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6話

6話


急いで戻っていると、大量のゴブリンたちがもう間も無く村の入り口に到着しそうだ。

(魔物ってあんなに沢山で村を襲うのか?どう考えても、あんなに多いと村人だけで倒しきれないだろ 。)

村の人たちも武装しているが、焦りの表情が浮かんでいる。


なんとかゴブリンが村に着く前にはくることができたが、早く倒さなければ村にゴブリンがなだれ込んでしまう。

もし、そうなったらもう手の付けようがない。

なったが最後、村が血の海とかすだろう。

どうにかそれを阻止しなければいけない。

(とりあえず、近くのやつから処分するか。でも今まで、こんな刀なん振り回したことなんてないぞ。親が警察官のせいで剣道と柔道は有段者だが、防具も何にもないから何時もとは勝手が違う。せめて籠手が欲しいな。)

そんなことを考えてるうちに、ゴブリン達は迫ってくる。

(やらなきゃ何も始まらないか・・・よしっ!とりあえず近くのやつから切って行くか。)

そう言って由夜は手頃なゴブリンの刀を横殴りに振り抜いた。

(うぉっ!この刀切れ味めっちゃいいな。昔買った模造刀とは大違いぜ。)

刀でスパスパ切れるから楽しくなって雑草を刈るようにゴブリンを狩っていく由夜。

(元からやっぱ俺、壊れかけていたんだな。なんか泣けてくるぜ。)

ハタから見れば残像が出来てるほどの速さで刀を振るっているが、ハイになっている本人は「ゴブリンをトロすぎだろww」としか思っていないところがまた恐ろしい。


数分後、ゴブリンを狩り尽くした頃には全身が返り血だらけになっていた。

服が黒かったからあまり目立たないが、匂いがひどい。

ここで脱ごうか考えたが、村の人たちが集まりつつある今、上だけ脱ぐにとどめた。

最初に寄ってきたのは、涙を流したアイナちゃんだった。


「ほら、また会えるっていっただろ?」


「わ、私、もう村がダメかと思いましたぁー」

と言っていきなり抱きついてきた。


(血まみれの服、上だけだけど抜いどいてよかったー)

ひとまず、気が済むまで胸を貸してあげることにした。


数分後、やっとまともに話ができるようになったようだ。


野暮ったらしいが、こんなことを聞くことにした。


「いつもあんなたくさんのゴブリンが襲ってくるのか?」


「いえ。いつもは2、3匹です。あんなに多いのは、生まれて初めてですよ。」


(そうだよな。あんなにいつも多かったら、この世界終わってるよな。)

「とりあえず、間に合ってよかった。」


「由夜さんがいなかったら、私今頃生きていませんでしたよ。本当に、ありがとうございます。」


「そんな、当然のことをしただけだよ。」


「いえ、あんなに沢山の魔物が、襲ってきて村が無事なんて奇跡です。」


「「「ありがとよ、にいちゃん!」」」

「「「ありがとね、由夜くん!!」」」


みんなに、お礼を言われて思わず照れてしまった。


「でも、1人であんな沢山のゴブリンを倒すなんて、お前なにもんなんだ?」


(そんなに人間離れしたことしてたのか俺?)

「えーと・・・・・。」


「みなさん、由夜さんは疲れているんですよ?今日のところは、お礼だけにしましょ?ね、泊まって行きますよね?由夜さん。」


「う、うん。そうさせてもらうよ。」


アイナちゃんは、今だ抱きついていることに恥ずかしさを覚えたのか顔を赤くして慌てて離れた。

(そうえば、俺半裸じゃん・・・)

由夜は慌ててアイテムボックスから服を出して着た。

アイナちゃんは少し残念そうな顔をしていたが、俺と目が合うと慌てて目をそらした。


そして、さりげなくてを引かれながら、村長の家へ向かった。


その手は、魔物殺した後には少し暖かすぎる手だったの同時に、とても安心する温もりでもあった。














次回は、アイナちゃんsideを書こうかと思います。

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