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第八章第二話
新しい年(1983年)になった。若い私は、不遜なことを考えていた。バイト代を貯めて、原付を買おうと考えていた。懲りないヤツである。多分、あの当時仲の良かった友達の大半が原付やなにがしかのバイクに乗っていたからであろう。
若い私は、今はまだ、時期尚早だと思い黙々と働いた。雨が降ろうが、木枯らしが吹きすさぶ日もラーメンの出前に励んだ。母も父も、息子がそんな不届きな事を考えているとは夢にも思わず、真面目にバイトに励んでいる息子に安心していた。若い私は、卒業した中学の近くのバイク屋で、買いたい原付を物色していた。懲りない男である。




