劣等感が悪いとは言わない。
これは小説って言うのか分からない。ただ私は私の体験した劣等感について話をしたいと思う。
タイトルどおり、劣等感についてだ。これは誰しも持っていることだろうと思う。このなろうの中でも人気作品に劣等感を持ち嫉妬している人も居るだろう。私はまだ本格的に投稿し始めて7日という短さなのでなろうの作家に劣等感と嫉妬をすることは無い。別のことでは嫉妬したことがあるが、それに関して話そうと思う。
私は絵を描く。小説でも挿絵を入れてる人がたまに居たりする。私はまだ見た目の設定がしっかりとしていないのもあってラフ止まりだが絵を描く。これは自慢なのだが、人からは「うまい」「凄い」と言われた事もある。絵に関してはプロを目指そうって思っているほどだ。ここで書くのもおかしな話だけどよければ読んで欲しい。
私は絵を描くのが好きで、そして人に見てもらいたくて絵の有名な投稿サイトに投稿していたりする。そのサイトはプロなども使っていてレベルが高い、正直自分の絵がゴミに見えることも多々ある。自分の親しい人もたまに出している。正直すごい。レベルが高すぎて雲の上に居る人に見える。でもそのレベルを目指す私にとっては付いていくしかない。正直劣等感の塊だ。
私は作品をまとめるて作品集にするためにイラストをまとめていた。周りに比べて見栄えが悪く、良いものとは言えないと自分でも思っていた。だけど自分では成長した証だし、入れるべきって思っていたんだ。
「そんなもん入れるのか?」
レベルが高い、凄いと思っている人の何気ない言葉。確かにレベルが低い。入れるものとしては不完全すぎるのだろう。ただその一言で私は崩れ堕ちた。積み上げたものが全て崩れる音がした。
まとめていた作品を放棄して私は逃げ出した。逃げて、ベンチに座って、空を見ていた。涙を流さないように、人に見られないように。
「自分がした事って…頑張ってきた事って…無意味だったのかな…?」
一人で思わずつぶやいた言葉だ。それなりに打ち込んできた。頑張ってきた。それが全て否定された気がした。それから家に帰ったのだが…手を握ることは出来なかった。握りたくなかった。「手に何も無い、そんな状態で握りこぶしを作ることは出来ない」そう思った。
ここで自分の感情に気が付く。劣等感、嫉妬、無力感だ。
「努力をしても無意味、お前が手に入れることは出来ない、手に入れたそれはお前が持ってても無意味だ」
そんな心無い声が聞こえてくる気がした。実際に回りに人が居るわけでもない、自分の勝手な想像だ。
そうして心が壊れていく中、私は出来る限りに抗った。ネットで調べたし、本屋に行って色々見たりもした。がらむしゃだが絵も描いた。1日1枚というふざけた速度で、「これじゃダメだ!」と思いながら。回りから見れば醜いものだろうと思う。出来損ないの奴が醜くわめいているんだ。
それを繰り返していて、もう一度作ろうとした。言われた。「変わってない」って。
それから私は引きこもった。何も出来ないんだと思いながら、人の作品、小説然り、イラスト然り、音楽然り、色々なものを見ながら「凄いなぁ…」と言いながら劣等感と嫉妬で埋め尽くされながら。死のうと思ったときもある。自分はこの世の中に居ても極潰しでしかないモノなんだと。
最期の抗いとして、親に電話した。泣きながら電話した。そして言われた言葉がこれだ。
「その人が一番偉いわけ? 自分の勝手な価値観で全部決めてるんじゃないの?」
予想してた幾つもの回答の中になかった答えが返ってきた。
そしてなるほど…とも思った。
作品と言うモノはその人の個性を出すものだ。どんなものでもその人の個性が出ていればそれは立派なその人の作品。自分が認められなくても他の人が認める作品なんていくらでもある。
「自分も…その自分勝手な価値観で見てたんだな……」
そう思った。劣等感とは別の感情、自己嫌悪が出てきた。どうでもいい言葉に振り回された自分への怒りとその自己嫌悪だ。
そのあと私は絵を描いた。簡単に、完成はさせない。完成させるのは気に入って進めたいと思った物だけにするようにしている。今まで有った無力感は消えた。
これは劣等感で鬱になっていた私の話だ。まだ劣等感は消えていない。確かな形のモノを何も残していないから。だけどそれは悪いことじゃないと思う。
劣等感は上を目指すための力になる。嫉妬もその一つだ。直接嫉妬している人に手を出すのは流石に悪い事だと思うが「今に見てろよ…超えてやる……」と言う感情で動けばそれは強さになる。まるで少年漫画のような展開だろう。
私は出来ない人自体をかっこ悪いとは思わない。ただ、出来ないことに甘えて、何もしない人はどうだろうとは思っている。ただ気持ちもちゃんと分かるのでダサいとかも言わない。ここで言いたいのは、出来なくても、人より劣っていても、自分の出来る全力で頑張る人間。それははたから見たら失敗かも知れない、結果も伴ってないのかも知れない。だけどそれは…カッコイイな…と私は感じる。