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6ー4 故郷4

 最近よく遊んでるタルコフと言うゲームにワイプが来て、それに加えてモンハンの新作で本当に寝れないですw

 アルク達がクプ二村で過ごして十日が経った。クラシスが予知夢で見た竜人の国に出現する黒暗結晶の出現まで残り五日となった。


 それまでにアルクとイレナ、リラと白蜘蛛達は自身の力を付けるために訓練をしていた。


 アルクとイレナの戦闘能力や魔力感知能力は今までよりさらに上がったが、劇的に変わったのはリラと白蜘蛛だ。


 リラは獣人という事もあり、人間のアルクとの限界はあったが何百年も生きているレイリンやクラシスのお陰で動体視力や反射神経、戦闘能力が格段上がり、獣人特有の魔力「氣」の操作が可能となった。


 白蜘蛛は今までは魔物という事もあり言葉を発せなかったが、この十日で白蜘蛛はホワイトスパイダーの上位種シルバースパイダーとなり、知能が上がったお陰か簡単な言葉を話せることが出来るようになり、戦闘能力も上がった。


「さぁリラ、今日も氣を全身に巡らせて私を攻撃してみなさい。かすり傷でも付けることが出来たら今日の訓練は無しにするわ」


ーーーーーーーーー


 氣

 獣人特有の魔力であり、人間の魔力とは違い魔力欠乏は存在しない代わりに使いすぎると自身の寿命を削ってしまう。


ーーーーーーーーー


 クラシスの言葉にリラは表情を明るくする。


 実はクラシス主導の訓練では最初に始める戦闘でクラシスに傷をつけることが出来るとその日の訓練が無くなる。だが、この十日間の訓練で一度も傷をつけることが出来なかった。要するに毎日クラシスの地獄のような訓練をしているという事だ。


「はい!」


 リラは元気よく返事をすると全身に黒っぽいオーラを纏う。


 夜狼族特有の氣であり、それぞれの民族によって色が違う。例えば獣人族で一番力を持っている獅陽族では金色の氣を纏ったりする。


「今日こそはあなたに勝ちます!」


 リラは気を全身に纏っている状況で更に身体強化魔法を施す。


「良いわ……来なさい!」


 リラはクラシスの言葉を聞いた瞬間、地面がへこむ程強く踏み込み、クラシスとの距離を詰め蹴りを放つ。


 だがクラシスはリラの本気の蹴りを片腕だけで防ぐ。


 リラにとっては全力の蹴りの筈だった。だが実際にリラの蹴りは聞いたのかクラシスの腕は少し赤くなっていた。


 それを見たリラは攻撃を止めることもなく、クラシスの死角や背後から素早い動きを利用して攻撃をする。


 だが、さすが始祖神龍と言うべきかリラのあらゆる攻撃に反応しすべて防ぐ。


「確かに動きは前と比べて素早く攻撃も正確になっている……だがまだ私に傷をつけることは出来ない……ぞ!」


 クラシスはそう言いながら高速移動をしながら攻撃をしていたリラを掴みそのまま地面に叩きつける。


「貴方はまだまだ若いからゆっくりしていくと良いわ……それじゃあ今日も私に傷を付けれなかったから訓練をするわよ」


「はい…………」


 リラは訓練をなしにする事が出来なかったのか悔しそうな顔をしていた。


ー------------------


 クラシスとリラが戦い訓練が決まった頃、アルクとイレナ、レイリンは開けた場所に居た。


 いつもはだらしない服を着ているレイリンだったがこの時だけは白い服を着ていた。


「師匠……もしかして……」


 レイリンがなぜ白い服を着ているのかアルクは知っていたが、イレナはその意味を知らなかった。


「そうだ……今この場で継承儀をする」


「ついに……」


ーーーーーーー

 継承儀

 アレキウス神滅剣の正当な後継者になるのに必要不可欠な儀式であり、内容は先代継承者と戦い勝つ事により初めて正当な後継者となる事が出来る。


ーーーーーーーー




「ちなみに言っておくがワシはお前を殺す。だからお前もワシを殺せ。分かったか?」


 レイリンが言うと収納魔法から金色の剣を取り出す。


「師匠の剣久しぶりに見るな」


「当たり前じゃ。こんな物そうそう見せてなるものか」


 レイリンがそう言っている間にアルクも収納魔法から青い剣を取り出す。


「ほろ?黒赤刀はどうしたんじゃ?」


「奪われたよ」


 アルクは黒赤刀の行方をレイリンに聞かれ、答えるとレイリンは驚いた。


 いつもは髭で表情が分からないが、この時だけははっきりと驚いているのが分かる。


「それで?大体の行方は分かるのか?」


「大方ミリス教の本殿にでも持ち替えられたと思うぞ」


「そうか……さぁお喋りは終わりじゃ!存分に殺し合おう!」


「ああ、ここであんたを超える!」


 アルクはそう言うと自身に身体強化を掛け、レイリンとの距離を詰める。


 だがレイリンは避ける行動を取らない。


「師匠!危ない!」


 イレナはそう叫んだが、この後に起こった出来事にイレナは目を奪われた。


 なぜなら、アルクの一振りをレイリンは指で止めたからだ。


「だよな……」


 だがアルクはこうなる事を予想していたのか、直ぐに剣からを離しレイリンから距離を取る。


「おいおいアルク。武器から手を離してどうするつもりだ?」


 レイリンはアルクの行動が予想外だったのか、アルクの剣を持つ指が緩む。


 アルクはそれを見逃さずに、剣に仕込んでおいたポイントワープで剣までワープし、剣を回収する。


「どうしたんだ?この程度で油断なんかして?」


 アルクはそう言うと剣を構えた。

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