8話
すいません遅くなりました。
ちょっと体調を崩してしまい、
書くことができませんでした。
拙い文章ですがお楽しみ下さい。
8話
その出会い突然で、後から考えれば必然だったのかもしれない。
大きな体躯を持ったこの世のものとは思えないほど、神々しい白銀の狼。
息をするのをつい忘れてしまうほどに幻想的でいた。
その透き通るような毛並みに触れたくて手を伸ばすが届かない幻覚に陥る。
それでも必死に手を伸ばし触ろうとしたその時、白銀の狼は真紅の瞳を開いて俺を射抜いた。
その瞬間、身体に電撃が走ったのかのような衝撃を受けた。
それと同時に俺は意識を手放した・・・。
少しして俺は目を覚ました。
でも身体は痺れていてうまく動かせない。
視界には、先ほどより近くに白銀の狼が目を閉じていた。
白銀の狼はまるで俺を守るのかのように寝ていた。
その心地良い温もりを感じながら少しの時を過ごした。
身体が動くようになるとやっとその白銀の毛を撫でることができた。
撫でている途中で狼は真紅の瞳を開いた。
試しに果物をあげてみると美味しそうに食べてくれた。
その場から立ち去ろうとすると、どうも狼が追いかけて来るので走ったが振り切れるはずもなく一緒に旅をすることにした。
何日間か行動を共にしていると懐いてきたようで4日目には、背中に乗せて走ってくれた。
そのためか、だいぶ早く街に着くことができそうだ。
時々だが白銀の狼には小さな稲妻が見える、でもそれに触っても暖かくとしか感じないようで不思議な稲妻だと思う。
そして、白銀の狼に出会って12日目の朝。
「はぁ〜ぁ」
俺はいつもと同じように目を覚ましいた。
だが、いつも居るはずの狼がいない。
朝飯には戻ってくるだろうと思い、湖に向かうとそこには銀色の長い真直ぐな髪を持つ美少女が見えた、いや見えた気がした。
今は、白銀の狼がいるだけで周りを見渡しても誰もいない。
銀髪の美少女なんてどこにもいるはずもなく、でももう一度だけでも見たがったが
その願いは叶わなかった。
その4日後、街についた。
街は城壁に囲まれていて外からでは建物の天辺しか見えない。
門には門番が二人いて順番待ちの人が5組ほどいてすぐに入れそうである。
「そうえば俺、身分証とかないけど街の中に入れるのかな?ま、考えていても何も始まらないだったら実行あるのみだ!」
バカなんだか、行動力があるのか分からない、否どちらもだろう。
列の最後尾に着くと前の人が商人らしく話しかけてきた。
「私の名前は、レーンと言います。一応レーン商会の会長をしています。どうぞ、お見知り置きを。」
「俺は、旅人の由夜です。こちらこそよろしく。」
敬語は一応使えるが失礼の無い最低限の受け答えをした。
「その狼は珍しいですね。灰色ではなく白なんてここらじゃ滅多に御目にかかれないですね。売るんでしたら我が商会に是非お願いします。色は付けさせてもらいますよ。」
「いや、この狼は旅仲間なんで売ることはできません。すみませんね。」
「それは残念だ。でも売る時は我が商会へ足を運んで下さい。」
「わかりました。その時はそうさせてもらいます。ところで街の中に入れても大丈夫でしょうか?」
「基本的には大丈夫ですが、そのサイズであると首輪をした方が良いですね。」
「そうですか。レーンさんは首輪をお持ちでしょうか?あれば買わせていただきたいのですが・・・」
「ございますよ。是非見てください。」
と言い商品を見せてくれた。
首輪は狼に一々付けさせて本人に決めさせた、値段は銀貨1枚だった。
高いのか安いのか全くもってわからないが、いい物を買えたと思う。
「おかげさまでいい買い物が出来ました。」
「また何か御用がありましたら、いつでもいらしてください。」
商会の場所教えて貰った。
人のいいひとではあったがこの世界の相場をもっと知らなければ行けない。
とにかく、これで街に入ることができる。
レーンの話だと冒険者ギルドや生産系ギルドがあるらしいので、まずは冒険者ギルドに行って生計を立てて行こうかな。
考え事をしていると、順番がまわってきたようだ兵士がこちらを見て手招きをしている。
「おーい、早くこっちへこーい狼の少年」
「あ、はい。すぐ行きます。」
走って兵士の元へ急いだ。
「おまえ身分証は持っているか?」
「村から出てきたばっかりなのでないのですが・・・」
まるっきり嘘は言っていない。
「この街には何しにきたんだ?」
「冒険者になりに来ました!」
「そうか、だったら銀貨1枚で仮身分証明書を渡すからギルド行ってギルドカード作って来い。ギルドカードと仮身分証明書をここに持ってくれば、仮身分証明書と引き換えに銀貨1枚は返すから、ギルドはこの道をまっすぐいって噴水の広場に出たら左だ、そしたら右側に大きな建物があるからそこが冒険者ギルドだ。わかったか坊主?」
「わざわざ丁寧にありがとうございます。」
「いいってことよ。こっちはそれが仕事だからな。じゃぁ気をつけろよスリがいるからな。」
「わかりました。またきます。」
お礼を言い門を後にした。
道には露店が数多く立ち並んでいる。
串焼きなんて今すぐに食べたいが先にギルドへ行って宿をとってからにしよう。
そんなことを考えながら歩いていると足と手に鎖を付けて正気のない目をした人が並んでいるのを見かけた。
あれはきっと奴隷だろうやっぱりこの世界には奴隷がいるのか。
平和ボケした日本にいたけど奴隷の扱いがその目で語っているようだった。
歩みを止めずに噴水の広場にを左に曲がると、そこは露店がなくお店が並んでいた。
冒険者ギルドは一軒家二軒分ぐらいの大きさがあって入るのを少しためらう。
意を決して入ると中は意外に綺麗で、酒場ではなくカフェのようだ。
昼間っから酒を飲んでいる人なんてまったくいない。
そもそも酒を置いていないのかもしれない。
でも、受付嬢は金髪碧眼の可愛いエルフ耳だったしかも巨乳。
(この世界にエルフがいたとは・・・異世界舐めてた・・・)
まず、ギルドカードを作るために受付に向かったもちろんエルフ耳だ。
「いらっしゃいませ。本日はどのようなご用件でしょうか?」
営業スマイルの鏡のような笑顔だ。
思わず惚れそうになった。
危ない危ない。
「あ、えーと。ギルドカードを持っていないので作りに来ました。ここで作ることできますか?」
少しテンパってしまった。
いきなりのエルフ耳は刺激が強すぎたようだ。
「はい。お作りできますよ。でわ、この紙に記入をお願いします。」
渡された紙は日本語ではないのに読むことができた。
なんだこの異世界補正。
名前 由夜
種族 人族
年齢 16
武器 刀
属性
出身地 ロコ
(これだけか。少ないなていうか属性ってなんだよ知らねーよ)
属性とは何か聞いて見ることにした。
「あのー。属性ってなんですか?」
「属性とは生まれ持った魔力の質のことです。火、水、風、土、光、闇があります。基本的には一人一属性です。たまに二つ三つ持っている人もいますけどこれは珍しいですね。属性に関してはこのくらいですね。属性の方の確認致しますか?」
「是非お願いします。」
属性の確認には血が必要らしく、手を出してくださいと言われいきなりはりで刺されて銀色の液体の入った器に血を垂らした。
そうすると色が変わり、黄色になり小さな稲妻が時々見える。
エルフ耳は黙ってしまった。
「これ、光じゃないんですか?ちょっと稲妻見えますけど・・・」
「由夜さんにも見えるんですね。普通は稲妻は出ないんですよね。なんなのでしょう?ギルドマスターに聞いて見ますね。」
と言ってお皿を持って奥へ行ってしまった。
数分後、エルフ耳と筋肉鎧の大男が出てきた。
「きみが由夜くんだね。」
「はいそうです。」
「君の属性は、光と闇のダブルだと思われる。普通は光と闇は相容れない属性なのだがこの稲妻がうまく調和をもたらしているようなんだ。君は本当に人族で間違いないよね?」
「はい。両親共々人族です。」
「属性で光と闇は特別でね。光は人族、闇は魔族しか操れないんだよ。ハーフだとどちらも操れない。そういう属性なんだ。だから、君の属性は一概には言えないが光と闇の性質があるように感じる。二つ持っていても珍しいだけで悪いことはないから安心しなさい。」
「わかりました。あまり深く考えないようにします。」
「そうしてくれ。ところでその狼はなんなんだい?微かに魔力が感じるのだが?」
「森の中で旅の途中で出会いました。」
「その懐かれようは珍しいね。魔物は人を襲うだけだからね。」
「え、こいつ魔物だったんですか?」
白銀の狼は会話中も由夜の足に寄り添っている。
「てっきり知っているものだと思ったよ。物好きに狙われないように気をつけてくれ。」
「わ、わかりました。」
「では私はこれで失礼させてもらうよ。あとはマールしっかりギルドカード作ってやるんだぞ!じゃぁ私はこれで。」
そう言ってギルドマスターは奥へ入って行った。
受付嬢の名前マールさんだったのか。
「マールさん続きお願いしますね。」
「は、はい。ではもう一滴血をこの板に垂らしていただけませんか?」
そう言って銀色の金属の板を出した。(15cm×5cmくらいです。)
またもや針を刺され血を垂らすと板に文字が浮き上がってきた。
名前と記号が書かれている。
「それではギルドカードの説明に移ります。よろしいでしょうか?」
「はい。よろしくお願いします。」
「まずランクから説明します。ランクはクエストクリアの貢献度とクエストランクから審査します。
種類は、SSS、SS、S、A、B、C、D、Eの八ランクあります。当然最初はEランクからです。普通はBランクまでは努力で上がれますがAは才能が必要です。Sは天才、SSは英雄、SSSは神さえも倒すと言われています。パーティの場合は全員のコンビネーションなどで決まります。簡単の言うとSの人とSのパーティとドラゴンは互角だとわかりやすいと思います。
現在はSSSは確認されていません。過去には邪神を倒したパーティが一つだけSSSに昇格したという伝説が残っています。SSは国に一人はいます。大概が王都でギルドマスターをやっています。ちなみにうちのギルドマスターもその一人です。全世界で四人ですね。
Sは八人います。パーティだと十二パーティです。
その他はたくさんいます。
まずはBランクまで頑張ってください。
次にステータスの見方です。
ステータスもSSS、SS、S、A、B、C、D、Eの八ランクです。内容もそのままで一般人だとオールDかEがほとんどですね。
冒険者だとオールBを超える人はほんの一握りです。
例で言うと、戦士が
筋肉B
魔力E
精神E
知識E
俊敏B
技能D
で、魔術師が
筋肉E
魔力B
精神B
知識D
俊敏E
技能E
これがギルドランクBの人の平均なステータスですね。
由夜さんは、っ!!
すごい・・・です。
筋肉SS
魔力SSS
精神SSS
知識SS
俊敏SSS
技能E
です。
今までなにやっていたんですか?
これだとギルドランクSSSも夢じゃないですよ!」
なんかマールさんが英雄を見るように俺を見てくる。
なんか、居心地が悪い。
(神さえも倒せるのか俺・・・高校には重いわー)
「マールさんこの事は秘密にしてもらえませんか?」
「なんでですかもったいない。」
「あまり目立ちたくないんで、どうかお願いします。」
「仕方ありませんね。その代わりにクエスト受ける時は私のところに来てくださいね。」
「言われるまでもないじゃないですか。こんな可愛い人のところに来るなんて当たり前ですよ!」
「そ、そうですか?」
マールさん顔がりんごのように真っ赤になってしまった。
「あと、言い忘れていましたがギルドカードの際発行には銀貨5枚必要ですから無くさないでくださいよ!」
「わかりました。よければ、オススメの宿ってありますか?」
今日寝るところは大事である。
どこもいっぱいで野宿なんて災厄過ぎる。
「ありますよ。私の家なんですけど宿をやっていましてご飯も美味しいので狼さんと一緒にどうですか?」
狼ありは嬉しいな。
マールさんの家ならば信頼もできるし泊まるとしよう。
「是非お願いします。ところで場所どこですか?」
「私、もう上がるので一緒にいきましょ?」
「わかりました。そこの椅子で待ってますね。」
「はい。すぐ行くので待っていてください。」
そういいマールさんは走って行った。