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今日から学校と仕事、始まります。①莞

なんだかリスク

作者: 孤独

知っている限り、彼と戦うことがどれだけヤバイか分かる。

能力という持ち味でなら


「何を見ている、ミムラ」

「え。別に……」


広嶋健吾ひろしまけんご

超能力、”同士討血どうしうち

現状の詳細:

同類あるいは同種の物を崩壊させ、自らはそれらに影響を受けない。

能力者である広嶋本体は、対象者に同類、仲間、家族などの関係を持つ者を所有している場合、意図のある攻撃は無力化することができる。


要約、広嶋くんはなんでも壊せて、殺せて。広嶋くん自身は誰からも殺される事、倒される事もない。


私達の、最強の仲間であって。私の、……


「恋人にでもなれたら良いんだけどね……」

「何を言っているんだ?」

「そーいう事にはなれなくて。別にってこと」


ヤバイ能力はお互い様であるが、今は向かい合って、お食事を楽しんでいるところである。隣にいなければ、……


「どしたのよ、ミムラ」

「アカリン先輩。分かっているじゃないですかー!もぅ!」

「あれれ?お邪魔でしたか?」

「丁度良いくらいだ。どっちもアホだから」


山本灯やまもとあかり

超人、”拳女王”

現状の詳細:

拳に特化した身体能力を持っている。拳一発でビルを破壊したり、対象物を指定の場所まで殴り飛ばしたり、気付いたら殴られてるほどの神速の突きを繰り出したり。基本は拳特化だけど、他の身体能力も間違いなく”超人”



「はっはー。せっかく、あたしがあんた等に奢ってあげる。ラッキーなのよ」

「ミムラの仕業か?」

「そんなわけあったり、なかったりかな」


おきミムラ

超能力、”天運”

現状の詳細:

とにかく運が良くなる能力。ミムラ自身も何が起こるかは分からず、ある程度の操作コントロールしかできない。天気を変えたり、懸賞を当てたり、時には運命を捻じ曲げ、世界全土をひっくり返すまで。無限の可能性を秘める。



全員が全員。ヤバイ実力者であり、こーして普通のファミレスで食事もできちゃう。

なによりも争いごとは好まないからだ。


「広嶋さぁ」


アカリン先輩からの言葉であった。よく考えれば、アカリン先輩と一緒にご飯を食べに行くところ。広嶋くんも誘ったわけだ。


「あんたの能力、どーなってるわけ?」

「テメェな。プライバシーってもんがあるだろ?」

「殴った感触もあるけれど、すぐに身体が再生(?)するわ、反撃できるわ。いろんな事が効かないとか、ズルくない?」


この3人の中で、正統派の戦士という能力を持っているのは”超人”のアカリン先輩だろう。

殴るだけに特化した能力だけど、シンプル過ぎるから戦闘って事になったら、私は勝てるわけがない。広嶋くんも、能力による鉄壁な防御がなければ、勝てないだろう。


「弱者の考えだな」

「拳が効けば、あんたなんて一発なんだけど。なんか、能力で最強を語るタイプよね?あんたの」

「お前に才能ねぇから。ま、そりゃー違う意味だが」


広嶋自身は、自分の能力を最強や無敵とは考えていない。

灯やミムラからすれば、とにかく無敵としか言いようがない。

優れた防御性能を持つ能力であるが、あくまで戦闘や戦争という、相手や組織などがあって成立している能力。予期しない出来事やそもそも能力を貫通してくる系には、酷く脆いと自らに戒めている。特にミムラのような能力では、ダメージを喰らう可能性がある。

この三人の力関係は、広嶋>灯>ミムラ>広嶋>灯>ミムラ。という、奇跡的にジャンケンのような図式となっている。



「そーいう能力を素で使えるからだ。それ含めて強さだろ」

「リスクとかあるんじゃない?能力には付き物でしょ。特にあんたは条件付きの能力なんだし、あってもおかしくないわ!」

「あったとしても、お前等に教えるわけねぇだろ。探ればぶっ殺す」


そんな言葉を無視して、


「ミムラも考えるのよ!こいつの弱みを握りな!」

「ええっ……」

「アホ2人が考えてもしょーがねぇだろ」


熟考するミムラと灯。そんな二人に呆れて、タダ飯を頂く広嶋。

どんな答えであろうと広嶋は意に介さない気がする。そう思っていたが、ミムラは恐る恐る。ふと思ったことがある。


「!……も、も、もしかして……」

「なに?ミムラ!」

「ひ、広嶋くん。もしかすると、能力のリスクって」

「リスクはねぇって言ってるだろ(あっても言わねぇよ)」


本人の答えに対して、ミムラは聞く耳を持たず


「一生、童貞とか。なんか、そんな感じがするんだけど」

「は?」

「だって、家族や友達を持っている人からの攻撃を受けないとか、童貞のひがみで生まれたような能力じゃん」

「うはっ!それウケる!!めっちゃ、広嶋に似合う!!」


広嶋の反応は怒り。とーっても静かな怒り。そして、そんな場に笑う灯。ミムラは引きながら、諦めもちょっと含んでいた。


「だって、私。広嶋くんのこと。好きだけど。その気になってくれないのって、そのリスクが邪魔して、できないと思っちゃう」

「……………」

「私、綺麗で大人びてるし、のんちゃんは幼くて可愛くて、裏切ちゃんは積極的なアプローチ重ねても、ぞんざいに扱うから…………ごめんなさい!今まで気付かなくて!私達、ホントに、馬鹿で……」


涙が余計に、


「イラつくんだ、テメェ等ぁぁっ!!!」


広嶋は、”同士討血”を発動させ。自らそんなもんあるわけねぇって、怒りの発言と行動で。



バヂイイイイィィッッ



一瞬にして、この街と隣街を同士討ちさせて、消滅させてしまうのであった。

全て一瞬で瓦礫と灰の世界を生み出す。防御性能も、攻撃性能も恐るべきもの。広嶋の任意があれば成される攻撃は殺戮兵器を上回る。


「でも、そーいうリスクがある事を今、証明できたわけじゃないわよね?」

「悪魔の証明って知ってるか?」

「けど、その……。そうだ!違うというのなら今から、私と」

「いい加減にしろ!!テメェ等を先にやんぞ!!」


結局はなりませんでした。

けど、それは違うことを知れて嬉しい一日と思ったミムラであった。広嶋はとんでもない災難であったが。



どーでも良いけど、ミムラの指摘がガチ過ぎて、自分も広嶋を疑います。


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