシルアが槍を持っている右腕を切断した。
するとシルアの膨張していた右半身が元に戻った。
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「今のは演技じゃなかったのか?」
「何を言っている!演技に決まっているだろう!」
と、観客が言った。
おそらくまだ状況が分からない者が居た。
「フローランス。……シルアの持っていた槍についてはどう思う?」
「あれは凄く危険」
「そうか……」
と、アルクとフローランスは観客席から離れグラウスの所に向かった。
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「嘘!もう終わり!?」
と、観客席の奥に座っていた青年が驚いた声で言った。
「もう少し情報が欲しかったなー……ん?」
青年はズボンのポケットにしまっていた念話石を取り出し耳に当てた。
念話石とは長距離で相手との話を可能にした魔石だ。
「はい、こちらマシュ…えっ!?帰還命令!?嘘!?……分かったよ。もう少し僕の作った槍を見たかったけど……分かったよ。」
と、マシュという青年は観客席から出て行った。
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「学院長……シリア=シンアールの使っていた槍についてですが……」
と、教師の一人が学院長に言った。
「それよりも、この闘技大会を中止にするべきです!」
「なんだと?」
「シルア選手とグラウス選手の戦いにより疑問を持っている貴族が多数います……おそらく光翼騎士団に報告される可能性が……」
と、闘技大会委員に所属している女性教師が言った。
「いや、闘技大会は中止にしない」
「な!?……しかし」
学院長の決断に女性教師が驚く。
「逆に考えてみなさい。もし今ここで中止にすると観客や貴族達も更に怪しがります」
「確かにそうですが……」
「第一シルア=シンアールの持っていた槍もそんな簡単に市場などに売っていない筈です」
「……分かりました」
と、女性教師は渋々承諾した。
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「グラウス!」
と、アルクは廊下を歩いていたグラウスに声をかけた。
「お前大丈夫なのか?」
「まぁな。ところで次の試合はフローランスの試合だろ?」
「そうだ。ついさっきフローランスは控え室に行ったよ。良かったら一緒に見るか?」
「じゃあお言葉に甘えるか」
とグラウスとアルクはフローランスの試合を見るために観客席に向かった。
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