2ー9シルア対グラウス
「ねぇ、アルク。あなたはどんな風に特訓をしているの?」
と、フローランスが聞いてきた。
「どんな風か。基本的に魔力を高めてから剣術の特訓をしてる」
「魔力ってどういう風にやっているの?」
「魔力を出し尽くす」
「そんな。魔力を出し尽くしたら魔力欠乏になって倒れるわよ」
魔力欠乏とは魔力の使い過ぎで意識が朦朧になり体に力が入らなくなる
「ああ。言い方が悪かった。魔力欠乏になる寸前まで魔力を出し尽くす。
すると体に魔力がほとんどない状態になる。そして今度は魔力が回復するまで剣を振る。
それを繰り返したら自然と魔力の内臓量が増える。
それに魔力欠乏になったせいで体が重くなるからその状態で剣を振れば体力も増える」
と、アルクは言うといつのまにかフローランスはメモを取っていた。
「確かにその方法をしていれば魔力と体力と剣術が伸びそう。」
「まぁ最初は体が思うように動かないし死ぬかもしれないから気を付けろ」
とフローランスと話しているうちに教師が入ってきて午前の授業が始まった。
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「アルク。午後の実技は一緒に模擬戦をしないか?」
「そうだな久しぶりにやるかグラウス。」
「今度こそお前に勝つ」
「あれあれ?平民のアルクと平民に負けたグラウスじゃねぇか。」
と声が聞こえたのでそこを見ると知らない男が、立っていた。
「お前は……シルア」
「おい平民に負けた雑魚が気安く俺の名前を言ってんじゃねえよ」
「なんだと?」
「事実を言っただけじゃねぇか。散々威張り散らかして置いて平民に負けたんだぞ」
「なんだと?」
「待て」
「なんだ?平民」
「確かシルアっつたかな?今のグラウスはお前が思ってるほど弱くないぞ」
「なんだと?……平民に負けたのに強いだと?仮にもグラウスは貴族なんだぞ。
その貴族が平民に負けたなんて知られたら俺だったら恥ずかしくてそとも歩けない」
「そうか、だっからグラウスと模擬戦をしてみろ」
「おい、平民もう一回言ってみろ」
「だから午後の実技でグラウスと模擬戦をしろ。今のグラウスはお前より強い」
「グラウスが俺より強いだと?笑わせるな」
「だったらグラウスに勝てるのか」
「当たり前だ」
「じゃあグラウスと模擬戦をしろ。」
「いいだろう。じゃあ賭けをしないか?」
「賭け?」
「簡単さ。負けた方がなんでも言うことを聞く。シンプルだろ?」
「平民のくせに頭が回るじゃないか。いいだろう」
と、シルアは教室を出てった。
「おい、アルク何勝手に話を進めてるんだ?」
「いや。グラウスのことをボロクソ言われて腹が立ったから」
「アルク。もし俺が負けたらどうするんだ?」
「そのときは後で決める。だけどお前が勝てば良いだけの話だ」
とグラウスとアルクが話していると実技が始まった。
するとシルアがこちらに向かって来た。
「さて、平民に負けたグラウス僕と模擬戦をしようか。」
「ああ、良いぜ」
とグラウスが返して模擬戦が始まった。
[水よ、敵を穿て・ウォーターガン]
シルアは魔法を唱え水の弾をグラウスに向かって放つ。
[土よ、壁を築き我が身を守れ・ウォール]
とグラウスが土の壁を作り守った。
するとシルアは先に水投槍を打ち距離を詰めた。
グラウスはウォータージャベリンを防ぎ剣を構えた。
「グラウスお前が俺に剣術でかなうと思うか?だってお前は俺に勝った事がないからな!」
シルアはそう言い槍を構えた。
[シンアール式槍術・鎌鼬]
と言うとシルアは風魔法の無数の斬撃がグラウスを襲った。
しかしグラウスは構えをとった。
[我流剣術・八星]
を放ちシルアの鎌鼬を相殺した。
「あれは……」
グラウスが放った八星は前に決闘の後に教えた技だ。しかも自分に合うように技の形が変わっている
「なん……だと?グラウスが俺の鎌鼬を相殺した?」
「シルア。俺がいつまでも剣術が弱いと思うなよ?」
「クソが。平民に負けた雑魚が俺を見下してるんじゃねぇ!中級魔法・水柱、併合、凍結」
とシルアが唱えるとグラウスの足元から水柱が出て次に水柱が凍った。
しかしグラウスは避け切る事が出来なく右脚が凍った。
「そうだそうだ。雑魚は大人しく凍ってろ」
とシルアは追い討ちでウォータージャベリンを放ったがグラウスの土魔法・土壁で防いだ。
そしてグラウスは初級魔法・砂埃を唱えシルアの視界を封じた。
「クッ。姑息な真似を……ぐあ!」
「そうだ。姑息でもいい。だが勝てば良いだけの話だ。」
「ふ。堕ちたものだな」
と詰めたグラウスに向かってウォーターガンを放った。
「グラウス!ダメだ!引け!」
とアルクは叫んだが遅かった。
シルアの放ったウォーターガンの半分がグラウスに当たりグラウスが倒れた
「グラウス!」
「どうだ。平民に負けた負け犬が……な!?」
体を血だらけにしたグラウスが立ち上がった。
[敵を貫け・ストーンエッジ]
そう唱えると地面から土の刃が生えながらシルアに向かって行った。




