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2ー5 訓練

 アルクがスキンティア学院に編入してから1週間経った。その日は再びアルクが編入した時と同じくらいざわついていた。


 理由は1ヶ月遠征していた十魔剣のメンバーが帰ってくる。


 十魔剣とはスキンティア学院に存在する上位10人で闘技祭にて選出される生徒だ。


 また十魔剣に選出された生徒は将来有望とされる。


「アルク。お前は闘技祭に出場するのか?」


「うーん。まだ迷ってる。確かに自分の実力をみんなに見せるには良い機会だしな」


 と、アルクとグラウスが話していると、


「「「きぁー!フローランス様よ」」」


 突然廊下から声が聞こえ、廊下を出ると見覚えのある顔があった。


「おや?どこかで見たことのある顔だと思ったら……確かアルク君だっけ?」


「うん。確か学院が始まる前に会った……」


「そうよ。フローランスだ」


 と、アルクとフローランスが話をしていると。


「あの平民、フローランス様とどう言う関係?」


「分からない。でも仲良さそうね」


 と、声聞こえた。


「まあ良いさ。話は座ってしよう。さあ教室に入ろう」


 とフローランスが言い教室に入った。


ー---------------


 教室に戻ったフローランスはいつも周りに生徒が居たが、授業が始まると流石に居なくなっていた。


 すると、フローランスは教卓に上がった。


「皆さんお久しぶりです。遠征から帰ってきました」


 と、フローランスがみんなに言った。そしてある程度、遠征で起こった事を話し、アルクの後ろの席に座る。


「ところであんたは何者なんだ?」


「あれ?言っていなかった?私は十魔剣第6位のフローランスだよ」


「いや初耳なんだが」


「そうかそれは済まない。まあこれからクラスメイトとしてよろしく頼む」


 と、フローランスと話した。


「なぁアルク。フローランスとどう言う関係なんだ?」


「ああ、グラウスにはまだ言っていなかったか。学院に編入する前に一度会ったことがあるんだ」


「そう言うことか」


 と、話をして午後の実技授業で訓練所に出た。


「みんなには二人一組のペアを作ってもらいたい」


 と、担当の教師が言いグラウスとペアを作ろうとした時、


「アルクくん。私と組まない?」


 フローランスはアルクとペアを組まないかと提案をする。


 アルクは戸惑いながらグラウスを見ると「いいぞ」と言ってきたので、


「分かった。一緒にペアを組もう」


 と、フローランスとペアを組んだ。


 午後を訓練は翼を顕現させ飛行訓練をするものだ。


「よし!じゃあ、翼を顕現させろ」


 と、教師が言いアルク以外全員が翼を顕現させた。


「どうした?翼を顕現しないのか?」


 と聞いてきたがアルクは、


「いや、俺翼がないです」


 と、教師に言ったすると、


「まさかお前は翼無しなのか?」


「はい。でも汎用魔法で飛ぶことは出来ます」


 アルクは呪文を唱えると浮き始めた。


「まあ、良いだろう。それじゃあ全員空を飛べ!」


 教師の合図と共にアルクは以外の生徒達は翼を顕現して空を飛ぶ。


 アルクは翼無しなので[汎用魔法・飛行]を発動した。


 [汎用魔法・飛行]は翼無しでも飛べる魔法だが制御が難しく翼を顕現した方が簡単なのだ。


「今回の飛行訓練は障害物を避けつつ目的地に着く訓練だ。それではこの状態で三人一組のペアを作ってもらう」


 と教師が言いアルクはグラウスと組むことにした。


 アルクは翼無しの上に平民、グラウスはその平民に負けた生徒として好んで組もうとする者はいない。


「もう一人そちらの組に入れるかな?」


 とフローランスが声を掛けてきた。


「俺は大丈夫だけど、さっきすごい量の人達から勧誘されてなかった?」


「あれはくだらない理由で勧誘されてたから断ったよ」


「そうか。じゃあよろしく頼む。グラウス、フローランスがこっちの組に入ってくれるよ」


 フローランスはアルク達の組に入る事を良い、取り敢えずは三人一組が出来上がった?


「よし。出来たようだな。それじゃあ位置につけ」


  と教師が言い合図と共に生徒が飛んだ。


ー----------------


 10分後


「この調子だと目的地に着きそうだな」


「まて、アルク、フローランス。何かおかしいと思わないか?」


「どう言うことだ?」


「障害物がないんだよ」


 確かに教師が言っていた障害物がどこにも無い。初めての訓練という事もありアルクは気付かなかったが、いつも訓練をしているグラウスが言うのだから間違いは無いだろう。


「フローランスは覚えてるか?前にやった時にロープがあったことを」


「確かに前あったロープが何処にも無い」


 と、グラウスとフローランスが話している時にアルクはとある物を見つけた。


「二人が言ってるロープってこれのことか?」


 アルクは二人にそう言うと、何かに千切られたロープを持っていた。


「これ何かに千切れられた後だぞ」


「こっち来てくれ」


 と、グラウスが言った。


「どうしたの?」


「いやこれ、なんかの鱗だ。アルクは分かるか?」


「これは……ワイバーンの鱗だな」


ー--------------

 ワイバーン

 それはBランクの魔物に指定されている生き物。

 ワイバーンの鱗は硬く鉄剣でさえ斬れず、ワイバーンが吐く炎は鉄をも溶かす。

ー-------------


「それはありえない」


「なんでだ?フローランス」


「学院周辺にはEランク以上の魔物を寄せ付けない結界が貼られている」


「じゃあなんでこんな所にワイバーンが居るんだ?」


「結界に穴が空いてるか、それから誰かにわざと入れさせたのか」


「どちらにせよ一旦戻って教師に話したほうが良く無いか?」


「まてアルク、フローランスちょっと静かにしてもらえないか?」


「どうしたんだ?グラウス……っ!」


 その時遠くからワイバーンの鳴き声と共に人間の悲鳴が聞こえた。

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