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1-2 聖女

誤字脱字はごめんなさい。初めてなので感想などしてくれたら嬉しいです

 聖女を見た翌日、アルクは一人で起き、冒険家ギルドへ向かいある程度依頼を受ける。冒険家ギルドで受ける依頼とは周辺に住む人達が何か困ったらギルドに依頼を出す。出される依頼は様々な物が多く、迷子になった家畜の捜索、足腰が悪くなった老人達の代わりに買い物に行ったりなどだ。


 依頼を受けてある程度片付けたアルクは昼休憩として眠りの宿屋へ戻っていた。


「おはよございます。アルクさん。今日はちゃんと起きれたんですね!」


「おはよう、ルカ」


「今日は依頼を受けに行くんですか?」


「いや、前に受けた依頼はもう終わらたからあとはコボルトを退治するだけだよ」


「そうですか、それでは私は森に行って山菜を取りに行きますから」


「そうか、ルカ。そうだ!最近は近くの森で魔物が活発に動いているから気を付けて!最近はグランドベアの目撃例があるから!」


「はい!」


 ルカはそう元気良く返事をすると、山菜を集める為に眠りの宿屋を出て行った。

 

ー-----------


 山に着いたアルクは、依頼であるコバルトの退治の為に、発見場所である森に居た。


 コバルトは犬がそのまま二足歩行となり、簡単な武器を扱う。


「よし、やるか」


 と、アルクは探知魔法を使う。


「右奥にコボルトが5体いるな」


 右奥にコボルトがいることを確認すると足に魔力を溜め一気に解放する。


 そしてコボルトが反応する前に首と胴体をそれぞれ切った。


 この世界の魔物は心臓の中に魔石がある。だから魔物を討伐した後は心臓の中にある魔石を取るために一度解体する必要がある。


 そして解体した後はアンデット化を防ぐ為に燃やす事を義務付けられている。そうしなければアンデットとなり周囲を巻き込む大惨事が起きてしまう。


「よし、早く魔石を取るか」


 その時だった。人間特有の血の匂いがしたのは。


 冒険者という職業は人が死ぬことは珍しいことじゃない。 

  

 だがこの森は駆け出しの冒険者にとってはちょうどいい難易度の筈。魔物も弱くてゴブリンやコボルトなどのFランク、強くともEランクの魔物しか出ない


 アルクは急いで血の匂いがする場所に行った。始めは油断しきった新人冒険家が襲われたのかと考えた。だが、実際に血の匂いがする場所に向かうと、そこにいたのは山菜を取りに行ったはずのルカがいた。


 しかも背中から血を流して倒れている。


「ルカ!どうした?」


 ルカの背中には何かに引っ掻かれたあとがあった。


(息はあるが弱々しい。急いでタルバンの街の教会に連れて行かないとまずいことになる)


 アルクは急いでルカを抱え上げ治療を行うために教会へ急いで向かって行った。

 

ー------------


 ルカを抱えたアルクは教会へ走っていた。 


「着いた……ルカもう少し耐えてくれ」


 しかし教会に着いたのは良いが扉が固く閉ざされている。いつもなら常時解放で怪我人などを治療してくる筈なのに。


「クソ!なんでこんな時に……ごめんなさい……後で弁償します!」


 アルクはそう言い扉を蹴り飛ばした。


 するとそこに巡回していたのか、兵士が何人か居た。


「なんだ?ここは閉まっているはずだ。今すぐ引き返せ!」 


 比較的扉に近い兵士が、扉を蹴破ったアルクを引き返そうとした。


「すみません、でもこの子が死にそうなんです。お願いします。助けて下さい」


「そんなことはどうでもいい!後で聖女様がここに来るのだ今すぐ引き返せ!」


 兵士の言葉を聞いたアルクは困惑した。こっちは人の命が掛かってるのに何を言ってるんだ。

 

「でもお願いします!」


「なんの騒ぎですか?」


 その時教会内に綺麗な声が響いた。


 後ろを見たら金髪赤目で純白のドレスに身を包んだ女の人がいた。


「聖女様申し訳ありません!礼儀知らずの冒険者がいて……今すぐに引き返させます!」


 声の主が聖女だと分かりすぐに聖女の所に向かい頼んだ。


「お願いします。聖女様!ルカを助けて下さい!お願いします!」


「ええい!冒険者風情がしつこいぞ!」


「静かにお願いします。カエさん」


 そう兵士に言いアルクに向かう。


[神よ癒しの光を與たまえ]


 聖女はルカに触れ、魔法を唱えるとルカの背中に出来ていた傷はどんどん回復していった。


「これで大丈夫のはずです」


「聖女様ありがとうございます」


「民を救うのが聖女である私の義務ですから」


「ふん、冒険者聖女様に感謝するんだな」


 ルカの傷が治ったので教会を後にし眠りの宿屋に向かった。


ー-----------


 教会から帰ったアルクとルカは眠りの宿屋の女将に現状を説明し、ルカを部屋のベットに寝かせた。


「あれ?アルクさんどうして?確か山菜を取りに行ったはず?」


「ルカ!目を覚ましたんだな……良かった」


「それより……何が……」


「山菜を取りに行った筈の君が背中から血を流して倒れてたんだよ」


「あっ!そうだ大きい熊がいたんです。」


「大きい熊?」


「はい!おでこに角が生えてる大きい熊」


 リラの言う角が生えてる大きい熊。アルクはその魔物に聞き覚えがあった。


「たぶんそいつはグランドグリズリーだな」


 グランドグリズリーとはグランドベアの上位種である、グランドベアと比べて凶暴性も攻撃性も高い。


「グランドグリズリー?」


「グランドベアの進化種だ」


 グランドベアはCランクの魔物でグランドグリズリーはBランクの魔物だ。


「そんなのが居たなんて……大変じゃないですか!」


「ああ、だから明日ルカがお世話になったお礼を返しに行く」


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