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第九章第二話
「最近タイムスリップしてきた人と話してみたいな。ねぇ、セットしてくれないかな?」私は彼女に頼んでみた。「会って、何を話すの?元の世界の話を聞いてもどうしようもないじゃない?」彼女は私の気持ちを逆撫でするように言った。 「まぁ、会ってみたいというあなたの気持ちもわからなくもないわ。誰かに当たってみるわ。」そういい残して、彼女は売店前の人の輪の中へ入って行った。 最初から素直にそうすれば良いのに、一言多い女だ、とぶつぶつと文句を言っている私の前に、女に連れられて、一人の青年が現れた。