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第一部第七話
パスは海近くの自宅へ向かった
前回、タイムスリップした時から4ヶ月ぐらいしか経っていなかったので、あまり窓の外の景色は変わらなかった。相変わらず、のんびりとした、しかし、どこかホッとさせる風景だった。バスは、のんびりした速度で、私の自宅近くの終点のバス停に近づいていった。私の好きだった海へと繋がる一本道をバスは走り続けた。 バスは少し上り坂の道を走り、終点の一つ手前のバス停を出て、すぐに右折した。乗客は誰もいなくて、終点のバス折り返し所に着いた。私は運賃を数える運転手を横目にバスを降りた。こういうとき、運賃を払わなくて良いから、透明人間は気楽だ。私は折り返し所近くの自宅に向かった。