2ー4 学院護衛
第一学年の建物から出たアルクは気になる事をシエラに聞いた。
「ところでシエラ、どんな風にグラルから求婚されたんだ?」
と、シエラに聞いたら、内容はこうだ。
教会で祈りをした後に怪我人や病気の人々を治してるところで、列を押し除けシエラの所に来た。
そして開口一番「我と結婚したまえ」とシエラに言った。
さすがのシエラもいきなりの事で戸惑っていた所、何を勘違いをしたのか「そうか、我と結婚するのがそんなにも嬉しいのか?」と言った。
しかしシエラは断った。
それがダメだったのか、グラルは逆上し、シエラの腕を掴もうとした。
そこで教会にいた聖騎士はグラルを追い出しことは収まった。
だがその後もしつこく求婚されているのだと。
「なんともまぁ、迷惑な奴だ。」
「はい、それから何回か求婚されているんですが、全くやめてくれなくて」
「そうよ、シエラ様もそのことを私にも教えてくれたんだけど、平民の私が何したっても無意味だから」
アルクは寮に着くまでシエラとキアと話していた。
すると、
「シエラ、誰だその男は」
と、後ろから声が聞こえた。
「グラル様」
振り返るとそこにはタルバンの街で見た人がいた。
そう、目の前にいる男がシエラにしつこく求婚しているグラル本人だ。
「グラル。まだ諦めていないのか?」
「ふん!教会の犬のキアか。この僕にそんな口を聞いていいのか?」
「なんだと?」
「そのまんまを話しているのだ。確かお前の家族は口減らしにお前を教会に売ったんだな」
「違う!あれは私が自分の意思で教会に入ったんだ。シエラ様を守る為に。家族に恩返しをする為に!」
と、キアとグラルは言い争っていると、グラルの視線がアルクに移った。
「ところでシエラ。誰だ隣にいる男は?」
「俺はシエラの護衛だ」
「そうか。ではお前に良いことを教えてやろう。護衛風情が僕に楯突くな」
「そうもいかないな。俺は王様からシエラの護衛を任されているから」
「なんだと?だが良いシエラよ必ずお前は我の所に来る覚悟するんだな」
と、グラルが言いこの場を離れた。
「シエラも大変だな」
「はい、いつもどんな風に言って引き返してもらうか悩んでいます」
「じゃあ寮に着いたから、俺は自分の寮に戻るよ」
と、アルクは泊まっている寮に帰った。




