ニートがニートを卒業すると嵐が起こる
2分程して、束紗はパソコンをいじる手を止めた。
画面には意味の分からない文字列が並んでいて、良く分からない。
「えっ!?何、もう分かったの!?」
都亜は憂鬱な表情から一転、目を丸くしてパソコンに駆け寄った。
「あぁ。履歴を調べてパパッとな。匿名化ソフトも役立たずだな」
画面が切り替わり、映し出されたのは他校の制服を着た少女だった。
都亜は画面をじっと見ると、何か気づいた。
「えっ、この制服……この近くの美園学院じゃない!?」
「そうだ。おまけに……っと」
束紗はクリックして制服の胸元を拡大させ、胸プレートの文字を表示させた。
「美園学院 生徒会長 真名寺柴乃……生徒会長!?」
「あぁ。こいつが理事長娘の加工画像の制作・拡散者の張本人だ」
都亜は言葉を紡げない状態で、唖然としている。
「今回は三禮に直接会わねーと……どうすっかなー」
束紗は少し考えた後、ふぅと溜息をつき、都亜に言った。
「明日俺、『学校行く』から」
都亜は固まり、何も言えずに棒立ちしたままだ。
「…………え?……っえぇーっ!?こ……この世の終わり!?」
「んな大げさな……」
俺は慌てる都亜をよそに、学校へ行く支度をした。