3話
3話
翌朝目を覚ますとまず、湖まで顔を洗いに歩き、顔を洗ったら果物を食べて一息ついて、木の実をとって森を出た。
最初は刀を手で持っていたが、長時間持っていると疲れるので今はアイテムボックスの中だ。
一つ発見したことがある。
水の中で試しにアイテムボックスを開いて見たらなんともなかったが、閉じるのを忘れて果物を食べて湖を見たら明らかに水位が減っていて、びっくりしてアイテムボックスを閉じるのを忘れて唖然していると、閉じたときには水位が最初よりも30cmほど減っていた。
その時ばかりはアイテムボックスの偉大さを感じずにはいられなかった。
そんなことがあり、水の心配はひとまずなくなった。
それにしても、この草原はどこまで続くのだろうか。
かろうじで森が点々とあるので進んでいることがわかるのはありがたい。
森に入り果物をとりながら草原を一週間ほど進むと、やっと村らしきものが見えてきた。
村に着くまでには畑が多く、麦らしきものを育てているようだ。
俺はパンが好きだ、米よりパンだ、麺よりパンだ。
この一週間ほど果物を水しか食べていない。
村だったらぶつぶつ交換でパンが手に入るだろうか。
パンが食べれるとなると思わず足取りが軽くなる。
村の少し手前で異世界初の人と遭遇。
茶色い髪のセミロングに茶色い目の女の子だ。
ところで言葉は通じるのだろうか?
何かとても不安な気持ちになってきた。
百聞は一見にしかず、とりあえず声をかけて見た。
「あのー、旅のものなんだけど、少し聞きたい事あるんだけどちょっといいー?」
「あ、はい。いいですよー」
なんとか言葉は通じるようだ。
よかった。うん、本当によかった。
「ここはなんて村なんだい?」
「ここはロコっていう村です。歓迎します旅のお兄さん。」
笑顔でそう言われつい恥ずかしくなってしまった。
一応歓迎されているようでよかった。
そうして村の村長の家に案内された。
女の子は村長の娘だった、アイナという名前で16歳だそうだ。
(俺と同い年なんだ、14歳くらいだと思った。)
村に来るのは商人くらいなもので、2ヶ月に一度くらいらしい。
村長と話していると、夕方になり夜ご飯ご馳走してもらい、珍しい旅人ということで、村長の家に泊まらせてもらえることになった。
(久しぶりにベットで眠られる)
旅の疲れか、安心のせいか、急に眠気が襲ってきた。
(明日のことは明日考えればいいか・・・)
やはり、眠気には勝てない由夜だった。