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5ー24 実戦訓練5

 コムと梨花の順番になると、二人は焚き火の側に座り、軽く雑談をした。

 

 内容としては、地球についてや文化についてだった。コムは、その事を聞くと仰向けになった。


「やっぱり世界ってすごく広いんだなー」


「いやいや、こっちだって異世界は架空の存在だと思ってたんですよ」


 と、話しているうちに交代の時間がやって来た。


 次の順番である、翔太と雪を起こしに行き、それから何も問題はなく、最後の順番であるメルナと熊鉄を起こしに行った。


 だが、熊鉄はどうしても起こしに行けず、メルナに熊鉄を起こしてもらう様に頼んだ。


 すると、メルナは夕飯前の時と同じように寝ている熊鉄の体に電流を流し、起こした。


 熊鉄は、舌打ちをしながらもすんなりと焚き火の隣に座った。


「クマテツさん。宜しくお願いしますね」


 メルナは、熊鉄にそう言ったが無視をされた。


「なんでクマテツさんはずっとそんな態度を取ってるんですか?なんで?なんで?なんでなんですか?」


 メルナの質問にも、無視を決め込んでいた熊鉄だが、しつこいメルナの質問攻めに折れたのか、口を開いた。


「楽をしたいからだよ」


 熊鉄は、小さい声で話したその一言はメルナにちゃんと聞こえていた。


「楽をしたいから、ですか……確かに戦いや集団行動は面倒ですからね〜。でもこの世界では……この状況だったら楽をしたら死んでしまいます。あの時だって、魔物が来てたらただじゃ済まなかったんですよ」


 メルナの言うあの時とは、夕飯前に警戒をしている三人を呼びに行った時だ。


「知ってる。でも、ピンチになったら協力でもしてやるよ」


  熊鉄はそう言うのと同時に、森の奥から大量と鳥が飛び立つ音が再び聞こえた。


「また……」


 二度目の出来事にメルナ気味悪さを感じていた。


 だが、そこからしばらくしたが何も起こらず、そのまま朝になった。



 朝になると、七人は軽い食事や片付けをし、目的地に向かった。


 しばらくは、順調だったがとある場所でメルナは止まるように指示をした。


 そこは、夜中に鳥が大量に飛び立ったところだ。


 地面には鳥の羽だけでなく、頭や血の跡が付いていた。メルナはすかさず探知魔法を使ったが、何も反応は無い。


「ここからは慎重に行きましょう」


 メルナの提案通りに、七人の足取りはゆっくりになり、中間時点の印である湖に辿り着いた。


「ここが中間時点で、大きく迂回しますが……休憩をしますか」


 七人は休憩を取ったが、メルナはコムを呼んだ。


「どうしたの?姉さん」


「コム。さっきの場所についてどう思う?」


 さっきの場所とは、鳥の羽や頭があった場所だ。


「あそこか……確かに気になるけど魔物の仕業じゃないの?」


「そうだけど……ちょっと気になるんだよね」


 メルナの言う通り、先程の現場には違和感があった。


 魔物がやったのは確かなのだが、明らかにランクが違う魔物がいる可能性があるのだ。


 地面に落ちていた鳥の頭を思い出してみる。鋭利な刃物の様な物で首が切られていた。


「でもさ。グネヴィアさんが何も言わないし大丈夫なんじゃない?」


 コムは、透明で上空で監視しているグネヴィアについて言った。


 グネヴィアは、上空で森の様子や、翔太達の様子を見ている。もし何か異変や危険な事がある場合、何か言ってくる筈だが、未だに何も言ってこない。


「そうね。でも、警戒を強めながらやった方が良いわね」


 二人は話し終えると、休憩をしている翔太達の所へ向かった。


「休憩は終わりです!皆さん行きますよ!」


 コムはそう言うと、翔太達は立ち上がり、コムの後について行った。


 コムが言った通り、湖を迂回し、進んだ。


「ところでコムさん。なんで湖を迂回するんですか?」


 雪は、湖を迂回する理由が分からなかった。


 迂回するよりも、湖に沿って進んだ方が早い筈だ。


「それはですね。ここの森は他にも水源はあるのですが一番大きいのはさっきの湖なんですよ。そこに魔物は水を求めて集まってくるんです」


 コムは湖を迂回する理由を言うと、雪は納得した声を上げた。


 しばらく進んだが、メルナの感じた違和感やグネヴィアから何も言われなかったので、そのままテントを張り、食事をしようとした。


 だが、そこで蜘蛛の魔物が現れたが、それはメルナが治療をしたホワイトスパイダーだった。


「姉さん。これ……」


「昨日私が助けた奴だ」


 ホワイトスパイダーは、何かを地面に置き、その場を去って行った。


「何だったんだ?……ていうか。なんだ?これ」


 蓮司は、ホワイトスパイダーが置いて行った物に近いた。


 それは、何か蜘蛛の糸によって包まれていたが、コムはナイフで糸を切った。


 すると、中にはウサギがいた。


「これは……」


「姉さん。これはどう言うことですか?」


 コムは突然現れ、去って行った魔物についてメルナに聞いた。


 コムにとっては白い蜘蛛が突然現れ、何かを置いていった様にした見えなかった。


「コム。実はね―」


 メルナは、ホワイトスパイダーについてコムに話した。


「なるほど。姉さんがした行為に対してホワイトスパイダーは恩返しのような事をしたっていう事か」


「多分ね......にしてもこれはどうする?」


 メルナはホワイトスパイダーが持ってきたウサギを掴んだ。


「せっかくだし今日の夕飯は贅沢に行こうよ」


 コムはそう言うとメルナはウサギを渡し、解体していった。


ー--------------------

(ここまでは順調だな。このまま行けば後三日で目的地に着く)


 グネヴィアは、そう思いながら役割を果たしていく七人の様子を上から見ていた。


(にしても昨日の鳥は何なんだ?)


 グネヴィアも、夜中に大量の鳥が飛び立つ様子を見ていたが、警戒しているメルナに近づく気配がない為、あまり気にしていなかった。


 だが、途中でメルナ達が見た光景を異常だとグネヴィアは感じた。


 死んでいた鳥は警戒心がとてつもなく高く、飛行速度が速い種類で有名だがある程度の死骸があった。


 魔物がやったと言えばそうだが、低ランクしかいないこの森ではその可能性は低い。


 グネヴィアは考え過ぎだと思い、メルナ達と、森の監視を続けた。



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