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黒き光 〜一人の少年が世界の運命に立ち向かう話〜  作者: らーめん丸
学院闘技大会編
38/271

3ー13 グラウス対シルア3

 観客はまだシルアが何か隠しているのか話していた。


「すごいな!まだ何か奥の手があるのか?」


「ああ。だって魔槍だぞ。何かあるに違いない」


 と、観客席は賑やかだったがアルクだけは危機感を感じていた。


 (本当にあれは普通の魔槍か?)


 アルクはひたすらシルアの持っている魔槍を観察していた。


-----------


「グッが……ころ……してやる」


 シルアは槍を持っている右手の殆どが包帯に包まれていた。


「シルア……お前は一体……」


 と、グラウスが驚いているとシルアは槍を構えてグラウスを襲う。


[シンアール式槍術・竜の息吹]


 シルアは槍に空気を纏いグラウスの心臓付近に目掛けて突きを放つ。


 だがグラウスは辛うじて身を捻り避けた。


[魔剣流・氷の刃(フリーズブレイド)]


 グラウスは氷の刃を飛ばす。


 しかしその刃はシルアの槍によって消滅した。


 だがシルアには変化が起こり今まで右腕にまとわりついていた包帯がシルアの胴体までも包んだ。


「ぐっう……」  


 と、今まで呻いていたシルアの声が聞こえなくなった。


「グラウス!殺してやる、殺してやる!」


 と、シルアは大きな声で言った。


 観客達もシルアの異常に気付いてのか、何人かは観客席から品何していた。どう見てもあれは正気を失った様に見えない。アルクは試合を止めようとしたが何者かに肩を掴まれた。


「フローランス……」


 肩を掴んでいる手の主を探したら珍しく焦っていたフローランスだった。


「アルク。何をしようとしていたの?」


「何をするって……試合を止めに」


「どう言う事?」


「いや、だってどう見ても今のシルア正気じゃない」


 フローランスに言い納得した様な顔をしていた。


 だが、


「でもどんな状況になっても乱入は禁止って校則で決まってる」


「そうだけど……」


「信じるしかない」


 と、フローランスはアルクを説き伏せて観客席に座った。


「死ね!死ね!死ね!死ね死ね!死ね!死ね!死ね」


「ぐっく……」


 槍に巻かれている包帯に包まれたシルアは正気を失ったように、グラウスを攻撃していたが、グラウスは辛うじて防いでいた。


[シンアール式槍術・迅突]


 と、シルアの放った突きがグラウスの胸に刺さる。


 すると闘技場を覆っていた結界が解けてグラウスに応急処置が施される。これで致命傷と決まり、勝者はシルアと決定した。


「Aブロック第二試合勝者シルア!」


 だが、シルアは槍を構え仰向けになっているグラウスに突きを放った。


[風魔法・断空]

 

 だが審判の使った魔法によりグラウスに放った突きは塞がれた。審判が使ったのは中級風魔法に分類される魔法だ。

 

「シルア=シンアール!どう言うつもりだ!」


 審判はシルアの行動について問う。


「殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す!」


 だがシルアは審判の言葉を無視し、ずっと同じ言葉を繰り返していた。


 するとシルアの右手を包んでいた包帯はシルアの体を包み始めた。


「ガ……ガ……」


 と、シルアが呻いたら包帯が解かれた。


 そこに居たのは体の半分が異様に膨らみ肩には槍の石突の同じ目が付いていた。シルア自身は正気を失ったのか、目に光は無く口からは涎が零れ落ちている。


「ガアアアアアアアアア」


 と、シルアだった者は猛々しい咆哮を上げる。


「ぐっ?……なんだ?」


 先程の咆哮で目を覚ましたグラウスがシルアを見た。


「どうなってる?」


 と、グラウスが言った瞬間シルアは槍を構えグラウスを襲った。だが先程の審判が放った[断空]によりグラウスは守られていた。


「シルア=シンアール!今すぐに武装を解除しろ!」


 と、審判が言ったがシルアは無視し[断空]を攻撃していた。


 だが次第に[断空]にヒビが入り始めた。


 この光景に観客席の人達は事態の異常さを感じ始めた。


[魔剣流・魔封じの刃]


 グラウスは魔力を剣に纏わせシルアが[断空]を破るのと同時に切り付けた。シルアからは血が出る程を傷を負ったが、一瞬にして傷が治る。


 するとシルアの立っている地面周辺から光の縄が出現しシルアを縛ろうとしたが、シルアは光の縄を引きちぎった。


「何をしている!」


 この魔法はどうやら教師が発動した魔法の様だ。


「殺してやる……殺してやるぞ!!!」


「……シルア」


 シルアは再びグラウスを襲ったがグラウスの剣により塞がれた。

 

[土魔法・岩の枷(ロックドレイク)]


 グラウスの剣とシルアの槍を交差させたまま魔法を使い、シルアを岩で固定した。


 すると周りから学院の教師がこっちに向かってきた。流石の異常事態も教師達も行かざる負えなかった。


「シルア=シンアール!今すぐ武装を解除しろ!さもないとお前に厳重な処罰を受けることになるぞ!」


 と、教師の一人が言ったがシルアはまるで人語分からないのか教師の話を無視し槍に魔力を貯め始めた。


[虚無の閃光(セロ)]


 と、高魔力の槍をグラウスに放つ。


「グッギ!?」


 突然放たれた攻撃にグラウスは反応しきれず正面から当たってしまった。


「お前ら!シルア=シンアールを取り押さえろ!」


 と、教師が言い拘束魔法を唱えた。


「待て!」


 と、満身創痍のグラウスが叫んだ。


「これは俺とシルアの戦いだ!邪魔するな!」


「駄目だ!お前とシルアの戦いは終わった!……それにシルアは魔槍に侵されている。早いうちに槍を壊さないと」


 だがグラウスは教師の話を無視しシルアと対面するかの様に立った。

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