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白銀の王子 ~少年は王になる~  作者: 黒咲 紫苑
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~プロローグ・初陣~

初めて投稿します。自分の文章能力などで分かりにくい所あれば、教えてください。本文は作ったのですが感想の内容を反映して修正していこうと考えているので、とりあえず冒頭だけの投稿です。

人族、エルフ族、獣人族、妖精族、魔人族の五種族が暮らす、大小様々な100近い島々と一つの大きな大陸「ファブルーサ」。

科学文明の魔手はこの地を覆うことは無く、神話時代の終わりと共に歴史の表舞台から姿を消した魔法は細々と受け継がれ再び栄華を取り戻していた。

ここは、そんな魔法が存在する世界―――。

神話時代を終焉へと導いた大戦の終息から、気の遠くなるほどの時間が過ぎた。






~プロローグ・初陣~

物語の始点より1年半前。重たい黒雲が空を覆う平原の昼下がり。


「団長! 魔導士部隊から報告です。探査魔法にて、下位の、狼種、猛虎種、鳥種、竜種の存在を確認。狼種に至っては中位の個体もいます。総数、約8000。まもなく、目視にて確認可能な距離です。」

ローブを羽織り胸当てを付けた魔導士風の装備の青年が、少年ともいえるほど明らかに自分よりも年下の銀髪の人物に敬礼と共に伝える。

少年の胸には、第三騎士団長であることを示す一角獣(ユニコーン)が刻まれた真新しい紋章が輝いている。

「分かった。」

短く答えて、少年は馬を進め、総勢6000人の騎士の前へ出る。

自分は絶対に傷を負わないという自信でもあるのか、平時と変わらぬ団服を纏う少年は黒い鎧を身に纏う騎士たちの中でよく目立つ。

「数はあちらが多くとも、恐れることは無い! お前たちには、この俺がついている! 始祖に匹敵すると言われる力を持つこの俺が!」

激励するかのように声を上げ、全軍を見渡す。

目を閉じ、呼吸を整える。まるで自らの心を落ち着けるかのように。

目を開けた少年の顔に迷いの色も緊張の色もない。あるのは自身に満ちた表情だけだ。

手にした槍を天に掲げ叫ぶ。

「勝利は我らにあり! 全軍、俺につづけぇ!!!」

「「「おぉーー!」」」

少年は先陣を切って馬を駆る。

魔獣の軍勢に到達する直前、少年は己の魔力を高め一つの魔法を発動させる。

「天の神の怒りに裁かれよ、デストラクションフロムヘヴン!」

その直後、魔獣の軍勢の中心部上空に魔法陣が出現し(いかずち)が降り注ぐ。

眩い閃光が止むと中心部に黒く焼け焦げた地面が見え、そこにいたはずの魔獣たちは消え去り、空を舞っていた魔獣は次々と落ちていく。

周囲にいた魔獣たちは、高濃度の魔力にたじろぎ速度が落ちる。

騎士たちは少年が発動した魔法の威力に感嘆の声をあげる。

「さすが、始祖の再来と言われるほどのお方だ。」

「団長がいれば勝てるぞ。」

「団長に続けー!」

圧倒的な力を見て騎士たちの士気は上がり、突出して単騎突入する少年の後に続く。

それを見て少年は安堵の声を小さく漏らす。

「ふぅ、なんとか認めてもらえそうだな。」

口角を上げ自身に満ちた表情で騎士たちを振り向き声を上げる。

「俺に遅れるなよ? お前たちの力見せてみろ!」



殲滅戦開始から数刻後。

「.....生き残った魔獣はいないようだな。」

少年は索敵用魔法<サーチ>を使用しながら隣に立つ男性に話しかける。

「ジークヴァルト団長がそうおっしゃるなら間違いないでしょうね。それにしても、この大量の魔獣の死体どうしますか。素材を回収するにしても、燃やすにしても、この量ですし。」

あたりを見渡しながら困ったような表情で問いかける。

「特に状態のいい中位の魔獣の素材だけ回収しよう。その他は、魔導士部隊に燃やさせるし、量が多くてきついようなら俺も手伝う。それより怪我人はどうした?」

「団長自ら後処理ですか....。素材回収に関してはそのように通達しておきます。怪我人は治癒魔法による治療を受けていますし、死者は出ていません。」

「そうか。よかった。」

安堵したように漏らす。

ふと何かに気づき、口角をあげて傍らの男に意地の悪い質問をする。

「それで、副団長殿からみて俺は合格かな?」

男性―副団長―は意表を突かれ目を見開くも、すぐに切り替える。

「意地の悪い質問をしないでください。初陣で単騎突入して派手な魔法を使って....聞いたこともありません。驚きを通して呆れましたよ。騎士たちは貴方の力を知って考えを改めたようですが、今後無茶なことはしないでくださいよ。」

男性は呆れた声で答えつつ、しっかり釘を刺していく。

「大丈夫、大丈夫。......努力はするから。」

笑いながら答えるも、目線は遥か彼方を見ている。

(絶対、無茶しそう。)

「魔導士部隊の方に行ってくる。」

そう言い残し、その場を去っていく少年を見送る男性。

「始祖の再来ですか。強大な力に対しまだお若い。副団長として支えて差し上げないと。」

そう独白し部下に指示を出しに行くのであった。




ジークヴァルト 17才

第三騎士団団長に就任後初の出陣を果たした日であった。


感想など何でも送ってください。

少し時間がとれたので訂正しました。

次回の投稿はおそらく11月末~12月にかけてになります。

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