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1-1 アルク

 初めてなので誤字脱字はごめんなさい。 感想も良ければお願いします

 この世界はアルマダと言う世界で様々な種族がいる。


 例えば人間はもちろんエルフだったり獣人だったりいる。この世界では光を信仰していて闇は世界の敵として排除されてきた。


ー------------------


 タルバンの街。それはバルト王国内で冒険者の街と言われ、多くの冒険者が集まっている。


 そして、タルバンの街のとある宿屋で、扉の前でウサギの耳が生えた少女がドアをノックする。


「アルクさ〜んもうそろそろ起きて下さい。お昼前ですよー……返事がないから入りますよー」


 と、ウサギの耳が生えた少女が言うと、ドアを開けて入ってきた。


「アルクさん。起きて下さい」


「あー……もうそんな時間か。」


 獣人の言葉で白髪赤目の青年は目を覚ます。青年は眠たい目を擦りながら無理矢理上半身を起こすと背伸びをする。


「それにしても珍しいですね。お昼まで寝るなんて。」


「懐かしい夢を見てね。ところでルカまだご飯は食べれるかな?」


「ちょうど一人前が残っていますよ」


「そうか。ありがとう」


 ルカという少女は眠りの宿屋で働いてる兎の獣人だ。


 まだ、食事があることを知ったアルクは、急いで着替え、一階の食堂へ向かう。


 出された食事は朝食の残りという事もあり量は少なめだ。だが、起きたばかりのアルクにとっては丁度いい量だった。


「ご馳走様、美味しかったよ」


「ありがとうございます。ところでアルクさん今日も行くんですか?」


「うん、働かないとね」


「そうそう。今日タルバンの街に王都から聖女様が来るらしいですよ」


「今日来るのか」


ー-----------


 聖女

 バルト王国の国教であるミリス教の聖女であり、神に近い光を持っている。10年前に王国郊外の村に突如なんの前触れもなく現れた。


ー----------


「仕事が終わったら、一回だけ見に行きませんか?」


 ルカの提案にアルクは少し考える。聖女自身はバルト王国の首都に行けば見る機会はいくらでもある。だが、ルカは働いている身なので気楽に遠出が出来ない。


 そうと決まれは答えは一つだ。


「そうだな。俺もどういう人か気になるからな」


「じゃあ、お昼広場の噴水で合流しましょ!」


「うん、分かったよ。その間に出来るだけ依頼をこなして行くからね」


「はい、じゃあお昼、噴水で待ってますね!」


「おう」


 アルクはルカにそう返事すると、眠りの宿屋を後にした。

 

ー----------


 冒険者ギルドに向かうには必ず教会前を通る必要があるが、今日は教会に多くの人だかりが出来ていた。


「教会に人いっぱい居るな。そうか今日か」

 

 ここでアルクは今日が何の日なのか思い出した。


 今日は翼の儀と言われるミリス教が率先してやる儀式だ。それは15歳になると神から翼が与えられ、その翼で将来が決まる。例えば、比較的光が強く、翼がハッキリしていれば騎士や魔道士になれる。だが、翼を貰う者は少ない。去年はバルト王国の15歳の少年少女総勢一万人の内、翼を貰えたのは142人程度だ。


 アルクは教会を通り過ぎ、大きい酒場の様な施設に着いた。ここが冒険者ギルドだ。


「こんちゃーす」


「おいおい。翼無しのアルクじゃねぇか何しに来たんだ?」


 と赤髪のオールバックの男が詰め寄って来た。


「なんだよドボン依頼を受けに来ただけに決まってんだろ」


 ドボンの言う翼なしとは翼を持たない者の事を言う。時折、自分が翼を貰う事が出来た事により翼無しを見下す者もいる。ドボンがその一人だ。


 アルクは面倒臭そうに言葉を返すと、ドボンは気分を悪くしたのか目つきが変わった。


「あーん?ランクDの翼無しがランクBの翼有りに向かって舐めた口聞いていいのか?」


 冒険者にはランクがあり上からS、A、B、C、D、E、Fがある。


 S級の冒険者は英雄と言われAからCは一人前、DとEは半人前でFはルーキーだ。


「ミアさん。コボルト退治の依頼を受けたいんですが」


 ドボンを無視しミアという受付嬢と話をする。


「はい、アルクさんちょうどコボルト退治の依頼がありますよ。期限は1週間です」


「おいおいミア。こんな翼無しよりもランクも上で翼有りの俺の方が釣り合うぜ。」


「いいえ、性格があれなドボンさんより気遣いが出来て優しいアルクさんの方がいいです。」


「チッ、そうかい。まあ、そんなちんけな依頼より俺は指名依頼を受けたからそっちに行くけどよ。せいぜい頑張りな」


 と言いドボンは冒険者ギルドを出ていく。


「全くドボンさんは……腕前だけは良いのに。アルクさんはそんなこと気にしなくていいですからね。」


「分かってるよミアさん」


 アルク自身もドボンの度々の絡みに慣れてきて、最近では上手く流せる様になっていった。


 アルクはルカとの約束を守るために噴水広場に向かった。



ー------------


 噴水広場には既に聖女を一眼見るために沢山の人に溢れ返っていた。


 アルクはルカを見つける為に周りを見渡すと、ルカの声が聞こえた。


「あ、アルクさ〜ん!こっちです。」


 アルクは声のした方向を見ると、噴水近くの小高い椅子の上に立っていた。


「ごめん、ルカ。遅れた。」


「だいじょうぶですよ。私もこんなに人が来るなんて思いませんでしたから」


 すると、少しうるさかった噴水広場は突然大きく響めき始めた。


「聖女様の馬車が見えて来たぞー!!」


「あれか……」


「キャー!聖女様よー!」


「おおー……想像のと全然綺麗じゃねぇか……」


 周りの観衆がそう言っている一方、ルカはアルクと聖女を交互に見ていた。


「ふふふ」


「どうした?ルカ?」


「いやアルクさんと目の色が一緒だなって」


「確かにな」


 アルクの容姿は白髪に赤目、聖女様は金髪に赤目だ。


 聖女を見たアルクは、そのまま依頼を新たに受けるために冒険家ギルドに向かい、ルカは眠りの宿屋で働くために戻った。


ー------------


 一通り、冒険家ギルドの依頼を終わらせたアルクは、眠りの宿屋に戻り夕飯を食べていた。


「いやー聖女様綺麗でしたね。アルクさん!」


「ああ、そうだな」


「それじゃあまた明日、おやすみなさい」


「ん、おやすみ」


 アルクは自分の部屋に入りそのまま眠りに着いた。

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